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こんにちは、IBM でストレージ製品のプリセールスをやっています吉岡です。
IBM Storage Ceph 7.1 がリリースされましたので、リリース内容を簡潔にお知らせしたいと思います。
はじめに:IBM Storage Ceph とは
IBM Storage Ceph は、大規模スケーラブルでオープンなソフトウェア定義ストレージプラットフォームであり、Ceph ストレージシステムの最も安定したバージョンと IBM サポートサービスを組み合わせています。IBM Storage Ceph は、Red Hat Enterprise Linux がサポートするX86業界標準サーバーハードウェア上で実行することができます。こちらのブログでもご紹介しているので良ければご確認ください。
<<Cephの概要>>
また、IBM Storage Cephはハードウェアの調達・サポート・サービス・ライフサイクルケアの窓口をIBMに一本化することが可能なソリューションを提供しています。詳細は下記の記事をご確認ください。
<<IBM Storage Ceph認定ハードウェアがリリースされました>>
1.VMware向け高速ネットワークベース・ブロック・ストレージ:
このアップデート内容が本バージョンの一番の注目機能となり、Ceph (RBD) ブロック・ストレージへのNVMe/TCPアクセスを提供します。
NVMe/TCPによりLinux 以外のクライアントでCeph RBDブロック・ストレージにアクセスできます。
具体的には VMware vSphere と IBM Storage Ceph を接続し、VMware VMFS ストレージ・リソースとして Ceph ブロック・ストレージを使用することが可能です。
NVMe/TCP はストレージ・パフォーマンス開発キットである SPDKに基づいて構築されているため、VMストレージを ESXi コンピュート・ノードから切り離すことができ、ストレージを独立しての拡張が可能になります。
特に vSAN 環境では、ホスト(ESXi) とストレージが一体化しているため、大規模な拡張が必要な場合、ホスト単位での拡張が必要になり、VMware ライセンスも必要になるため、運用コストが負担になっていきます。
昨今の VMware ライセンス・コスト高騰により、できる限り運用コストを下げたいと考えられる企業も多い中、こういった柔軟性のあるストレージを利用するメリットは十分にあると思います。
また、NVMe/TCP は文字通り IP ベースのインターフェースであり、FC - SAN と比較してハードウェア面(HBA, FC)や運用面のコストを抑えられる点もメリットがあります。
※VMwareと組み合わせたNVMe/TCP機能のテクニカル・ビデオデモ(英語)はこちら。
2.CephFS の NFSv3 サポート:
CephFS によるファイル・システムを構成した後、Cephダッシュボード内からNFSエクスポートを作成、編集、削除できるようになりました。
NFS Ganesha を使用して CephFS 名前空間を NFS プロトコル経由でエクスポートが可能です。
これまでのバージョンでは NFS 4.1のみの対応でしたが、今回の v7.1 から NFSv3にも対応しました。
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3.NFS によるオブジェクト・アクセス:
RADOS Gateway (RGW) と NFS アクセス統合し、NFS アクセスを経由しての IBM Storage Ceph 上のオブジェクト・データにアクセスできるようになりました。
S3 オブジェクトにネイティブにアクセスする機能を持たないアプリケーションやプラットフォームでも、NFSを経由してオブジェクト・データにアクセス・書き込みが可能となりました。 例えば、S3 で貯めたデータを 外部からNFS 経由で取得する、といったケースにも対応することができます。
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4.オブジェクト・アーカイブ・ゾーン
この機能は、オブジェクト・データの全履歴を本番環境とは異なるゾーンに自動保管することが可能です。
アーカイブ・ゾーンに保管されたこのデータは、RGW エンドポイントから削除や変更ができない、イミュータブル(不変)なデータとして管理することができますので、昨今世の中を深刻化させているランサムウェアやウイルス攻撃の保護対策として役立つことになります。
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5.マルチサイト・オブジェクトレプリケーション
マルチサイトのレプリケーション機能において、バケットレベルの細かい粒度で選択できるようになりました。
・ゾーングループやバケットごとに同期ポリシーを設定し、きめ細かなレプリケーション制御が可能
・1つのソース・バケットから多数のデスティネーション・バケットに複製可能
・単一方向・双方向の選択が可能
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6.その他のアップデート内容
・CephFSスナップショットスケジューラによるファイルシステムスナップショットの管理
スナップショットおよびリモートミラーリング管理タスクの作成、スケジュール、削除、一覧表示
ファイルシステム・ボリューム、サブボリューム、ユーザー・アクセス管理の作成、オプション設定、削除が可能
特定のファイルシステムやボリュームがNFSガネーシャなどのレイヤー単位での消費内容を確認可能
・Dashboard UI 上でハイレベルのハードウェア・ステータスに関するインサイトが可能
- シャーシ または HDD LED を点灯
- ファームウェアのアップグレードを実行
- 電源のオン/オフ、ノードの再起動を管理
※この機能は主に IBM Storage Ready ノード用に実装されていますが、他の業界標準ハードウェアではまだ完全には機能しない可能性があることに注意してください
7.Tech Preview:
・VMware vCenterによる Cephボリュームの管理、パフォーマンスおよびヘルス・モニタリング
この機能により、vSphere 管理者は vCenter を介したIBM Storage Cephボリュームの管理が可能になります。
Ceph ブロック・ボリュームのすべてのライフサイクル操作、ヘルス・モニタリングおよびパフォーマンス・モニタリングをカバーします。
最後に
今回のリリースではVMware対応、およびCephFSのNFS v3対応と、ブロック・ストレージおよびファイル・ストレージの利用用途が拡大しました。
単一ソリューションでブロック・ファイル・オブジェクトが利用できる IBM Storage Ceph は データのサイロ化を防ぎ、管理を一元化できる点においては大きな利点となります。
過去の Ceph ブログ