TechZone Blog 第6弾は、AI、高性能コンピューティング (HPC) 、高度な分析を支える次世代データ基盤のIBM Storage Scale (以下、Storage Scale) です。
今回のTechZone Blogを担当するのは、ストレージ・テクニカル・セールス1年目の瓦谷 優佳 (Yuuka Kawaradani) です。本ブログでは、Storage Scale初心者の私が実際に触ってみた体験記をお届けします。
わかりやすくお伝えできればと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
Storage Scaleとは？
上記資料は「IBMストレージ・ソフトウェア一枚もの集」でご紹介したこちらでご確認いただけます。
さらに、弊社のパートナー様である株式会社エクサの石木田様による、Storage Scaleの魅力を素早くキャッチできるブログも公開されていますので、是非ご覧ください！
これらの情報を踏まえ、Storage Scaleの特徴的な機能をピックアップしました。
Storage Scaleはこうした機能により大量のデータを効率的に管理し、AIやHPC、高度な分析のワークロードを加速することがわかりますね！
TechZoneで体験しよう
※ TechZone を利用できるのは IBM 社員とパートナー様です。お客様は IBM 社員またはパートナー様にデモのご要望をお伝え下さい。
Storage Scaleについて簡単にご紹介しましたが、やはり“百聞は一見にしかず”。実際に触れてみることで、Storage Scaleの理解をさらに深めることができると思います。
そこで本ブログでは、TechZoneで提供されているStorage Scaleのデモ環境をご紹介します。この環境では、Storage Scaleを手軽に体験することが可能です。
そして本ブログは、2部構成でお届けします。今回はAFM機能にフォーカスし、TechZoneを活用してStorage Scaleを体験いただきたいと思います。
もくじ
- デモ環境の申込み
- デモ環境概要
- デモ環境へのアクセス方法
- Active File Management (AFM) 機能を体感しよう
- まとめ
当記事のデモの内容はライブラリからダウンロードも可能です → ライブラリ
1. デモ環境の申込み
TechZone IBM Storage Scale の申込はこちらから：IBM Storage Scale Developer Edition Labs
TechZoneの申込手順については下記記事の「3. TechZoneの使い方」で解説していますので、参照してお申し込み下さい。
TechZone Blog #1 IBM Technology Zone (TechZone) で IBM ストレージ製品に触ってみよう
デモ環境の予約は左メニュー[Environmets]に表示されます、[IBM Storage Scale Developer Edition Experience 5.2.3.X]をお選び下さい。このデモ環境を選択いただくことで、Storage Scaleが既にインストールされたデモ環境を使用できます。
また、「Create a reservation」のページでは「Single environment reservation options:」の「Request an environment」を選択して下さい。
2. デモ環境概要
デモ環境は以下のような5つの仮想マシン (以下、VM) で構成されています。各VMの詳細については、以下のようになっています。
-
scale-gui1：Storage ScaleのGUIを実行する際に使用するVM
-
scale-server1&2：Storage Scale POSIXサーバーとして機能するVM
-
scale-client1&2：Storage Scale POSIXクライアントとして機能するVM
3. デモ環境へのアクセス方法
3-1. GUIでのアクセス方法
①予約したTechZoneのデモ環境に接続すると、以下のような画面が開きます。Desktop URL (赤枠部分) をクリックすると、scale-bastionのデスクトップにアクセスできます。
②初めて接続する際、セキュリティー警告が表示されます。以下のような警告が表示された場合は、ボタンやリンクをクリックして続行してください。(以下の警告はSafari使用時の例です。)
③scale-bastionのデスクトップにアクセスするためにはpasswordが必要ですので、TechZoneの画面に記載のあるpasswordを入力し送信してください。
④scale-bastionのデスクトップにアクセスができましたら、Firefoxを起動します。新しいタブのアドレスバーに「https://scale-gui1」を入力し、証明書の警告をクリアしてください。
⑤警告をクリアすると、Storage Scaleのログイン画面が確認できます。ログイン画面では、TechZoneの画面に記載のあるuser nameおよびpasswordが必要です。
⑥GUIにアクセスすることができました！
GUIのHome画面では、先ほどのデモ環境概要で紹介した5つのVMや2つのファイルシステム等が確認できます。
3-2. CLIでのアクセス方法
本デモ環境では、SSHキーを使用してscale-bastionにアクセスします。
①TechZoneの画面にある「The SSH private key」をダウンロードしてください。
②TechZoneの画面にあるuser nameおよびpublic IPが必要ですので、ご確認ください。
③ローカルのターミナル・ウィンドウを開き、以下のコマンドを入力してください。
ssh –i <The SSH private keyのファイル名(フルパス)> <user name>@<public IP> -p 2223
‼️以下のような警告が表示される場合はchmod 600 <The SSH private keyのファイル名(フルパス)>を入力し、再度ssh –i <The SSH private keyのファイル名(フルパス)> <user name>@<public IP> -p 2223を入力してください。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
@ WARNING: UNPROTECTED PRIVATE KEY FILE! @
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
Permissions 0644 for '/Users/kawaradani/Downloads/ssh_private_key-4.pem' are too open.
It is required that your private key files are NOT accessible by others.
This private key will be ignored.
Load key "/Users/kawaradani/Downloads/ssh_private_key-4.pem": bad permissions
UK2FMWG@162.133.130.152: Permission denied (publickey).
~~@MacBookAir ~ % chmod 600 <The SSH private keyのファイル名(フルパス)>
~~@MacBookAir ~ % ssh -i <The SSH private keyのファイル名(フルパス)> <user name>@<public IP> -p 2223
④以下のようなコマンドが表示されたらCLIでのアクセス完了です！
______________________________________________________________________
Welcome to IBM Technology Zone
______________________________________________________________________
IBM's internal systems must only be used for conducting IBM's business
or for purposes authorized by IBM management. Use is subject to audit
at any time by IBM management.
Unauthorized access will be investigated and penalties will be pursued
in conformance with applicable laws and regulations. If you are not an
authorized user disconnect now.
Activate the web console with: systemctl enable --now cockpit.socket
Register this system with Red Hat Insights: insights-client --register
Create an account or view all your systems at https://red.ht/insights-dashboard
Last login: Tue Nov 18 00:45:43 2025 from 10.244.0.23
[UK2FMWG@scale-client1-pblqcar ~]$
4. Active File Management (AFM) 機能を体感しよう
GUIおよびCLIでデモ環境にアクセスすることはできましたので、Storage ScaleにAFM機能をセットアップしましょう！
本ブログでは、AFMでIBM Cloud Object Storage (以下、ICOS) と連携する方法をご紹介します。これらの操作はCLI操作になりますので、引き続きローカルのターミナル・ウィンドウをご使用ください。
また、ICOSへのログイン方法やキーの取得方法など、ICOSに関する内容は本ブログではAFM機能を中心にご紹介する関係で割愛します。
ICOSの準備はGUI操作で簡単にできますので、こちらのライブラリから資料をダウンロードしてご確認ください。また、この資料にはAFMでNFSサーバーと連携する方法も記載していますので是非ご覧ください。
4-1. scale-client1&2をAFMゲートウェイに設定
AFMゲートウェイとは、AFMで外部のストレージと通信するノードです。
まずscale-gui1にログインして、scale-client1&2にサーバーライセンスを付与します。
※ホスト名内のランダムな文字列部分とは、下線の箇所を示しています。 例）[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmchlicense server --accept -N scale-client1-pckasje
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmchlicense server --accept -N scale-client1-<ホスト名内のランダムな文字列部分>
The following nodes will be designated as possessing server licenses:
scale-client1-pckasje
mmchlicense: Command successfully completed
mmchlicense: Propagating the cluster configuration data to all
affected nodes. This is an asynchronous process.
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmchlicense server --accept -N scale-client2-<ホスト名内のランダムな文字列部分>
:
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
次に、scale-client1&2をゲートウェイに変更します。
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmchnode --gateway -N scale-client1-<ホスト名内のランダムな文字列部分>
Mon Nov 17 12:42:16 AM UTC 2025: mmchnode: Processing node scale-client1-pckasje
mmchnode: [W] Changing the gateway designation with active IO to AFM filesets could cause loss of data access.
mmchnode: Propagating the cluster configuration data to all
affected nodes. This is an asynchronous process.
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmchnode --gateway -N scale-client2-<ホスト名内のランダムな文字列部分>
:
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
4-2. IBM Cloud Object Storageと接続するAFMファイル・セットの作成
ICOSの準備ができた後、ICOSに接続するために必要なアクセスキーとシークレットキーを設定します。
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmafmcoskeys <bucket name> set <access_key_id> <secret_access_key>
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
次に、AFMとICOS間で同期するための新しいファイルセット、今回はibmcloudという名前のファイルセットを作成します。
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmafmcosconfig scale-lab-fs1 ibmcloud --endpoint https://<エンドポイントURL> --object-fs --bucket <bucket name> --mode iw --acls
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
4-3. 動作確認
作成したAFMファイルセットのキャッシュ状態を確認してみると、まだAFM機能が使われていないためInactiveであることがわかります。
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmafmctl scale-lab-fs1 getstate
Fileset Name Fileset Target Cache State Gateway Node Queue Length Queue numExec
------------ -------------- ------------- ------------ ------------ -------------
ibmcloud https://s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud:443/txc-scale-bucket000 Inactive
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
lsコマンドでAFMファイルセットにアクセスしてみましょう。ICOSと同じオブジェクトが入っていることを確認できます。(以下の出力結果は一例です。)
そして、再度mmafmctl scale-lab-fs1 getstateを入力すると、キャッシュ状態がActiveになっていることがわかります。
AFM機能のセットアップ完了です！
[root@scale-gui1-pckasje ~]# ls -ls /ibm/scale-lab-fs1/ibmcloud/
total 0
0 -rwxrwx---. 1 root root 2597 Nov 17 07:45 amenimo_makezu.txt
0 -rwxrwx---. 1 root root 78834 Nov 17 07:45 fusion_resources_leadspace.png
0 -rwxrwx---. 1 root root 1203835 Nov 17 07:45 ibm-fusion-animated-stack.gif
0 -rwxrwx---. 1 root root 134040406 Nov 17 07:45 ilm-test.tar.gz
0 -rwxrwx---. 1 root root 561107 Nov 17 07:45 kokoro.txt
0 -rwxrwx---. 1 root root 849788 Nov 17 07:45 redp5113.pdf
0 -rwxrwx---. 1 root root 2693812 Nov 17 07:45 redp5253.pdf
0 -rwxrwx---. 1 root root 200501 Nov 17 07:45 storage_fusion_0822.png
0 -rwxrwx---. 1 root root 1123143 Nov 17 07:45 wagahaiwa_nekodearu.txt
[root@scale-gui1-pckasje ~]# mmafmctl scale-lab-fs1 getstate
Fileset Name Fileset Target Cache State Gateway Node Queue Length Queue numExec
------------ -------------- ------------- ------------ ------------ -------------
ibmcloud https://s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud:443/txc-scale-bucket000 Active scale-client1-pckasje 0 12
[root@scale-gui1-pckasje ~]#
同様にGUIでもActiveになっているか確認してみましょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか？
TechZoneのデモ環境ではStorage Scaleを手軽に体感できること、そしてAFM機能のセットアップは簡単に実施できることを理解いただけたでしょうか？
今回はAFM機能にフォーカスしましたが、次回はポリシーに基づき最適なストレージに自動配置するILM (Information Lifecycle Management) 機能をご紹介します。この機能は基本的にGUI操作で設定できる機能となっていますので、お楽しみに！
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