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#150【z/OS 3.1変更点】 DFSMS IDCAMS RECOVERコマンドの新規追加(その他、古いAMSコマンド・プロセッサーの削除)

By Shigeki Kimura posted 27 days ago

  

従来、ICFRUICF Catalog Recovery)ユーティリティー(PGM=CRURRSV/CRURRAP)は、ICFカタログのリカバリーを行う目的で利用されています。

IDCAMS EXPORT TEMPORARYコマンドで作成したカタログのバックアップに対し、SMFタイプ60番台レコード(61-Define65-Delete66-Alter)による差分を適用することで、フォーワード・リカバリーを実施

元々、ICFRUは有償プログラム製品(5798-DXQ)として提供されていましたが、z/OS V1R72005年)以降、DFSMSの標準機能として含まれています。

z/OS 3.1の変更点】

z/OS 3.1 DFSMSでは、IDCAMSユーティリティーのRECOVERコマンド(短縮形:REC)が新規サポートされ、ICFRUの起動が単一コマンド(RECOVER)にて実行可能となりました。

RECOVERコマンドでは、ICFRUPGM=CRURRSV/CRURRAP)実行時のパラメータ指定を踏襲

■同時に、TSO向けのRECOVERRECコマンドが、SYS1.CMDLIBデータセットに対して新規追加されました。

z/OS 3.1移行時の影響】

■ログオン・プロシージャーのSYSEXEC DDREXX)、SYSPROC DDREXX/CLIST)連結に、RECOVERRECという名前のREXX/CLISTを格納して、「%」指定なしで実行している場合、z/OS 3.1では、新規追加されたRECOVERRECコマンドが呼びされます。

EXECコマンドにてREXX/CLISTメンバー(RECOVERREC)を明示的に実行する場合は、z/OS 3.1での挙動変化なし

■この事象発生を回避するには、REXX/CLIST実行時の名前を、「%RECOVER」、「%REC」にそれぞれ変更する必要があります。

※「%」を先頭に付加することで、モジュール(コマンド)の探索を迂回し、SYSEXEC/SYSPROCの順に探索

TMPバッチ・ジョブ実行時に同様な対応を行わない場合は「CC12」で終了EXEC PGM=IKJEFT01,PARM=’RECOVER’、あるいは、//SYSTSIN DDステートメントでのRECOVER指定など)

SYSEXEC/SYSPROC DD連結内に、「RECOVER」メンバーが存在しない場合、「%」指定なしの「RECOVER」コマンドを意図せず実行すると、z/OS 3.1新規追加された「RECOVER」コマンドが呼び出されます。

【考慮事項➀】

z/OS 3.1では、古くVSAMカタログ時代の名残であるAMSコマンド・プロセッサー(EXPORTRAIMPORTRALISTCRALISTRMPRAXPRA)が、SYS1.CMDLIBデータセットから削除されました。

※「CRA」(Catalog Recover Area)はカタログ・レコードのコピーを含むESDSで、回復可能(RECOVERABLE)なVSAMカタログを含む各ボリューム上に作成

■使用される機会がないものの、下記のようなPARMLIB(IEALPAxx)メンバーを定義し、MLPAへのモジュール・ロード処理が今でも行われている場合、z/OS 3.1のシステム初期設定時には、IEA301Iメッセージ出力を伴い、処理続行されます。

IEA301Iメッセージ出力を回避するには、z/OS 3.1ではもはや存在しないモジュール定義(INCLUDEステートメント)を削除する必要があります。

【考慮事項➁】

z/OS 3.1 ISPF提供のISPTCMAソース(ISP.SISPSAMP)、ISPTCMモジュール(ISP.SISPLPA)には、z/OS 3.1で削除されたAMSコマンド・プロセッサー(前述)の定義が相変わらず残っています。

■「FLAG=02」は、「コマンド・プロセッサー」であることを示す一方、z/OS 3.1ではモジュール自体が存在しなくなったので、例えばEXPORTRAコマンド実行時には次のようなABEND806-04が発生します。

ISPF APAR OA67523にて、上記一連のエントリーが削除された結果、対象コマンド(6種類)を仮に実行した場合でもABEND806-04は発生せず、「IKJ56500I COMMAND EXPORTRA NOT FOUND」などのエラー・メッセージが出力されます。

z/OS 3.1 ISPF APAR OA67523PTF UJ97184)※20255月出荷 https://www.ibm.com/support/pages/apar/OA67523

ISPF APAR OA67523では、z/OS 3.1で新規追加されたRECOVERRECコマンドプロセッサー(FLAG=02)が、ISPTCMAソース(ISP.SISPSAMP)、ISPTCMモジュール(ISP.SISPLPA)に反映されました。

以上

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