という質問がよくあります。
技術的には可動することも出来ますが、いくつかクリアしなければならない点があります。
・整合性
OSが起動状態のままFlashCopyを取得したり、Metro Mirror/Global Mirrorでそのまま転送している場合、ファイルシステムとしての整合性はクラッシュコンシステンシー相当になります。
ファイルシステムキャッシュ上のOSに必要なデータがストレージ上に書き込まれていない可能性があるためで、状態としてはサーバーがドスンと落ちたような状態と同等のレベルになります。
普通はこれでも起動することがほとんどでしょうが、ファイルシステムのリカバリーがきちんと出来ることが前提となります。リカバリーが出来ない状態であった場合は、アウトです。このあたりはOSやファイルシステムの作りにも依存します。
一般的にOSのバックアップはパッチを当てたりする前後に取得するので、それほど高い頻度で取得する必要はありませんので、常時ミラーを貼っておくとか1日1回バックアップを取るとかの必要性はないはずです。
パッチを当てる前にサーバーをシャットダウンして、きれいな状態でFlashCopyを取得する、リモートに転送する等すれば良いです。
ちなみにMetro MirrorやGlobal Mirrorで転送しっぱなしだとOSを次に起動した段階で、また更新データが発生してしまい、整合性が取れなくなる可能性があるので意味がありません。
ミラーのセッションを停止するか、リモートでミラーのターゲットからFlashCopyを取得するなどしたほうが良いでしょう。
・ファイルシステムや、OSのブート領域が壊れていないか
いかにきれいな整合性が取られて複製が取られても、元々壊れていた場合は、OSの起動はできません。
ブート領域は一旦起動してしまえば、起動中はアクセスされないために、そこが壊れたままの状態の複製が取られても、起動が出来ないこともありえます。
したがって、複製を取る前にその領域が壊れていないかどうかの確認も必要だったりします。
・デバイスの違い
よくあるのは、別のサーバーに複製したシステム領域をマップして使用するというのが考えられます。
この別のサーバーが全く同じハードウェア構成であれば良いですが、異なるハードウェアだったりすると、デバイスドライバーなどが入っていなかったり、デバイスの認識順序が異なったりするため、元々認識できていたデバイスが正常に認識できない可能性があります。
この場合は、デバイスドライバーをインストールしたり、デバイスを再認識させるなどの手順が追加で必要となります。
・ネットワーク周り
元と同一のネットワーク設定で使用するのか、別のネットワーク設定で使用するのかなども考慮する必要があります。
IPアドレスが同じ場合は、元とバッティングしないようにする必要があります。
例えば災対の検証をするような場合は、ローカルとリモートがつながらないようにする必要があります。
また、IPアドレスやホスト名を変更する場合は、ミドルウェアなども考慮する必要があります。
ミドルウェアによっては正しい手順を踏まないとIPアドレスやホスト名の変更に気づかずに正しく稼働しない、ということもあります。
これらの点を考慮できているのであれば、問題ないと思います。ちなみに、複製をして再利用する時に、変更箇所が多いようだと入れ直したほうが速いと思います。
どちらが良いかは構成次第でしょう。
なお、そのような手法はサポートされるんですか?と聞かれることも多いですが、ストレージ側でもOS側でも明確にサポートします、しませんと謳っているようなドキュメントはないと思います。技術的には中身は全く同じデータなので、稼働はするはずです。不安な場合は十分な検証を行ってください。