コンピューターが思考し、人と自然に対話する。そんなシーンは、これまで多くの映像や小説の中に登場してきました。ある意味それは、人が未来を思うときに夢見るものだったのかもしれません。今、コグニティブ・コンピューティングの時代を迎え、それらは次第に現実のものとなってきています。人生にはいくつかのターニング・ポイントがあるといいますが、コンピューターの歴史にとって、今がまさにその一つだと言っても過言ではないでしょう。今号では、IBM Researchが取り組むコグニティブ・コンピューティング技術を中心に、社会や人の生活へのインパクト、その可能性をさまざまな観点から展望していきます。Watsonの登場で再び盛り上がりをみせる人工知能(AI)についても、過去から現在までを振り返りながら未来について考察します。「人は未知なるものにロマンを見る」―コグニティブ・コンピューティングは、世界をもっとクリエイティブにしていきます。今号に凝縮されたIBMとコグニティブ・コンピューティングが拓いていく未来と可能性にロマンを感じていただければ幸いです。
2014年10月 PROVISION 83号 コンテンツ・リーダー 髙橋 志津