IBM TechXchange Japan Storage User Community

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【VMware代替】OVEとIBM Fusionでモダナイゼーション基盤へ

By SAWA NOGUCHI posted 10 days ago

  

 こんにちは。日本IBMでストレージ・ソフトウェア・セールスをしております野口です。

ストレージにはDS8KやFlashといった箱ものだけではなく、様々なストレージ・ソフトウェアがあります。その中でもIBM Fusionは一目置かれている製品のひとつで、私もここ数年携わって愛着が湧いてきました。

今回はこのIBM Fusionの推しポイントを皆さんにお伝えしたく、ブログを執筆しました。

次世代プラットフォームとして今こそ旬なFusionの魅力が詰まっていますので、是非一読いただけると嬉しいです。

もくじ

  1. もう一つのVMware問題?!
  2. 脱・VMwareにはOpenShiftとその基盤IBM Fusionが最適
  3. 柔軟に選択可能なOpenShift
  4. OVEに適応したIBM Fusionで安価な仮想化基盤を実現
  5. 仮想化基盤スモールスタートのその先へ
  6. まとめ

1. もう一つのVMware問題?!

 今やほとんどのお客様が検討していると言っても過言ではないほど、VMwareのライセンス体系変更の課題。これは今、多くの企業にとって避けて通れない「VMware問題」として注目されています。Broadcomによる買収以降、ライセンス費用は大幅に上昇し、2025年4月には最小購入コア数の引き上げで、さらにコスト負担が重くなりました。

 一方で「延長保守でしのぐ」「AWS / Azure上でVMwareを使い続ける」といった選択を取る企業も少なくありません。ただし延命策は数年後には限界を迎えます。そこで浮上するのが「次は何で仮想化環境を動かすのか?」という新たな課題です。

 Hyper-V、Nutanix AHV、KVM、Proxmoxなど、VMware代替となるハイパーバイザーは数多くあります。しかし「単に代替となるハイパーバイザーを探す」だけで本当に未来につながるのでしょうか。

次世代のアプリケーション環境を見据えるなら、脱VMware=単なる移行ではなく「脱・仮想マシン」。VMware代替を機に、生産性を高めたいシステムについては、コンテナの活用も併せて検討するというのが、もう一つの『VMware問題』を乗り越える鍵となるのです。

2. 脱・VMwareにはOpenShiftとその基盤IBM Fusionが最適

 VMwareからの移行先として、次期プラットフォームの選択肢でいま注目されているのが OpenShift です。

「コンテナのための基盤」というイメージが強いですが、実は OpenShift Virtualization を使えば仮想マシン(以下VM)も稼働可能です。Linuxの仮想化機能KVMをベースにした技術で、VMware同様に複数の仮想マシンを運用できます。しかもOpenShiftの標準機能で提供されるため追加費用は不要。さらに、既存VMをOpenShiftへ移行できる Migration Toolkit for Virtualization(以下MTV)* も無償で提供されています。

 つまりOpenShiftなら、これまでのVM運用を引き継ぎつつ、同じ基盤上でコンテナアプリも動かせる、つまりVMwareからの「移行」ではなく、モダナイゼーションへの一歩を踏み出せるのです。

 

 そしてそのOpenShiftを支えるのが、IBMの Fusion。OpenShift環境に必要なインフラ要素をすべて揃えたオールインワン基盤で、オンプレ向けアプライアンス(HCI)とクラウド向けソフトウェアの2種類の提供形態で、お客様の環境やニーズに応じて柔軟に選べるのが特長です。

 脱VMwareを機に、単なる「置き換え」ではなく、新しい価値を生む基盤へ。OpenShiftとIBM Fusionは、その最適解のひとつになるはずです。

*MTVのデモ動画はこちら⇩
次のスタンダードはこれだ!ハイブリッド・クラウド基盤 MTVデモ動画

 

さらに、IBM Fusionでの操作や、既存仮想化環境からOpenShiftへの移行方法を体験いただけるデモもご用意しています。

詳しくはこちら⇩

TechZone Blog #4 IBM Fusionを体感する

3. 柔軟に選択可能なOpenShift

 Fusionで提供されるOpenShiftのライセンスには、用途にあわせた複数の選択肢があります。

Red Hatが提供するのは次の4種類です。

  • OpenShift Virtualization Engine(以下OVE)

  • OpenShift Kubernetes Engine(以下OKE)

  • OpenShift Container Platform(以下OCP)

  • OpenShift Platform Plus(以下OPP)

※ライセンス比較の詳細は別途ご参照ください。

 引用:Subscription毎の機能比較表 https://www.redhat.com/en/blog/introducing-red-hat-openshift-virtualization-engine

 参考:https://www.redhat.com/ja/technologies/cloud-computing/openshift/self-managed

 従来のOpenShiftは「VMとコンテナを両立」する前提でしたが、2025年1月に新しく登場したのが OVE。これはあえてコンテナ機能を外し、仮想マシン専用に特化したエディションです。

背景にはこんな声があります。

  • VMwareから、もっと安価な仮想化基盤に移行したい

  • 新しいクラウドネイティブ基盤を作りたいが、いまはVM中心で十分

  • 現時点コンテナは不要なので、無駄な機能はいらない

OVEはコンテナを動かさない代わりに、コストを大幅に抑えられるのが魅力です。最小構成(サーバー3台)なら 年額150万円程度*〜と、従来のOpenShiftよりも手頃に次期仮想化基盤を構築できます。

「VMだけでいい」というニーズに応えるOVE。逆に「VMもコンテナも両方やりたい」なら、従来のOCPやOPP。用途にあわせて柔軟に選べるのが、OpenShiftの大きな強みです。

*2025年9月時点参考価格

4. OVEに適応したIBM Fusionで安価な仮想化基盤を実現

 2025年9月、IBM Fusionが大きく進化しました。

これまでOPP、OCPのみだったOpenShiftライセンスの選択肢が拡張され、OVE、OKEも含めた4つのサブスクリプションすべてに対応可能となりました。

今注目のOVEに対応したIBM Fusionは、お客様のより柔軟なニーズに応えられるよう、以下の2パターンをご用意しています。

  1. OVE対応のIBM Fusion HCI

従来は2択だったライセンスが4択に拡大。Fusion HCI 最小構成3ノードからOVEを利用でき、安価に仮想化基盤を構築可能です。オンプレで脱VMwareを検討するお客様には最適です。しかもインフラ部分はIBMサポート窓口で一括対応するため、保守面の負担も軽減できます。

  1. OVEのライセンス体系に合わせたIBM Fusion Software

IBM Fusion for Virtualization として、OpenShiftに統合されたストレージ(SDS)とVMware同等のバックアップ機能を提供。クラウド(ROKS, ROSA, ARO)でもオンプレでも利用でき、ソフトウェアコンポーネントとして 年額400万円程度*〜(最小構成3台) と競争力の高い価格で導入可能です。ソフトウェア提供のため、別途サーバーやスイッチの調達は必須ですが、ハードウェアを安価に調達できるお客様には最適な選択肢となります。

*2025年9月時点参考価格

5. 仮想化基盤スモールスタートのその先へ

 VMware代替を「まずは安価に」と考えるなら、OVE+IBM Fusion で仮想化環境を立ち上げるのが最適です。

しかしOVEの魅力は、価格だけではありません。以下のようなケースで、将来的に コンテナ活用へシームレスに移行できる点にあります。

*1 コンテナワークロードの必要リソースによって構成変更が必要な場合があります。

どちらを選んでも、基盤はOpenShiftのまま。OVEユーザーがコンテナワークロードが必要になった場合、ハードウェア構成や運用方法を変える必要はなく、シームレスにコンテナへ拡張できるため、OVEはモダナイゼーションに最適な選択肢になります。

6. まとめ

 次世代プラットフォームとして、仮想マシンとコンテナをハイブリッドで動かすことのできるFusionの魅力は伝わりましたでしょうか。

このようにして、OVEは「VMware代替」からスタートしながら、次のステップとしてクラウドネイティブ基盤へのリフト&シフトも容易に可能です!

VMware環境の次は、OVEとIBM Fusionを組み合わせ、いま必要なコスト最適化と、将来のモダナイゼーションの両立を実現しましょう。

VMware代替のこと、Fusionのこと、OpenShiftのこと、詳しく知りたい方はお気軽にご連絡ください。


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