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注: 当該グループ上でご紹介する情報は、日本アイ・ビー・エム(株)が必ずしも正式なレビューを行ったものではありません。
LTOテープ装置の最新バージョンであるLTO 10に対応したテープ・ドライブおよびカートリッジを、2025年5月に他社に先駆けてIBMが発表致しました。
今回IBMで製品化したテープ・ドライブは、主に大型のテープ・ライブラリーで利用されるフル・ハイト・サイズ(FH:高さ2U)のドライブです。製品で言うと、IBM Diamondback Tape LibraryとIBM TS4500 Tape LibraryにLTO 10テープ・ドライブを搭載可能となっております。なお、中小型テープ・ライブラリー (IBM TS2900など) で主に利用されるハーフ・ハイト(HH:高さ1U)の薄いタイプのドライブはまだ発表されておりません。
ちなみに、LTO 10テープ・カートリッジの容量はなんと1巻あたりネイティブで30TB、圧縮機能を利用すると2.5倍の容量を格納でき、実に75TBにもなります。ただし、データ転送速度は LTO 9同様、ネイティブ400MB/sです。
さて、テープにお詳しい読者の皆様は「LTO 10の容量はネイティブ36TBになる計画だったのでは?」と疑問に思われるかもしれません。LTOテープの世代に関しては、LTO.Org というサイトでロードマップが提供されており、確かにこちらのロードマップ上でも LTO 10 ドライブは 36TBとなっているようです。これは何もIBMが先走って独自の自称LTO 10製品を勝手に発表したわけではありません。LTO の規格は各社が実際に製造できないと規格としての互換性が維持できないため、ドライブ・メーカーやカートリッジ・メーカーの足並みが揃わないと発表できないのです。故に、今後他社メーカーからも1巻あたりネイティブ30TBのLTO 10カートリッジが登場するはずです。
容量以上に注意頂きたいのが、LTO 10テープ・ドライブの下位互換性です。LTO 10からはテープ・カートリッジの下位互換性が無くなっています。つまり、LTO 10 テープ・ドライブで利用可能なカートリッジの種類は LTO 10 テープ・カートリッジだけとなります。LTO 9 や LTO 8 のテープ・カートリッジは LTO 10 テープ・ドライブで利用できませんのでご注意ください。
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