前号では「企業経営を支えるITソリューション」を特集しましたが、その論点の中心は他社で開発・運用しているビジネス・プロセスやモジュールを必要に応じてネットワークから取り出して利用するIT(Information Technology:情報技術)戦略としてのe-ビジネス・オンデマンドと、その延長線上にある経営戦略としてのオンデマンド経営でした。今号はそのパート2に位置付けられるもので、IBMの考えるオンデマンド経営の意味をさらに詳しく、より具体的に探っています。グローバル化の大きな流れの中で、オンデマンドの対象は今や個々のビジネス・プロセスを超えて、新事業の展開や提携パートナーの選択にまで広がっていることがお分かりいただけると思います。このような趣旨に沿って[マネジメント最前線]では、「オンデマンド経営を支えるビジネス・コラボレーション」という新しい経営の考え方をご提示し、併せて「製造業におけるオンデマンド経営」と題し、IBMが製造業のお客様に資する諸施策やサービスをご紹介しています。[お客様事例]では、グローバル化に対応した自動車会社における新部品表システムの構築と、オンデマンド時代の一翼を担うASP(Application Service Provider)の対応を取り上げています。「プロフェッショナル論文」では、オンデマンド経営時代を可能にしたさまざまなITの進化の現状と課題にスポットを当てています。
2004年2月 PROVISION 40号