転載者注:以下の内容はWAS Fullプロファイル/WAS Traditionalランタイムについての情報です。
オリジナル文章公開日:2012年4月5日
WAS、IHSサーバーの運用・管理を行っていると、WAS、IHSサーバーのホスト名の変更が必要になるケースがあります。
例えば、リカバリー等のために別のホスト上にノードを移動する、といったケースに直面した場合、WAS、IHSサーバーのホスト名の変更が必要となります。WAS、IHSではホスト名を変更するツールが提供されていますので、ホスト名の変更手順、および、ホスト名変更に伴い必要な設定変更についてご紹介します。
1. WAS、IHSのホスト名変更
1a. wsadminの起動
WAS、IHSのホスト名の変更にはwsadminツールのAdminTaskオブジェクトのchangeHostNameコマンドを使用します。wsadminツールを使用するため、DM環境の場合、デプロイメント・マネージャー・プロファイルのbinディレクトリーに移動します。たとえば、デプロイメント・マネジャー・プロファイルの名前がDmgr01の場合は次の通りです。
>cd <profile_root>/Dmgr01/bin
また、BASE環境の場合、下のbinディレクトリーに移動します。
>cd <WAS_root>/bin
次にwsadminを起動するため、以下のコマンドを入力します。(wsadminにはJythonとJaclの二つのスクリプト言語を使用できます。本資料ではJythonを使用した手順を紹介します。)
>wsadmin -lang jython -userName user_name -password password
user_name password にはそれぞれ管理コンソールに設定しているユーザー名、パスワードを入力します。
1b. ホスト名変更
wsadminが起動したら、AdminTaskオブジェクトのchangeHostNameコマンドを実行します。
>AdminTask.changeHostName(‘-hostName new_host_name
–nodeName node_name –systemName system_name’)
>AdminConfig.save()
new_host_nameに変更後のホスト名を、node_nameにホスト名を変更するノード名を入力します。「’’」が表示されればコマンドは正常に実行されていますので、続いて構成情報を保存します。コマンドは以上の通りとなります。(systemNameパラメーターにはこのノードが稼動するz/OSのシステム名となります。z/OSの場合のみ入力が必要となります。)
2. WASサーバーの構成の同期化(ND環境にてWASサーバーのホスト名を変更した場合のみ実施)
ND環境ではデプロイメント・マネージャー(DM)が全体の構成を保持し、DM以外のノードは、自ノードの情報のみを保持します。このため、構成を変更する際には、DMにあるマスター情報を変更してから、各ノード上にあるコピーの情報に変更を反映する必要があります。
この反映作業を同期化と呼びます。同期化には、管理コンソールでの同期化、wsadminでの同期化、syncNodeコマンドでの同期化と3つの方法がありますが、本手順ではwsadminの同期化についてご紹介いたします。
wsadminの同期化はAdminControlオブジェクトのinvokeコマンドを使用します。invokeコマンドを実行する際は、同期先のノードを指定する必要がありますが、ノード指定の際には管理コンソール等で表示されるノード名は使用できず、オブジェクト名を呼ばれる値を取得する必要があります。
オブジェクト名はAdminControlオブジェクトのcompleteObjectNameコマンドで取得できます。ホスト名を変更したノードがmyNodeNameの場合、同期化は以下のコマンドで実行できます。同期が正常に終了すると「true」が返されます。
>Sync1=AdminControl.completeObjectName(‘type=NodeSync,node=myNodeName,*’)
>AdminControl.invoke(Sync1,’sync’)
3. IHS構成情報の変更(IHSのホスト名を変更した場合のみ実施)
IHSについてホスト名変更によって、設定の変更が必要な場合があります。httpd.conf、さらにWASサーバーとIHSサーバーが別ホスト上にあるリモート構成の場合にはadmin.confについて、ServerName、BindAddress、VirtualHostなどホスト名を値として設定しているディレクティブが存在する場合には、ホスト名の変更が必要となります。
httpd.confファイルは<IHS_root>/confディレクトリーの下にあります。
また、SSLを使用している場合、IHSのホスト名が変更されると鍵を再取得する必要があります。
4. Webサーバー・プラグイン構成情報の変更(WASのホスト名を変更した場合のみ実施)
WASのホスト名を変更した場合、Webサーバー・プラグインについても設定の変更が必要です。
plugin-cfg.xmlにてTransport、Virtualhostなど接続するWASサーバーをホスト名で指定するディレクティブが存在する場合には、ホスト名の変更が必要となります。
変更の一つの方法としてplugin-cfg.xmlファイルを直接編集することになります。plugin-cfg.xmlファイルはWASサーバーとIHSサーバーが同一ホスト上にあるローカル構成の場合、デフォルトでは<PROFILE_ROOT>/config/cells/<cell_name>/nodes/<node_name>/servers/<web_server_name>下に、WASサーバーとIHSサーバーが別ホスト上にあるリモート構成の場合、デフォルトでは <PLUGIN_ROOT>/config/<web_server_name>ディレクトリー下にあります。
また、以前にplugin-cfg.xmlファイルを手動でカスタマイズしておらず、ファイルを独自のディレクトリーに移動したりしていなければ、管理コンソールより設定を変更することもできます。
「サーバー」->「Webサーバー」をクリックします。関連するWebサーバー名のチェックボックスをチェック後、「プラグインの生成」->「プラグインの伝搬」をクリックすることで設定を変更します。
ご紹介する手順は以上です。
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