以降 JSUC と略記、short URL: https://ibm.co/3fV3qzE)とは、お客様やビジネス・パートナー様とIBM専門家が連携し、ストレージについて学び、アドバイスやベストプラクティスを仲間と共有し、製品やコミュニティー・イベントに関する情報を得るためのものです。どなたでも自由にご参加いただけますので是非ご参加ください。JSUCへの登録ガイドはこちらです。
注: 当該グループ上でご紹介する情報は、日本アイ・ビー・エム(株)が必ずしも正式なレビューを行ったものではありません。
最近、「サステナビリティ」という言葉をよく耳にしませんか。サステナビリティは、環境や経済などに配慮した活動を行うことで、社会全体を長期的に持続させていこうという考え方であり、経済発展、社会開発、環境保護の3つの観点があります。今回は、これらのうち環境保護という観点をテープの話に絡めてお伝えしたいと思います。
近年、世界で生成されるデータ量は増大を続け、2025年には180ZBに達すると言われています。(図1)また、日本におけるデータセンターの延床面積も年々増加しており、IDCによれば今後さらに増加する予測となっています。(図2)経済産業省の調査会の話では、将来、日本全国の消費電力の10%がデータセンターで消費されることになるとも言われています。(総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会、2021年1月27日、第36回)そのため、デジタル化を進める中でも、環境を意識した取り組みが必要となってきています。
図1.全世界で生成されるデータ量 (出典)IDC Japan
環境を意識したデータ保管手段の一つとして、テープストレージがあります。テープはネットワークから切り離してオフラインで保管でき、エアギャップを確保できるというメリットが大きいですが、省電力でのデータ保管という点でも優れています。
テープはデータの読み込み・書き込み時に、テープドライブのモーターと磁気ヘッドが稼働しますが、それ以外の時間は停止状態になり電力をほとんど消費しません。ディスクと比較すると、ディスクは、データの読み込み・書き込み時に回転ディスクと読み書きヘッドの動作が必要であり、また常に稼働状態になっているため、待機中でも一定の電力を消費します。図3に示すように、例えば960TBのデータを保管する場合、ディスク稼働時と比較して、テープの電力消費量は18分の1程度に抑えることができます。また、データ量が増えるにつれて省電力の効果は大きくなります。
ただし、テープは複数データへのランダムアクセスによる読み出しに時間がかかるといった弱点もあるので、ディスクやFlashストレージと組み合わせて階層化することで、ユーザーにとって使いやすく、また、より環境に配慮した構成にすることができます。
テクノロジーの進化に合わせて、ストレージ技術も常に進化していますが、テープストレージがデータの省エネ保管に欠かせない存在であることは間違いありません。今後の動向にも注目していきましょう。
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