z/OS 3.1 SDSFでは、CK、CKH、ULOGパネル表示(BROWSE)において、メッセージの重要度に応じた「カラー」、「ハイライト」新機能がサポートされました。
(ISPF配下)「カラー」、「ハイライト」表示をサポート
(TSO配下)「ハイライト」表示のみサポート
また、「SET BCOLOR ON/OFF」コマンドを使用して、新機能を活動化、非活動化することが可能です。(省略時解釈: ON)
※CKパネルの表示例(ISPF配下で新機能を活動化)

【ULOGパネル表示の変更点】(ISPF配下の場合)
■z/OS 3.1 SDSF(ISPF配下)では、省略時解釈として、ULOGパネルの表示形式が次のように変更されました。
変更点① メッセージの「カラー」、「ハイライト」表示
変更点② 131桁のカラム表示(従来は132桁)※メッセージの表示位置(カラム)は従来同様
■ISPF配下の表示例
(z/OS 3.1の場合)

(z/OS V2R5の場合)

■z/OS 3.1のULOGパネル(ISPF配下)にて、z/OS V2R5までと同様な表示形式が必要な場合、次のような方法が考えられます。
方法① 「SET BCOLOR OFF」コマンドを実行
・メッセージの「カラー」、「ハイライト」表示は非活動化されますが、131桁のカラム表示は変わりません

方法② SDSFセッションの開始前に、「TSO ALLOC F(ISFMIGNB) DUMMY」コマンドを実行
・z/OS 3.1 SDSFの当初から使用可能な方法ですが、SDSF APAR PH65351にて正式ドキュメントされました(2025年4月)
・メッセージの「カラー」、「ハイライト」表示が非活動化され、さらに、カラム表示も132桁に戻ります(z/OS V2R5までと同様)

【ULOGパネル表示の変更点】(TSO配下の場合)
■z/OS 3.1 SDSF(TSO配下)では、省略時解釈として、ULOGパネルの表示形式が次のように変更されました。
変更点① メッセージの「ハイライト」表示
変更点② 131桁のカラム表示(従来は132桁)※メッセージの表示位置(カラム)は従来同様
■TSO配下の表示例
(z/OS 3.1の場合)

(z/OS V2R5の場合)

■z/OS 3.1のULOGパネル(TSO配下)にて、z/OS V2R5までと同様な表示形式が必要な場合、次のような方法が考えられます。
方法① 「SET BCOLOR OFF」コマンドを実行
・メッセージの「ハイライト」表示は非活動化されますが、131桁のカラム表示は変わりません

方法② SDSFセッションの開始前に、「TSO ALLOC F(ISFMIGNB) DUMMY」コマンドを実行
・z/OS 3.1 SDSFの当初から使用可能な方法ですが、SDSF APAR PH65351にて正式ドキュメントされました(2025年4月)
・メッセージの「ハイライト」表示が非活動化され、さらに、カラム表示も132桁に戻ります(z/OS V2R5までと同様)

【SDSFバッチ・ジョブにおける考慮事項】
■z/OS 3.1では、ULOGパネルにおける、「カラー」、「ハイライト」表示の新規サポートに伴い、SDSFバッチ・ジョブ(PGM=SDSF/ISFAFD)にてULOGのPRINTコマンドを実行する際、出力結果が「1桁」だけ右にシフトする事象が発生します。
※PRINTレコードの開始位置: 「カラム1」(z/OS V2R5まで)、「カラム2」(z/OS 3.1)
■例えば、データセット出力されたULOGのPRINT実行結果を後処理で使用する場合、意図したレイアウト変更に伴い従来同様の処理結果が得られない可能性があります。
※レイアウト変更は、PRINTコマンドの出力先によらず発生(データセット/SYSOUT)
■対象となるSDSFバッチ・ジョブに対して、前述の「ISFMIGNB DD DUMMY」ステートメントを追加指定することで、z/OS V2R5までと同様な挙動(レイアウト)を得ることが可能です。
※ISF798Iメッセージ: ISF798I Special ddname "ISFMIGNB" processed, use legacy browse and disable browse as table.
【最新情報: 2025/07/14】
■前述の通り、CK、CKH、ULOGパネル表示(BROWSE)における、メッセージ重要度に応じた「カラー」、「ハイライト」新機能サポート(z/OS 3.1)は、ISPF配下、TSO配下によらず、特別なDD名(ISFMIGNB)を割り振ることで非活動化することが可能です。
(使用コマンド例) TSO ALLOC F(ISFMIGNB) DUMMY
※メッセージの「カラー」、「ハイライト」表示がなくなり、カラム表示も132桁に戻ります(z/OS V2R5までと同様)
■ただし、特別なDD名(ISFMIGNB)をログオン・プロシージャーや対象バッチジョブなど個別に追加指定する必要があるため、より簡便な方法(システム・ワイドの省略時値カスタマイズ方法)が望まれていました。
【新機能】
■z/OS 3.1 SDSF APAR PH66169 https://www.ibm.com/support/pages/apar/PH66169
新機能①
PARMLIB(ISFPRMxx)メンバーにて新しいCUSTOM PROPERTYが提供され、「VALUE(TRUE)」を明示指定することで、特別なDD名(ISFMIGNB)を使用することなく、z/OS V2R5までの挙動(カラー、ハイライト表示なし)がz/OS 3.1でも再現可能です。
※PROPERTY NAME(Browse.Enhanced.DisableAttrs),VALUE(TRUE/FALSE)
※省略時解釈(FALSE)は、z/OS 3.1新機能の挙動
新機能②
z/OS 3.1新機能(カラー、ハイライト表示)を非活動化する特別なDD名(ISFMIGNB)の使用有無について、「Generic Tracker」による検知(洗い出し)が可能です。
※対話式(TSO配下/ISPF配下)、バッチ・ジョブによらず、明示的にDD名(ISFMIGNB)を割り振っている場合が対象
【考慮事項】
■次のような方法①、➁を通じて、対話式の環境(TSO配下/ISPF配下)でz/OS 3.1の新機能(カラー、ハイライト表示)を非活動化している場合、「SET BCOLOR ON」コマンド実行時に「SET COMMAND COMPLETE」メッセージが表示されるものの、機能(カラー、ハイライト表示)は有効化されません。
方法① SDSFセッションの開始前に、特別なDD名(ISFMIGNB)を割り振る
方法② 「VALUE(TRUE)」明示指定のCUSTOM PROPERTY(新機能①)をグループにアサインする
■方法①または➁で新機能を非活動化している場合、特別なDD名(ISFMIGXB)をSDSFセッション開始前に割り振ることで、z/OS 3.1の新機能(カラー、ハイライト表示)を個別に活動化することが可能です。
※特別なDD名(ISFMIGXB)は、方法①、方法②のどちらよりも優先して処理されます
以上