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watsonx Code Assistant for Z : いま注目すべき5つの機能

By Takashi Kanamoto posted 3 hours ago

  

生成AIを活用してメインフレームアプリケーションのモダナイゼーションを加速するという新しい動きをもたらした watsonx Code Assistant for Z は日々進化しています。数多く追加された製品機能拡張のうち、いま注目すべき5つの機能と主な利点についてご紹介します。

1年半前に当たる2023年秋に、IBMwatsonx Code Assistant for Zを発売しました。これは、IBMAIと最新技術に対して長年研究および投資をしてきた経験に基づいており、生成AIを活用してメインフレームアプリケーションのモダナイゼーションを加速するという新しい動きをもたらしました。発表されて以降、私たちは、メインフレーム・モダナイゼーションをさらに推進する上で、このテクノロジーが持つ可能性について多くのお客様と意見を交換してきました。市場動向を踏まえて、各業界におけるお客様の要件および要望を満たすために、継続的な拡張と機能強化を行うスピードは加速するばかりです。

IBM watsonx Code Assistant for Zの基本機能は、下記の通り:

  • 理解:アプリケーション分析を詳細に行い、プログラム間の依存関係を認識することで、モダナイゼーション戦略の道筋を描きます
  • リファクタリング:モノリシックなアプリケーションをモジュール形式のビジネス サービスに分解する支援を行います
  • 最適化:COBOLコードのパフォーマンスに関する洞察を提供して、パフォーマンスの問題の改善案を提供します
  • 変換:生成AIを活用して、COBOLビジネスサービスをオブジェクト指向のJavaに変換します
  • 検証:自動生成 JUnit テストを使用して、変換された Java が変換元の COBOL と意味的に同等であることを確認します
  • コード解説:生成AIを活用して、COBOLまたはPL/Iなどのコードを自然言語で説明します
  • コード生成:生成AIを活用して、COBOLまたはPL/Iコードを生成します

数多く追加された製品機能拡張のうち、いま注目すべき5つの機能と主な利点についてご紹介します。

1. PL/I の自然言語による説明の生成

IBM watsonx Code Assistant for Z Code Explanation は、AI が生成した自然言語によるコードの説明文を提供します。開発者がコードとその機能をより素早く把握するために役立ちます。サポートされるコードの説明機能については、COBOLおよびJCL に加えて PL/I が含まれるようになりました。

  • アプリケーションの深い専門知識や経験がない場合でも、プログラムの処理内容を迅速に把握できるため、アプリケーションに対する知識が補完されます
  • 生成された説明文をコメントとして挿入したり、出力内容をダウンロードしたりすることで、より少ない労力で文書化と知識を強化します
  • アーキテクトや開発者がアプリケーションをより包括的に理解できるようにすることで、情報に基づいたモダナイゼーションの意思決定を加速します

このコード解説機能は、IBMGranite基盤モデルを搭載し、高度に設計されたプロンプトで構築されているため、開発者はボタンをクリックするだけで説明文を得ることができ、コードの理解と文書化がシームレスかつ効率的になります。

2.コード説明の日本語サポート

コード説明のサポート範囲が既存の COBOLJCL、および PL/I のサポートに加えて、REXX にも拡張されました。ユーザーは英語に加えて、日本語、ポルトガル語、スペイン語、ドイツ語、フランス語でコード解説を生成することも選択できるようになりました。

3.動的プログラム分析によるCOBOLリファクタリングの高速化

IBM watsonx Code Assistant for Z Refactoring Assistantを使用すると、開発者はビジネスプログラムとデータの関連性を可視化できます。それに加え、新しいビジネスサービスの作成を自動化することでモダナイゼーションを加速できます。

現在では、開発者は静的解析を使用してRefactoring Assistantでアプリケーションフローと依存関係を視覚化するだけでなく、フローグラフに動的解析の要素を追加して、ビジネス機能の実行パスをより簡単に特定できるようになりました。

主な利点:

  • モノリシック・アプリケーションをモジュール形式のビジネス・サービスにリファクタリングする時間を短縮します
  • エンド・ユーザー機能やビジネス・シナリオの適用範囲を迅速に理解します
  • リファクタリングされたビジネス・サービスを作成するために必要なプログラムとデータを判定するためのスキルレベルを軽減します

動的解析を行うためには、別ソリューションのIBM Test Accelerator for Zにてキャプチャーされた情報が必要となります。

4.PL/I アプリケーションのリファクタリング・サポート

複雑さを軽減し、PL/Iアプリケーションをモダナイズしたいと考えているお客様は、Refactoring Assistantを使用して、PL/Iコードに対しても大規模なモノリシックアプリケーションを分解し、新しいモジュール式ビジネスサービスを迅速に作成できるようになりました。

5.コード最適化で COBOL V4 を追加サポート

COBOLメインフレーム・アプリケーションのパフォーマンス向上が必要なお客様向けに、watsonx Code Assistant for Z Code Optimization Adviceが提供されています。COBOLモジュールの詳細な分析を行い、パフォーマンスを最適化するための推奨事項を提供します。Code Optimization Adviceは、COBOL V6の既存の機能に加えて、Enterprise COBOL V4をサポートするようになりました。

IBMは、メインフレーム・アプリケーションのモダナイゼーションのために、既存システムが抱えるリスクや課題を排除しながら、それぞれの開発者自身がモダナイゼーションを加速できるような支援を継続します。

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