IBM TechXchange Japan Storage User Community

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連載で学ぶIBM Storage ScaleとGPFSの世界「第三回: ユースケース編」

By Mizuki Masuda posted 20 hours ago

  

はじめに

日本IBMでストレージのテクニカルセールスを担当しております増田です。

Scaleブログ第三弾です。前回のブログではScaleの魅力ポイント4つをそれぞれ紹介しました。ではそれらの魅力ポイントをどう活かして、実際はどのように使われているのか気になりませんか?

今回は実際にScaleが活用されているユースケースをいくつか紹介し、Scaleの利用イメージをさらに深めていただけるよう解説していきます。

Scaleが何かをまず復習したい方はぜひ第一回のブログから読んでみてください!

Scaleでは前回のブログで挙げたような魅力ポイントや機能を複合的に使い、より柔軟で効率的なデータ活用を実現します。具体的には主に以下のような用途で使われることが多いです。

  • 複数拠点に散らばっているデータの一元管理
  • AI/HPCといった高パフォーマンスが必要なワークロード
  • 複数のプロトコルを統合したユニファイド・ストレージ
  • 効率的なデータ配置、アーカイブ/バックアップ/リストア

 

これらの用途を、Scaleを使った3つのユースケースを通じて紹介していきます。

 

ユースケース 1: 複数拠点に散らばっているデータの一元管理

最初のユースケースはある医療系研究機関での事例です。

こちらの事例では、データが多岐にわたる組織ごとのストレージに分散されており、

そのためデータを利用するためにそれぞれのストレージにアクセスしなければならない、

結果データへのアクセスが複雑化し、管理も困難といった状況に陥っていました。

 

 

この環境にScaleを導入しAFMの機能を使うことで、単一のシステムで全てのデータを統合して容易な管理ができるようになり、

さらにAFMのキャッシュ機能でデータへの高速なアクセスも実現することができました。

 

 

 

ユースケース 2: AI/HPCといった高パフォーマンスが必要なワークロード、複数のプロトコルを統合したユニファイド・ストレージ

二つ目のユースケースはある自動車メーカーでの事例です。

こちらの事例では、先進運転支援システム(ADAS)を使っています。そこで貯まったデータをRed Hat OpenShiftの環境とHadoop, S3, CIFS/NFSを使った環境で、AI用途で相互にデータを活用・分析する必要性がありました。

この環境に高パフォーマンスで多様なプロトコルに対応するScaleを導入することにより、コンテナ環境のCSIとHDFS, S3, CIFS/NFSといった異なるプロトコル間でもシームレスに接続することを実現し、PB単位でのデータ分析をおこなう基盤として活用されるようになりました。

このようにScaleを活用することで、複数のアプリケーション等がある環境において異なるプロトコルで同一データにアクセスする必要がある場合でも違いを意識せずにシームレスに使うことができます。Scaleは分散処理で高いパフォーマンスを誇るため、AIやHPCといったワークロードで使われることが多いですが、NFS、CIFS、SMB、HDFS、S3、GPU Direct Access、CNSA/CSIと幅広いプロトコルにも対応しているので、AIに限らずあらゆるユースケースに応用できるのもScaleの強みです。

 

 

ユースケース 3: 効率的なデータ配置、アーカイブ/バックアップ/リストア

三つ目のユースケースはある製造業のお客様の事例です。

こちらの事例では、即時復旧が必要なビジネス・クリティカルデータの量が飛躍的に増加する中、政府のデータ保有要件を満たす必要があり、既存ストレージが逼迫した状態になっておりました。

この課題を解決するためにScaleの階層化機能を使い、低コストで大容量なテープライブラリと組み合わせることにより50PBものデータを単一のファイルシステムで容易に管理し、迅速に利用できる環境を実現することができました。

その他、多数のお客様でも同様の仕組みを利用し、効率的なデータのアーカイブやバックアップ/リストアを実現しております。テープに限らず、クラウドのオブジェクトストレージにも対応しているので、ハイブリッドクラウド環境を含めどのような環境でも最適にデータを保管することができます。

 

 

まとめ

ここまで3つのユースケースを紹介しましたが、これらを複合的に組み合わせることにより、様々な用途に使われるデータを場所やプロトコルを意識せずに単一のプラットフォームでまとめて管理することができます。

皆さんの環境を含め、使い方次第であらゆる形でのデータ管理を実現できるのがScaleの強みです。

さて、ここ3回の連載では主にScaleがどのように使われているのかを解説していきましたが、次回からはより技術的な観点でScaleを見ていきたいと思います。その第一弾として「Scaleのコンポーネント編()」なんていかがでしょうか?次回もお楽しみに。

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