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CephBlog #4 IBM Storage Ceph 7.0がリリースされました

By Shu Yoshioka posted Thu December 14, 2023 01:10 AM

  

こんにちは、IBMでストレージ製品のプリセールスをやっています吉岡です。 

IBM Storage Ceph 7.0がリリースされましたので、リリース内容を簡潔にお知らせしたいと思います。

IBM Storage Cephとは


IBM Storage Cephは、大規模スケーラブルでオープンなソフトウェア定義ストレージプラットフォームであり、Cephストレージシステムの最も安定したバージョンとIBMサポートサービスを組み合わせています。IBM Storage Cephは、RHELがサポートするX86業界標準サーバーハードウェア上で実行することができます。こちらのブログでもご紹介しているので良ければご確認ください。

<<Cephの概要>>

また、IBM Storage Cephはハードウェアの調達・サポート・サービス・ライフサイクルケアの窓口をIBMに一本化することが可能なソリューションを提供しています。詳細は下記の記事をご確認ください。

<<IBM Storage Ceph認定ハードウェアがリリースされました>>

主なアップデート内容


S3selectのParquet形式サポート  ~ 分析ツールとの統合

IBM Storage CephはPresto, Trinoなどの市場をリードする分析ツールとの機能および統合を改善を図っており、これらのツールのクエリ時間が短縮されます
分析アプリケーションの界隈では性能や圧縮率が高いカラム型ストレージ・フォーマットである Apache Parquetを使用することがよくあります。
IBM Storage Cephは、S3selectクエリをRADOS Gateway (オブジェクトアクセスのバックエンド)にプッシュダウンすることで、これらのアプリケーションの性能を向上させることが可能です。

オブジェクトロックによるWORMのコンプライアンス認証
Cephにはイミュータブル(不変)ストレージを実現する「Write Once Read Many」(WORM)モデルを使用したオブジェクトロック機能がありますが、此度、認証機関Cohasset Inc.の評価を受け、米国証券取引委員会(SEC)および金融業界規制局(FINRA)規制準拠による認証を取得することができました。
WORM による保護はデータが書き込まれた後に変更または削除されないことが必須のユースケースで使用することができます。
規制対象の企業やディーラーの方々はSEC, FINRAの規則に従っていますので、そのような領域でこの機能を活用することが可能です。

CephFSのNFSサポート

CephFSによるファイル・システムを構成した後、Cephダッシュボード内からNFSエクスポートを作成、編集、削除できるようになりました。
NFS Ganeshaを使用してCephFS名前空間をNFSプロトコル経由でエクスポートが可能です。
これまでCephFSのクライアントからのアクセス方式は、Linuxカーネルによるネイティブマウントでの利用にのみ限定されていましたが、
この新機能により、NFS GaneshaによるNFS 4.1プロトコルを使用してLinux以外のクライアントからでもCephFSにアクセスできるようになりました。

サーバー4台でのイレイジャー・コーディング対応 ~ EC2+2の新規追加

ストレージのデータ保護技術であるイレイジャー・コーディング(消去訂正符号。以下、EC)は、IBM Storage Cephで既に採用されていますが、
今回のバージョンで新しいアルゴリズムであるEC2+2が適用されました。

<IBM Storage Ceph サポート対象のECアルゴリズム>

  • EC2+2 ← New!
  • EC4+2
  • EC8+3
  • EC8+4

これまでサポート対象となる最小サーバ台数は7台からとなっていましたが、EC2+2の場合は最小4台から適用可能になりました。
これにより、EC採用時のIBM Storage Ceph初期導入コストが抑えられるメリットを享受することが可能となりました。
一方、EC2+2は他のECアルゴリズムと比較して耐久性が低い、将来クラスターが大きくなった場合に別のECアルゴリズムにシームレスに移行ができない等、考慮点がありますのでこの辺りは利用者様の要件に応じて検討事項となります。

ダッシュボード機能の改善
IBM Storage Cephはバージョンアップの都度、機能改善が行われます。今回のバージョンでも多数改善されていますが、その一部を紹介します。
  • RADOS Gateway (RGW) のマルチサイトの構成:
    • CLIを介してだけでなくダッシュボードを介して、マルチサイト Ceph Object Gateway を構成できます。
    • ダッシュボードで、レルム、ゾーン・グループ、ゾーンなどのエンティティーの作成、更新、および削除がサポートされます。
  •  Ceph Object Gateway 情報表示:
    • パフォーマンス、ストレージ使用量、および構成の詳細に関する情報が出力されるようになりました。
  • CephFSのボリューム管理の実現:
    • 以前はCeph File System (CephFS) ボリュームはCLIを介してのみ管理できました。
      この機能拡張により、Ceph ダッシュボードを使用して CephFS ボリュームをリスト、作成、編集、および削除できるようになりました。

テック・プレビュー機能

IBMのサポート対象外となりますが、今後リリース予定の機能をいち早く体験することが可能です。
  • オブジェクト・アーカイブ・ゾーン
  • NFSとRADOS Gateway (RGW) の統合
 詳細はこちらに掲載されています。

最後に


今回のリリースでNFSプロトコルによるアクセスがサポートされるようになりました。
今後もNFSとRGWの統合計画などがあり、オブジェクト/ブロック/ファイル を利用できる単一ソリューションとして発展予定ですので乞うご期待ください!


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