IBM TechXchange Japan Storage User Community

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改めて考えたいLTFSによるテープメディア活用

By Shohei Ishida posted Fri October 31, 2025 06:18 AM

  

 LTFS(Linear Tape File System)というテクノロジーをご存知でしょうか? アルファベット4文字ではピンとこないかもしれませんが、一つ一つの単語を読み解くと何となくわかるかもしれません。Linerar Tapeはテープ装置の一種であるLTO (Linear Tape-Open) を意味し、File SystemもそのままOSが構成するFile Systemを意味します。すなわち、LTOテープをWindowsやLinuxに搭載されているファイルシステムで操作するためのテクノロジーです。これによってUSBメモリをPCに差し込んだ時のように、LTOテープ装置を使用することができます。

 LTFSはOSの標準機能では提供されておりませんので、まずはLTFSソフトウェアを導入する必要があります。IBMでは、IBM Storage Archive (旧称Spectrum Archive) という名前のLTFSソフトウェアを提供しております。Storage ArchiveはSingle Drive Edition, Libraly Edition, Enterprise Editionと3つのエディションが存在しますが、その中でテープメディアを手差しする単体ドライブ用のSingle Drive Editionは、なんと無償で利用することができます。また、Storage Archiveは最新の2.4.8でコンシューマー用のWindows 10 / 11、サーバー用のWindows Server 2022 / 2025をサポートしました。実はStorage Archiveは旧称Spectrum Archive 2.4.5まではWindowsをサポートしていたものの、Storage Archive 2.4.6~2.4.7ではWindowsがサポートされておりませんでした。改めてコンシューマー向けWindowsやWindows Serverがサポートされたことにより、LTFSが活躍するシーンは確実に増えたことでしょう。

 テープの特長といえば、長期間のオフライン保管が可能であること、寿命が長いこと、メディアあたりの容量が大きいことなどが挙げられます。加えて、LTFSによる操作であればドラッグ・アンド・ドロップでファイルやフォルダーをテープに書き込めるので、操作に習熟する必要もありません。こうしたことを踏まえると、IBM Storage Archiveの活用シーンは様々に考えられます。ただ、ひとつだけ挙げるとしたら、最近世間を騒がせているランサムウェア対策に使えるでしょう。

 既にバックアップの仕組みがある環境であっても、イミュータブルなバックアップやエアギャップ環境にバックアップが取られているかというと、全てがそうでは無いと思います。そういった環境に対して、バックアップの仕組みを全て入れ替えるような大掛かりな対策だけではなく、当座の対応として既存のバックアップシステムにプラスアルファとしてLTFSのテープバックアップを導入し、絶対に守らなければいけない必要最小限のデータだけでもオフライン保管する、という方法もご検討されてはいかがでしょうか。IBM Storage ArchiveのSingle Drive Editionであれば無償で利用できますので、あとは1台のLTOテープドライブと1本のテープメディア、そしてStorage Archiveをインストールできるサーバーが1台さえあればスタートできます。

 昨今世間を騒がせるランサムウェア攻撃に対しても、テープによるオフライン保管は非常に有効です。そして、ランサムウェア攻撃にはいつ晒されてもおかしくはありません。今一度お手元のシステムのバックアップがどう取られているか思い浮かべ、もしランサムウェア対策が不十分であるようでしたら、このような方法も是非ともご検討くださいませ。

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