IBM TechXchange Japan Identity and Access Management (IAM) User Group

IBM TechXchange Japan Identity and Access Management (IAM) User Group

 View Only

Digital Credentialsのお話

By Tetsuro Saito posted Mon September 22, 2025 05:10 AM

  

Digital Credentialsとは?~紙の証明書に頼らない本人確認の新しいかたち~

こんにちは。

以前、あるビジネス・パートナー様を訪問した際に、分散IDについての話題になりました。そのときは不勉強だったこともあり、お話の中身がよくわからなかったのですが、その後関連する技術や取り組みについて調べてみると、とても興味深い技術だということが理解出来たことを覚えています。今回のブログでは、その分散IDとも関連し、IBM Verifyでも提供が開始されているDigital Credentialsについて触れてみたいと思います。

なぜ今「デジタル本人確認」が注目されているのか?

私たちは日々、銀行口座の開設、医療機関の受診、学校への入学など、さまざまな場面で「本人確認」を求められています。これまでは、運転免許証や保険証などの紙の証明書を提示するのが一般的でしたが、以下のような課題がありました:

  • 紛失や盗難のリスク
  • 情報の過剰共有(例:年齢確認のために住所や氏名まで見せる)
  • オンライン手続きでは郵送や対面確認が必要になることもある

こうした課題を解決するために、デジタル証明書(Digital Credentials)の活用が注目されています。

IBM VerifyのDigital Credentialsとは?

IBM VerifyのDigital Credentialsは、紙の証明書を使わずに、安全かつ迅速に本人確認を行うためのデジタル認証の仕組みです。IBM Security Verifyの一部として提供されており、スマートフォンなどのデバイスにデジタル証明書を保存し、必要な情報だけを選んで提示することができます。

たとえば、年齢確認が必要な場面では「18歳以上である」という情報だけを提示でき、氏名や住所などの不要な個人情報を守ることができます。

この仕組みは、業界標準に基づいて設計されており、他のプラットフォームとの相互運用性も意識されています。

デジタルウォレットでスマートに証明

ユーザーは、運転免許証、学生証、資格証明などをデジタルウォレットに保存できます。ウォレットとは、スマートフォンなどにインストールするアプリで、証明書を安全に管理・提示するためのツールです。紙ベースの証明書の代わりにデジタルウォレットを利用することで、以下のようなメリットを享受できます。

  • 紙の証明書を持ち歩く必要がなくなる
  • いつでもどこでも本人確認が可能
  • 情報の選択的共有ができる(必要な情報だけを提示)

活用が期待される業界

Digital Credentialsは、以下のような業界での活用が進んでいます:

業界 活用例
金融 口座開設、送金、ローン申請時の本人確認
医療 処方箋の確認、患者情報の共有
教育 学歴証明、資格認定、学生証のデジタル化
公共サービス 行政手続き、年齢確認、交通違反時の本人確認

利用方法

この機能は現在、IBM Security Verifyの「リクエスト可能な機能」として提供されています。利用申請を行うことでこの機能が有効化されます。

次回は、このサービスを支える技術的な仕組みと、なぜこの分野が注目されているのかを解説してみたいと思います。

#IBMVerify

0 comments
20 views

Permalink