2022年7月10日以降、Shopzでオーダーする全てのIBM Zソフトウェア製品のServerPacは、z/OSMFソフトウェア管理タスクとワークフローにて導入する「ポータブル・ソフトウェア・インスタンス」(PSI)形式に変更されました。
※2023年9月一般利用開始のz/OS 3.1からは、「ポータブル・ソフトウェア・インスタンス」(PSI)新形式のみサポートされ、ServerPac導入時は、ドライバー・システムでの「z/OSMF」稼働が前提
※z/OSのみならず、CICS、Db2、IMSなどのミドルウェアも変更対象
※当変更に伴い、CustomPac導入ダイアログ(従来型ServerPac)はサンセット
【スペース割り振り単位の変更点】(新規作成のPDS/PDSEデータセット)
■z/OSMF Software Managementによる「ポータブル・ソフトウェア・インスタンス」(PSI)形式の導入において、ターゲット、DLIBの非VSAMデータ・セット(主にSYS1系のPDS/PDSE)は、従来の「トラック」単位ではなく「バイト」単位でスペースが割り振られます。
■新旧ServerPacによるスペース割り振り単位の比較(例: SYS1.LINKLIBデータセット)
■PSI形式のz/OSMF ServerPac導入後は、プライマリー・スペース量、アロケーション量、使用量が「バイト」単位のため、データセットの大きさや使用状況が直感的にわからず、また、「トラック」単位でのデータセット再作成時にはスペース割り振り量の換算が必要となります。
【機能改善】
■PSI形式ServerPacの導入において、ターゲット、DLIBデータセット(主にSYS1系のPDS/PDSE)のスペース割り振り単位を「バイト」ではなく、従来の「トラック」に戻してほしい旨の機能改善要望を提出しました。
※RFE 152517: Change space units for GIMUNZIP new allocation(2021年9月)
※Aha! Reference: ZOS-I-2804 https://ideas.ibm.com/ideas/ZOS-I-2804
■その後、SMP/E APAR IO29464を通じて改善要望への対応が行われた結果、ステータスが「Delivered」に変更されました。(2025年1月)
> APAR IO29464: SMP/E TO UPDATE GIMUNZIP TO ALLOCATE THE TARGET DATA SET USING TRACKS INSTEAD OF BYTES/RECORDS https://www.ibm.com/support/pages/apar/IO29464
※対象: z/OS V2R4、V2R5、3.1(PTF UO90081: 2024月12月使用可能)
※DASD装置タイプが「3390」(トラックあたり、56,664バイト)と仮定し、データセットのスペース量を「トラック」換算した上で新規作成
■例えば、z/OS 3.1導入時のドライバー・システム(z/OS V2R4、V2R5)向けに対象PTFを適用することで、z/OSMFソフトウェア管理タスクから呼び出されるSMP/E GIMUNZIPユーティリティーにて新規データセットを作成する際、「トラック」単位によるスペース割り振りが行われます。
【関連情報】
■従来、DFSMSdssの論理コピー処理にて「TGTALLOC」パラメータを使用することで、データセットのスペース割り振り単位を変更することが可能です。
■ただし、「TGTALLOC(TRK)」パラメータ指定時の制約として、データセット編成がPS、PDS、PDSEによらず、スペース割り振り単位を「バイト」から「トラック」には変更できません。
➡ PSI形式ServerPacの導入後に、「TGTALLOC(TRK)」パラメータを使用したスペース割り振り単位の変更は不可
■z/OS 3.1環境でのテスト結果 ・・・ DFSMSdssの論理コピー処理(正常終了: RC00)
※対象は、非SMS管理のPS、PDS、PDSE V1データセット ・・・ コピー前後の状況を、ISPF OPT3.4 「I」で確認(Data Set Information)
■対応策として、2024年1月にAPAR OA65974が作成されました。(修正策は提供されていません) https://www.ibm.com/support/pages/apar/OA65974
以上