SVCやSpectrum VirtualizeにはNPIV(N_port ID Virtualization)機能というものが提供されています。(ソフトウェア・バージョンV7.7から)
これは、言葉は同じですがサーバー仮想化環境においてハイパーバイザーの物理アダプターのポートをパススルーして、
仮想マシンの仮想アダプターにストレージを直接見せるような一般的なNPIV機能とは似てはいますが、若干異なります。
どういう機能かというと、SVC系は通常、サーバー接続に物理アダプターのWWPNを使用してSAN Switch上でゾーンを組みます(WWPNゾーンの場合)。
しかし、この物理アダプターに仮想的なWWPNを持たせてサーバーとの接続にはこの仮想WWPNを使用するのがSVC系のNPIVです。
言葉だけ聞くとサーバーのNPIVと同じようなものです。
この機能の挙動、メリットについては以下の図で説明します。
まず、P1-1の物理ポートというポートがある場合、NPIVを有効にするとP1-1'という仮想のWWPNがアサインされます。
他も同様にPx-x'という仮想WWPNがアサインされます。
サーバーはこの仮想WWPNとゾーンを組みます。
ノード1にあるボリュームへはP1-1'、P1-2'を経由してI/Oが行われます。