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#149【z/OS 3.1変更点】 SDSF 「ELOG」フィーチャー開始時の新規メッセージ出力(ELOG新パネル使用時の考慮事項)

By Shigeki Kimura posted Mon May 12, 2025 04:49 AM

  

z/OS 3.1 SDSFでは、「SDSFオプション・フィーチャー」(FEATURE)という考え方が新登場し、その一つとして「Event Log」(ELOG)フィーチャーが提供されました。

ELOGフィーチャーを使用すると、ENFSMFを通じて重要なシステム・イベントに関する情報収集が行われ、ELOGパネル(z/OS 3.1新機能)にて内容を表示することが可能です。

※イベント名(16桁)(NAME

※カテゴリー名(8桁)(Category

ELOGEVENT LOG)パネルの表示例(SDSFサーバー始動直後の様子)

NPカラムにて「L」コマンドを実行し、OPERLOGで該当のイベントを確認可能

ELOGフィーチャーの使用は任意ですが、省略時解釈として「START(YES)」オプション(FEATUREステートメント)が有効なため、PARMLIB(ISFPRMxx)メンバーにて「START(NO)」オプションを明示指定しない限り、SDSFサーバー始動時に自動的に開始(活動化)されます。

z/OS 3.1提供のISF.SISFJCL(ISFPRM00)メンバーは、ELOGフィーチャー関連の明示指定を含む

※「START(NO)」オプション明示指定時は、SDSFサーバー起動・停止時のISF365IISF366Iメッセージが未出力

ELOGフィーチャー向けにFEATENTステートメントを追加指定することで、処理対象のカテゴリー、イベントを限定することが可能です。

SMF関連情報の収集】

ELOGフィーチャーによるSMF関連情報の収集は、「IEFU86 Exitルーチンを通じて行われます。

※以前より使用可能な、SMFレコードの書き込み処理を抑止するSMF Exitルーチン(IEFU83IEFU84IEFU85)は、それぞれ決められた環境でのみ制御を受け、かつ、SMF標準ヘッダー(レコード・タイプ 255まで)のみ対象という制約あり

z/OS V2R3で新登場したSMF Exitルーチン(IEFU86)は汎用性が高く、環境依存なしで制御を受けることができ、かつ、SMF標準ヘッダー(レコード・タイプ 0255)、拡張ヘッダー(レコード・タイプ 02047)の両方をサポート

■冒頭の画面キャプチャーにある通り、SDSFサーバー始動時(ELOGフィーチャー開始時)には、動的LPA機能を通じてSDSF独自のSMF Exitルーチン(HSFU86)が組み込まれ、SMF関連情報の収集に備えています。

SDSFサーバー始動時に、「START(NO)」オプション指定にてELOGを開始せず、その後、「F SDSF,S ELOG」コマンドで開始した場合も同様な挙動

【考慮事項➀】

ELOGフィーチャー(ELOGパネル)を使用する場合は、SMF関連情報を収集する際の網羅性を高めるため、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーで指定されたSYSSTC、および、JES2サブシステムに対して「IEFU86 Exitルーチンを定義する必要があります。

※「IEFU86 Exitルーチンが未定義の場合、重要なシステム・イベントがELOGパネルで表示できない可能性あり

ELOG監視対象外のASCHTSOサブシステムは、「IEFU86 Exitルーチンが定義不要

ELOGフィーチャー開始時に、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーで指定されたSTCJES2サブシステムに対して「IEFU86 Exitルーチンが未定義の場合、SDSF APAR PH62897以降では、HSF0066W新規メッセージを出力します。

SDSFサーバー始動時に、「START(NO)」オプション指定にてELOGを開始せず、その後、「F SDSF,S ELOG」コマンドで開始した場合も同様な挙動

z/OS 3.1 SDSF APAR PH62897PTF UI98446)※20249月出荷  https://www.ibm.com/support/pages/apar/PH62897

APAR PH62897による機能変更前は、STCJES2サブシステムに対して「IEFU86 Exitルーチンが未定義の場合でも、それを通知するメッセージ出力はありませんでした。

■機能変更後の挙動例

【考慮事項

PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーにてJES2STCなどのSUBSYSステートメントを省略した場合、SYSステートメントにおけるEXITSパラメータ指定が各々に対して適用されます。

※「IEFU86 Exitは全てのサブシステムでサポート

■現時点では下記の通り、SYSステートメントのEXITSパラメータで「IEFU86」が未定義の場合はHSF0066Wメッセージを出力しませんが、将来的にはAPAR等の対応を通じて機能修正される可能性があります。

【追加情報: 2025/05/17

SYSステートメントのEXITSパラメータで「IEFU86」が未定義の場合、HSF0066Wメッセージを出力するように変更されました。

z/OS 3.1 SDSF APAR PH66437PTF UO03150)※20255月出荷 https://www.ibm.com/support/pages/apar/PH66437

以上

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