近年、e-ビジネスにおけるB to B(Business to Business)やB to C(Business to Consumer)に加えてB to E(Business to Employee)の分野が注目され、関連用語として「企業内ポータル」や「e-ワークプレース」の名が耳目を集めることが多くなっています。これらはイントラネット上にポータル(玄関)・サイトを設け、一つのサイトに接続するだけで従業員が仕事に必要なあらゆる情報をアクセスできるようにするもので、これにより従業員は勤務時間と勤務場所の制約から解放されることになります。IBMでは、このような従業員向けのe-ビジネス技術とテクニックの利用形態を統合し、「ダイナミック・ワークプレース」(Dynamic Workplaces™ )という名前で、企業の業務改革を促し、生産性を向上させるソリューションとして積極的にご提案することになりました。ダイナミック・ワークプレースの推進は経営戦略や人材育成戦略にかかわり、その構成要素もネット会議や従業員が情報交換するフォーラム、経費の電子精算、電子調達、ナレッジ・マネジメント、e-ラーニングなど、多岐にわたります。本号の「マネジメント最前線」では、このダイナミック・ワークプレースの特集号として、そのコンセ プトが誕生した背景から、IBMのイントラネットの実態、インフラストラクチャーと要素技術、サービス・ビジネスとしてのダイナミック・ワークプレースまでを探っています。論文は、ダイナミック・ワークプレースの各構成要素について、開発現場での実務に沿ってのより精緻な研究結果を所載しています。先進的な企業事例と併せてご参考にしてください。
2002年10月 PROVISION 35号