色々なお店が集う「モール」のように、企業、業界、世代の枠を超えた仲間と自主的に研究活動をする取り組み「2023年ナレッジモール論文」のなかでも、特に優秀な成果をあげられた論文をご紹介します。所属・役職等は2023年11月時点の情報です。
コード生成ツールの導入判断のための評価方法の提案
株式会社エクサ 堀 扶
本論文は、AIを用いたコード生成ツールの導入を考える組織や個々の開発者にとって有益な論文です。組織がコード生成ツールの導入を決定する際のリスク評価と効果評価の手法を提案し、具体的な計測結果に基づいてその有効性を検証しています。本論文のアピールポイントは、具体的な評価方法の提示と実際の計測結果に基づく分析により、生成AIの導入を検討する組織が具体的な導入判断を下す際の参考になる点です。※2024/2/1 Azure OpenAI Studio gpt4-32k にて生成した紹介文を一部加筆訂正して作成しました。
ITインフラ作業の効率化に対する「自動化2.0」の可能性と課題
株式会社トインクス 佐藤 申
アジャイルの受託開発実現に向けて
高山 隆一(元 株式会社アシスト)
本論は、内製化に舵を切れないユーザー企業のアジャイル開発のあり方への提言です。この課題設定は、アジャイルは内製開発向きと言われ、受託開発やSIでは実施が難しいという問題意識に基づきます。多くのユーザー企業は長年ベンダーに業務委託する形でシステム開発を進めてきたため、内製化でアジャイル開発を進められるほどに体制や要員育成が整備できているところは、まだ少ないというのが現状です。このようなユーザー企業が、ベンダーと協力しながらアジャイル開発を進め、将来的に内製化の足がかりとなるようなアジャイルの受託開発の実現を目指します。
IBM Cloud Pak for Data Db2 マルチクラスターHADRの構築
日本アイ・ビー・エム株式会社 上林 裕之
日本アイ・ビー・エム株式会社 下川 美香
Watson の文章解析を用いた保全指示表作成システム
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 伊集院 絵里香
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 丹正 淳文
数理最適化によるAI Chiplet設計に向けて
日本アイ・ビー・エム株式会社 藤井 亮
日本アイ・ビー・エム株式会社 阪本 正治
日本アイ・ビー・エム株式会社 小西 研司
日本アイ・ビー・エム株式会社 小島 克俊
外部サービス連携における障害検知と高可用性設計手法
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社 長澤 英樹
当論文では、DXの推進をはじめとしたオンプレミスに留まらないシステム間連携における高可用性の維持・設計について記述しています。従来のモノリシックな構造から可用性要件が異なる外部サービスを取り込んだシステムが一般的になる中、システム構成の複雑化が進み、一旦障害が発生するとより社会生活に重大な影響を及ぼすことは、過去の事例でも明らかです。当論文では、密結合・疎結合での可用性設計の差、有効な障害検知の評価方法、障害発生時のダメージコントロールの考え方を中心に解説しています。可用性設計は100%の正解があるわけではなく、当論文が幅広い技術者の方々を巻き込んだ知見の集約の一旦となれば幸いです。
審査委員長
森本 典繁日本IBM 副社長執行役員 最高技術責任者 兼 研究開発担当
IBM Community Japanメンバー部門
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