IBM TechXchange Japan Storage User Community

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以降 JSUC と略記、short URL: https://ibm.co/3fV3qzE)とは、お客様やビジネス・パートナー様とIBM専門家が連携し、ストレージについて学び、アドバイスやベストプラクティスを仲間と共有し、製品やコミュニティー・イベントに関する情報を得るためのものです。どなたでも自由にご参加いただけますので是非ご参加ください。JSUCへの登録ガイドはこちらです。

注: 当該グループ上でご紹介する情報は、日本アイ・ビー・エム(株)が必ずしも正式なレビューを行ったものではありません。

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IBM FlashCore Module 4がもたらすストレージ革新:標準SSDとの違いとは

By MASAKAZU SANO posted 4 days ago

  

企業のデータ活用が加速する中、ストレージに求められる要件は「容量」や「速度」だけではありません。セキュリティ、効率性、耐久性、そしてAI対応力が重要な差別化要素となっています。

IBMが提供するFlashCore Module 4FCM4はこうしたニーズに応えるために設計された独自のコンピュテーショナル・ストレージ・デバイスです。IBM Storage FlashSystemIBM DS8000などで装備できます。標準的なNVMe SSDとは一線を画す、IBMならではの技術が詰め込まれています。以下にその特徴をご紹介します。


🔍 FCM45つの革新的な特徴

1. インライン・ハードウェア圧縮で最大115TBの有効容量を実現

FCM4FPGAベースの圧縮エンジンにより、最大3:1のリアルタイム圧縮を実現。これにより、パフォーマンスを犠牲にすることなく1モジュールあたり最大115.2TBの有効容量を提供します。標準SSDではソフトウェア圧縮が主流で、処理遅延が発生しがちです。

2. 耐久性を2倍に高める高度なフラッシュ管理技術

  • 動的電圧シフトにより、NANDセルの劣化を抑制
  • ヘルス・ビニングと熱分離で書き込みの偏りを防止
  • ハードディシジョンECCでエラー率を低減 これらの技術により、QLC NANDでも2DWPD1日あたり2回の全書き込み)という高い耐久性を実現しています。

3. ストレージが考える時代へ:コンピュテーショナル・ストレージ

FCM4は、FPGAARMプロセッサを搭載し、データパス全体をハードウェアで処理。これにより、ドライブ・レベルでの分析や処理が可能となり、ホスト側の負荷を軽減します。

さらに、STT-MRAM(スピン注入型磁気抵抗メモリー)を採用した書き込みキャッシュにより、電源喪失時のデータ保護も万全。従来のDRAM+スーパーキャパシタ構成よりも高い信頼性と長寿命を提供します。

4. AIによるランサムウェア脅威検知と量子耐性暗号

FCM4AIを活用したリアルタイムのランサムウェア脅威検知機能を搭載。I/Oパターンやデータのエントロピーを分析することでランサムウェアからの攻撃を認識、1分以内に異常を検知・通知します。さらに、量子耐性の暗号技術を採用しており、将来的な量子コンピュータによる攻撃にも備えています。

5. 圧倒的なパフォーマンスと電力効率

  • 50μs以下の低レイテンシ
  • 最大100GB/sの帯域幅、2.4M IOPS
  • 電力効率30%向上 これらの特性により、AIや分析、サイバー・レジリエンス環境など、高速なアクセスが求められるTier-0の要求にも応える性能を発揮します。

📈 FCM4がもたらすビジネス価値

FCM4は単なるストレージではなく、データ処理・保護・効率化を統合したプラットフォームです。高い有効容量と耐久性により、TBあたりのTCO(総所有コスト)を大幅に削減AIやセキュリティを重視する企業にとって、次世代ストレージの選択肢となるでしょう。


📝 まとめ

IBM FlashCore Module 4は、ストレージの常識を覆す革新技術の集合体です。もし、AIやデータ分析、セキュリティ強化を重視するなら、FCM4はその基盤として最適な選択肢です。

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