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日本IBMグループの社内コミュニティー『Japan Technical Council(JTC)』ってどんな活動をしているの?(前編)

By Jtc Office posted Fri January 20, 2023 03:24 AM

  
本ブログでは、日本IBMグループ社内コミュニティーのJapan Technical Council(JTC)の活動内容をインタビュー形式でご紹介します。
今回はIBMコンサルティング事業本部のJTC事務局長、三田寛之さんのインタビューです。


(三田 寛之 IBMコンサルティング事業本部 JTC事務局長)

日本IBMグループにおける『若手社員の、若手社員による、若手社員のための技術コミュニティー』であるJTCは2001年の設立以来、社員の技術力向上のため様々な活動を行っています。
  • JTCとはどのようなコミュニティーなのか?
  • コロナ禍でどうコミュニティー運営を続けているのか?
  • 会社からのサポートは?
など、その取り組みについて聞いていきます。

本日はよろしくお願いします。はじめに現在の所属部署と仕事内容について教えてください。

現在はIBMコンサルティング事業本部の金融サービス事業部に所属しています。職種はプロジェクトマネジャーで、最近はある金融機関様のモバイルバンキングアプリ開発プロジェクトでバックエンドサービスの開発チームリーダーを担当しています。また、金融サービス向けデジタルサービス・プラットフォーム(金融DSP *1)の API Banking Application(ABA)というソリューションの開発、拡大販売の活動をしています。

*1 金融DSPは、新たなモバイル・バンキング・アプリケーションなどのDXサービス(フロント・サービス層)と勘定系などの基幹系システム(ビジネスサービス層)との疎結合化を実現するソリューションであり「1.業務マイクロサービス」「2.基幹系連携機能(バックエンド・アダプター)」「3.DSP基盤」の3つの要素を持っている。詳細はこちら:https://www.ibm.com/blogs/smarter-business/business/banking-financial-markets-dx-dsp/

本日お話いただくJTCとはどのようなコミュニティーでしょうか?

JTCは「テクノロジーを武器にしてプロフェッショナルキャリアを歩む若手IBMerのためのコミュニティー」です。日本IBMグループの若手社員がコミュニティーメンバーで、様々なイベント企画を通して、①テクノロジーの知識・スキルの習得、②所属・職種を超えた人材交流、③社内外での情報発信の機会を提供しています。

JTC事務局は、コミュニティー活動の推進役です。10名ほどが企画検討や運営を担当しています。JTCは日本IBMのCTO(最高技術責任者)オフィス公認コミュニティーとして、経営層や人事のサポートも受けて運営を進めています。

ところで、JTCはいつから始まったコミュニティーなのでしょうか?

2001年頃に日本IBMの組織改編をきっかけに技術者同士の交流をつなぎ止めるための施策としてコミュニティーが立ち上がったと聞いてます。実は発足人の一人が今の日本IBM代表取締役社長の山口明夫さんです。

現在は技術職だけでなく営業職の方なども参加されていますね。

その通りです。JTCは日本IBMグループの若手社員全体を対象としています。以前まではコミュニティー対象者は「25歳〜35歳までの技術職」でした。25歳からとしていた理由は、入社から数年経て会社での仕事を覚えてからの方がコミュニティー活動で切磋琢磨するための基礎ができているだろうということです。このような年次・年齢・職種などの制限は、会社の変化に合わせて次々と取り払われてきました。

会社の変化とは、一つはここ数年で新卒入社・中途入社のどちらも増えて、若手社員数がとても多くなったことです。そのため、この層の技術力を向上する取り組みを増やし、多様化させることは、以前にも増して重要になってきています。

そしてもう一つはIBM自身の変革により、営業職にも技術的なスキルを求められるようになったことです。IBM Garageがわかりやすい例で、ビジネスの変化が激しい今はPoC(Proof of Concept、概念検証)やプロトタイプ開発など小さくても実際に動いて触れる成果をお客様に提案して、フィードバックを受けながら育てていくアプローチでの提案力が求められていて、営業職でもそういったスキルを身につけようという方針になっています。この時に人事、購買、マーケティング、財務などのスタッフ職の人たちも対象にしました。

JTCの活動ではJapan Technical Leadership Session(JTLS)やJTC Incubate Campというのを聞いたことがあります。これらの活動についてご説明いただけますか。

JTLSとJTC Incubate Campは、JTCを代表する二大イベントです。JTLSは日本IBMグループの若手社員で顕著な活躍をしている方々を対象に、将来リーダーとなっていく上での視座・視点・視野を得ること、IBMの戦略を身を持って理解してもらうことを目的としたプログラムです。そのために、実際に米国のIBM本社に出張し、本社のエグゼクティブと戦略についてディスカッションをしたり、研究開発拠点を訪ねてIBMの様々な事業内容を体感してもらいます。参加者は事前準備として、日本のお客様や市場の現状分析、課題分析を行うグループワークを実施します。IBMの戦略を自分たちなりに理解して、本社への提言や提案を作ります。参加された皆さんは「IBMにおける仕事観」を変えるいい経験だったということをおっしゃっています。残念ながら、新型コロナ流行の影響で2019年以来企画実施できていませんが、今後復活を狙っています。

JTC Incubate Campは若手が会社の課題を議論してエグゼクティブに解決案を提言するプログラムです。日本IBMの保有する天城ホームステッドという施設に1泊2日して集中討議します。以前は提言のみだったのですが、数年前から企画の趣旨を変えて、提案内容にIBMのソリューションやPoC/プロトタイプなどの技術的要素を盛り込むことにしています。優れた提言はエグゼクティブがスポンサーとなって、提言実現に向けた活動を継続します。

JTCの活動にはどのような人が関わっているのでしょうか。

既に話に出ているコミュニティーメンバー、事務局メンバーの他に、コミュニティー運営支援役として4名のエグゼクティブボードメンバーと4名のアドバイザリーボードメンバーの方々が継続的に関わってくださっています。また各アクティビティーにおいて社内の有識者の方々に個別に講師・アドバイザーをお願いすることがあります。

会社からの活動の支援とは、具体的にどのような支援がありますか?

アドバイザリーボードの皆さんは、事務局の日々の活動において、具体的なアドバイスをいただける身近なサポーターです。エグゼクティブボードは日本IBM常務執行役員 最高技術責任者 兼 研究開発担当の森本典繁さん、IBMフェローの二上哲也さん、東京基礎研究所 所長の福田剛志さん、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社代表取締役社長の井上裕美さんの4名が参加いただいています。JTCの活動は社内に発信力があり、会社予算を使った活動もありますので、会社として進めていって良いものかどうか大きな判断をしていく上でアドバイスいただきますね。

JTCの活動はどのような点で会社に貢献しているのでしょうか。

コミュニティーメンバーの方が、JTCのイベント企画に参加して新たな刺激を持って帰っていって、それが現場の仕事に活きたり、新たなキャリアを考えるのにつながったりすれば一番いいなと思ってます。具体例として、3年目から7年目ぐらいのプロジェクト現場の若手チームリーダーをイメージしています。現場で仕事を覚えて、チームリーダーといったより責任の大きな役割もして、お客様とのコミュニケーションも自分がフロントに立って、という状況だと思います。それは凄くよいこと、あるべき姿ですが、一方で自分の活動の幅や視野が「現場の環境に固定化」されているような感覚を持つ人もいると思うんですよね。私自身がそうでした。そういう時にIBMの社内には実は有識者やエグゼクティブなどこんなすごい人がいたんだとか、社員同士の横のつながりを得たりだとか、現場で使える知識・技術とは直接関係ないけども今IBMが取り組んでいる先端技術はこうなんだとか、そういったことをコミュニティー活動を通じて触れてもらいたいです。



後編はこちらのリンクから | 後編コンテンツ

■ 若手の声を経営層へ届ける

■ コロナ禍でのコミュニティー運営

■ JTCの今後の取り組み





インタビュー・執筆

榛葉 大樹
IBMコンサルティング事業本部
ハイブリッド・クラウド・サービス
松田 智輝
IBMコンサルティング事業本部
ビジネス・トランスフォーメーション・サービス
今 夏紀
IBMコンサルティング事業本部
ハイブリッド・クラウド・サービス

 

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