z/OS 3.1 SDSFでは、SDSF DA、ST、Hパネルなどジョブ関連パネルでの「C」(CANCEL)、「P」(PURGE)操作を行う際、「Confirm Action」ポップアップ(ISFDCONパネル)の挙動が大きく変わりました。
【変更点情報➀】 #111【z/OS 3.1変更点】 SDSFジョブ関連パネルでの「Confirm Action」ポップアップ(ISFDCON)
https://community.ibm.com/community/user/blogs/shigeki-kimura1/2023/12/05/sharing-zos-upgrade-info-by-professor-kimura-111j
【変更点情報➁】 #136【z/OS 3.1変更点】 SDSFバッチ・ジョブ実行時における「Confirm Action」ポップアップ表示の悪影響(修正策あり)
https://community.ibm.com/community/user/blogs/shigeki-kimura1/2024/09/17/sharing-zos-upgrade-info-by-professor-kimura-136j
「Confirm Action」ポップアップ(ISFDCON)に関して、以前のオペレーションとは無関係に選択肢「1」(Process)が常にプリセットされる従来挙動の場合、ジョブ関連パネルでのCANCEL/PURGE操作が意図せず行われてしまう可能性があるため(長年の課題)、その歯止めとしてz/OS 3.1 SDSFでの機能変更に至りました。(ISPF配下、TSO配下とも)
一方、「Confirm Action」ポップアップに新規追加された「Retain last selection」オプション(ISPF配下のみサポート)の有効範囲が狭いため(同一パネルでの操作に限定)、別パネルへの遷移後、あるいは、SDSFセッションの終了・開始後など、選択肢を何度も入力する必要性があり、オペレーション上の不都合が懸念されます。
また、「Confirm Action」ポップアップに関して、慣れ親しんだz/OS V2R5までの従来機能(オペレーション)を好まれる場合も想定されます。
【機能変更点】 ★機能改善 & 新機能★
■z/OS 3.1 SDSF APAR PH65238では、「Confirm Action」ポップアップの挙動に関して、次のような変更が行われました。
※SDSF APAR PH65238(PTF UO02729)※2025年4月提供
■ISPF配下の場合
➀「Confirm Action」ポップアップにて、処理対象の行に対する「システム名」(実行中の場合)、および、ユーザーがログオンしている「ローカル・システム名」を表示します
※例えば、STパネル(PRINT Queue)、HパネルでジョブをPURGE操作した場合、「システム名」の表示は(None)
※//Pなどの「ブロック・コマンド」を使用した場合、仮に全て同一システムであっても、「システム名」の表示は(Multiple)
➁「Confirm Action」ポップアップにて「アクション」(Process/Discard)を指定し、かつ、「Retain last selection」オプションを選択した場合に限り、その組み合わせがISPFプロファイルに記録され、操作パネルの同異によらず、また、SDSFセッションの終了・開始を越えて、次回の「Confirm Action」ポップアップ表示に省略時値としてプリセットされます ➡ SDSFユーザー毎に省略時値をカスタマイズ可能
※前回の「Retain last selection」オプションが非選択の場合、「Confirm Action」ポップアップではアクション選択肢(Process/Discard)がプリセットされず、ブランク表示(APAR PH65328の適用有無で変化なし)
※ブランク表示の場合に間違って「空エンター」すると、「Enter required field」のエラー・メッセージ出力(APAR PH65238の適用有無で変化なし)
③PARMLIB(ISFPRMxx)メンバーにて新しいCUSTOM PROPERTYが提供され、「VALUE(TRUE)」を明示指定することで、z/OS V2R5までの「Confirm Action」ポップアップ挙動がz/OS 3.1でも再現可能です
※PROPERTY NAME(Panel.Confirm.DisableRetain),VALUE(TRUE/FALSE)
※省略時解釈(FALSE)は、z/OS 3.1機能変更後(APAR PH65238以降)の挙動
■TSO配下の場合
④「Confirm Action」ポップアップのアクション選択肢として、常に「1」(Process)がプリセットされ、z/OS V2R5までの挙動が再現します
※TSO配下の場合、z/OS 3.1ではもともと「Retain last selection」オプション提供なし
※新規CUSTOM PROPERTY(Panel.Confirm.DisableRetain)のFALSE/TRUEパラメータ指定には依存せず
■z/OS 3.1 SDSF APAR PH65238による機能変更は、SDSFバッチ・ジョブの挙動には影響を与えません。
※z/OS V2R5以前と同様に、「Confirm Action」ポップアップ表示のアクション選択肢として、常に「1」(Process)をプリセット(z/OS 3.1 SDSF APAR PH62727が前提)➡ 冒頭の「変更点情報➁」参照
【APAR PH65238による挙動変化】 ※ISPF PFキー表示は割愛
【変更点➀】 システム情報の追加表示(ISPF配下のみ)
【変更点➁】 「Retain last selection」の有効範囲(ISPF配下のみ)
■同一パネル、別パネルにおける選択値の引き継ぎ
■SDSFセッション終了・開始後における選択値の引き継ぎ
【変更点③】 新規CUSTOM PROPERTYの有効性(ISPF配下のみ)
■CUSTOM PROPERTYステートメントの指定例
■「Confirm Action」ポップアップの表示例
※「VALUE(TRUE)」オプション指定時は、「Retain last selection」の選択肢なし(z/OS V2R5と同様)、「Confirm Action」ポップアップのパネル名が変更(ISFDCON ➡ ISFDCN2)
【変更点④】 「Confirm Action」ポップアップの表示例(TSO配下のみ)
以上