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メインフレームの運用をシンプルにーIBM Concert for Z の活用

By Takako Kugai posted Wed April 30, 2025 11:36 PM

  

世界のビジネス トランザクションの 70% IBM メインフレームで処理されており、ますます複雑さを増すメインフレームの運用における課題は、これらのビジネス・トランザクションの基盤となるワークロードとインフラストラクチャーの両方の継続的な可用性をいかに効率よく確保するかにあります。

この度、AIを実装したIBM Z17の発表の約1ヶ月後となる5月2日、IBM Zの専門知識とAIの支援を組み込みイベント管理やリスク管理を効率化するIBM Concert for Z の機能拡充が発表されました。IBM Concert for Zは、既存の各種運用管理ソリューションと連携し、ビジネス・レジリエンシーを制御するシングル・ナビゲーション・ハブとして機能します。単一の合理化されたソリューションによって、運用チームがより迅速かつ自信を持って意思決定を下せるよう支援し、業務アプリケーションやシステム・インフラストラクチャーの回復力を最大限に高め、業務のダウンタイムを削減します。

IBM Concert for Zは、従来のビジネス・リスク管理にアノマリー検知を実装したイベント管理機能を統合しました。
新しいアノマリー検知&イベント管理では、イベント管理にインシデント管理に関連するワークフローを統合し、複雑なイベントの相関や優先順位付けを自動化して、ビジネスへの影響評価をクリアにすることによってメインフレーム運用を簡素化します。ベースとなっているのは従来の機械学習を利用した膨大なパフォーマンス・イベントやメッセージの分析と、生成AIとの統合です。IBMミドルウェアのイベントやパフォーマンス監視のベスト・プラクティスを実装し、準リアルタイムで収集したデータを分析します。さらに、IBM watsonx Assistant for Zと連携し、AIチャットによるインシデント検知と解決を可能にします。またZ NetViewZ System AutomationZ Workload SchedulerOMEGAMONIntelliMagic Vision for z/OSのような既存の管理ソリューション及びServiceNowのようなトラブル・チケット管理とも連携し、操作管理やバッチジョブ管理の観点を含むさまざま問題検知と解決手順の自動化を実現します。

提供される主な機能は以下のとおりです。

1.アノマリー検知

Common Data Provider(CDP)OMEGAMON Data Provider(ODP)などを利用してストリーミングしたログやパフォーマンス・データをMLを利用して学習・モデル化し、サービスに影響を与える問題となる前に、異常を早期に検知できるようにします。

2.集中ダッシュボード

さまざまなソースからの KPI と指標を 1 つの画面でグラフィカルに視覚化し、状況に応じたドリルダウン・エクスペリエンスを実現します。

 

3.イベント相関

イベントが発生した時間、発生元システム資源と関係する資源の構成情報、イベントが認識されたパターンに基づいて、ドメインまたはシステム資源間でイベントを自動的に相関させて簡素化します。

 

4.トランザクション・レベルのトポロジー・ビュー

ビジネス・アプリケーションとインフラストラクチャー・リソースの関係をダイナミックに自動検知して、グラフィカルに表示します。

 

5.会話体験

製品に実装済みの ChatOps 機能により、ChatBot経由の会話が可能となり、ユーザーとナレッジを持つ製品とのやり取りのコンテキストによる追加情報が提供されます。

 

6.専門家のアドバイス

問題と最も関連性の高いソリューションのセットを照合・検索し、生成 AI と組み込みの Z 専門知識を組み合わせて回復のためのアドバイスを提供します。

ビジネス・リスク管理では、様々な既存のソリューションと連携しリスク制御を行います。

APAR管理は、IBM Z Software Asset Managementが集約したお客様所有のライセンス情報をベースに、緊急度の高い重要なAPAR情報を割り出し、適用計画を作成します。このとき適用前提や複数のAPARの関係、適用対象システムを可視化することで、保守作業のリスクの軽減と管理の効率化を可能にします。

この後、パフォーマンスやキャパシティー情報をビジネス視点で分析するためのIBM Z Infrastructure Health、セキュリティー・リスクを最小化する認証管理の統合を実現するIBM Z Certificate Healthなど、各種ビジネス・レジリエンシー・ソリューション・メニューの追加が予定されています。

このように、ITシステムの日々の進化に合わせ、その運用ソリューションも機能拡張しています。過去の実績ある優れた運用ノウハウと技術を活かしながら、新たな技術トレンドを実装しつつ、メインフレームの運用ソリューションは進化を続けます。
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