1990年代からスタートした商用インターネットは、人の働き方、ビジネス、そして社会全体を大きく変革しました。一方2010年を過ぎたころから、「モノのインターネット」(IoT:Internet of Things)という言葉が徐々に新聞・雑誌・メディアなどで取り上げられるようになり、今日ではこの言葉を目にしない日はないという状況になっています。この背景にあるのはその市場規模の大きさです。米IDC社では、2020年におけるIoTの予想市場規模は8兆9000億ドル(約900兆円)と予測しており、他の調査会社も市場規模の違いはあるものの相当数の予測を立てています。PROVISION84号では、IoTに取り組んでいる先進的なお客様事例や、海外動向を視野にいれたIoTに対する日本政府の方針をご紹介します。また、IoTを実現させるためのIBMのソフトウェア技術やソリューション技術の解説、インダストリーごとの特色、さらにIoTの議論に必ずといってよいほど話題になるセキュリティーの考慮点についても触れていきます。今号が製造立国日本およびIoTの取り組みを計画されているお客様にとって一助となれば幸いです。
2015年2月 PROVISION 84号 コンテンツ・リーダー 山本 宏