cosmos day 2025 開催報告
2025年10月31日(金)、cosmos dayが「Own your Path, Shape the Future」をテーマに開催されました。cosmos dayとしては初の外部会場となるTKPガーデンシティPREMIUM東京駅日本橋 をオンサイト会場として、Teamsでの配信を実施し、ハイブリッド形式で行われました。外部の企業・団体様27社も加わり、総勢260名を超える方にご参加いただきました。
第一部では、日本IBM、キンドリルジャパン、レッドハットの3社の社長が揃って会場に足を運び、技術者の背中を押す力強いメッセージをくださいました。20周年記念企画では、会社を跨るフェローコミュニティー「友技の会」のメンバー4名によるパネルディスカッションを実施しました。異なる業界・企業で活躍するフェローの皆様から、技術者としてのキャリアやフェローに就任してからの視点についてお話しいただきました。フェローの皆様の、キャリアの赤裸々なお話に会場も大変盛り上がりました。
第二部ではIBM最高技術責任者 森本さんより、AI・量子コンピューターを含む未来の技術動向についてお話をいただきました。参加型ワークショップ「人生すごろく 技術者編」では、各テーブルですごろくを囲んで社内・社外を問わず多くの交流が生まれました。会場のあちこちで笑い声と盛り上がりが溢れ、技術者としての様々な経験を共有し合う温かな時間となりました。
今年も多くの方にご参加いただき、活気ある時間を共有できました。
来年も多くの方のご参加をお待ちしております。


<報告目次>
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cosmos リーダー・メッセージ IBMフェロー 倉島菜つ美さん
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cosmos オーナー・メッセージ 日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長 山口明夫さん
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Executive Sponsorメッセージ キンドリルジャパン株式会社 代表取締役社長 ジョナサン・イングラムさん
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Executive Sponsorメッセージ レッドハット代表取締役社長 三浦 美穂さん
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パネルディスカッション「友技の会」より 今岡 仁様、江連 智暢様、北角 俊実様、倉島 菜つ美さん
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Technical Leaderメッセージ 日本IBM取締役副社長 CTO 森本 典繁さん
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ワークショップ
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cosmosいまどこ? - cosmos発の共創アプリ紹介
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外部会場での開催振り返り
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cosmos day 2025 を終えて (リーダー・アドバイザーより)

cosmos リーダー・メッセージ IBMフェロー 倉島菜つ美さん
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cosmosのパーパス「女性技術者が生涯を通じて自分らしく輝ける社会を築き、より良い未来を作る」を改めて共有し、これまでの活動を振り返りながら、日本の女性技術者の現状にも触れました。IT業界における女性比率はまだ20%未満、OECD加盟国で最下位という厳しい現実があります。しかし、技術系女性の仕事満足度が比較的高いというポジティブなデータも紹介され、コミュニティーの存在意義を再確認する時間となりました。
さらに、cosmosの歴史や最近の活動を紹介。中高生向けの技術体験イベント、国際女性デーの取り組み、そして40社以上に広がるパートナーシップなど、コミュニティーの輪が確実に広がっていることが伝わりました。
また、今回初の試みとなった、旭化成エレクトロニクス様との協働による「cosmosいまどこ?」アプリ開発プロジェクトについてご紹介いただきました。イベント準備の現場で「誰がどこにいるか」を可視化する仕組みを短期間で実装し、コミュニティーの技術力と連携力を示す好例となりました。
最後に、次期リーダー田端さん、箱嶋さんへのバトンタッチが発表され、cosmosの未来への期待が高まるセッションでした。
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<アンケートコメント>
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これまでの cosmos の活動の振り返りの中で、トップのコミットメントが重要というお話に共感しました。また、cosmos いまどこ?の実証エピソードも大変興味深かったです。
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女性技術者という立場(主に女性という立場)に着目した交流だけでなく、技術的な共創も実施されているとのことで興味を持ちました。
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cosmos のイベントに参加するのが初めてだったため、Cosmos の歴史の長さと、団体としての活動が企業文化として根付いている姿に非常に感銘を受けました。
cosmos オーナー・メッセージ 日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長 山口明夫 さん
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冒頭では、cosmos20周年への祝福と、倉島さんへの感謝をお伝えされました。
日本社会におけるジェンダーの固定観念が少しずつ崩れつつあることに触れ、「女性・男性という区分がなくなる未来を実現したい」と強調しました。
さらに、技術の進歩がもたらす可能性について、自動運転や量子コンピューターの最新事例を交えながら紹介。「AIや量子技術の進化により、孤独や病気、環境問題などの社会課題を解決できる時代が近づいている」と語り、技術を活用して人々の生活や地球環境をより良くすることがIBMの使命であると力強くメッセージを送りました。
最後に、「このコミュニティーを大切にしながら、皆さんと一緒に新しい世界をつくっていきたい」と呼びかけ、未来への期待を込めたセッションとなりました。
山口さん、ありがとうございました。
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<アンケートコメント>
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技術力で未だ増え続ける世の中の課題を解決できるはずという力強いお言葉が印象的でした。
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Top から、本活動を非常に重要視しており会社としてコミットしていることが伺えました。女性、男性という区分のない世界になってほしいという思いに共感しました。
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技術者の必要性や女性の活躍がいかに期待されるかを考えさせられ、人材教育の観点からも大変良い刺激をいただきました。
Executive Sponsorメッセージ キンドリルジャパン株式会社 代表取締役社長 ジョナサン・イングラムさん
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「個人の成長やキャリアの進展は自分の責任である」というお考えから、今年のキーメッセージである「Own Your Path, Shape the Future」が心に響いたとお話しされていました。
キャリアを前進させていくために、技術的な専門性を持つこと、前向きにチャレンジに挑むこと、お客様や同僚との長期的な人間関係を保つことの3点を折に触れて見直すことの重要性についてお話をいただきました。
ジョナサンさんご自身も、キャリアの駆け出しの頃に研鑽し培った技術力が土台となり、後にお客様や各社のCIOを会話し関係を構築する上での自信になったことや、現在も技術的な研鑽を続けており、欧州時代にはクラウドやAIの技術を身につけた経験をお話しいただきました。
またそうしたお客様とのコミュニケーションだけでなく、ビジネスパートナーなど様々なひととプロフェッショナルな関係を気づくことが重要であり、cosmosのようなコミュニティー、女性技術者の力が未来に大きな力を与えると信じている、と力強いメッセージをいただきました。
ジョナサンさん、ありがとうございました。
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<アンケートコメント>
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技術職としてのキャリアアップについて系統立ててお話を聞いたのは初めてでした。しかも、コンパクトで分かりやすく、ものすごく肚落ちしました。
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わかりやすい英語でお話ししてくれて有難かったです。ベースの技術があって、さらにキャリアアップしていくには意欲やコミュニケーションが大事ということ、心に響きました。
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個人の成長とキャリアは個人の責任。というお話しが印象的でした。会社は機会を提供する。その環境を活用して、自ら意欲的に成長していくことが重要という内容だったのではないかと受け取りました。
Executive Sponsorメッセージ レッドハット株式会社 代表取締役社長 三浦美穂さん
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レッドハットはコミュニティー活動に馴染みが深い企業文化ではあるものの、女性技術者の人数はまだ少なく、それであればIBMと一緒に活動するのがよいだろうという経緯で、昨年からcosmosに参加しています。
三浦さんご自身はIBMで技術者としてキャリアをスタートされ、その頃はキャリアアップしていけばいずれはDEやフェローになり、最後まで技術者として走り抜けるつもりでいたとのことです。しかし、育児や介護などのライフイベントに伴って、たびたび希望も想定もしていない仕事を経験することになり、当初思い描いていたものとは全く異なるキャリアになりました。
ただ、今となって考えるとそれらの仕事を経験できてよかったと思えるし、今の仕事が楽しいので、あまりキャリアを狭く考えないこと、なんでも「上手く」やろうと思わないことが大事だとお話しいただきました。
助けてくれる人はどこにでもいるので、助けてもらいましょう。自分が幸せにならないと他を守ることができないので、とご自身の体験談を交えて説得力のあるお話をいただきました。
三浦さん、ありがとうございました。
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<アンケートコメント>
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自分も同じようにエンジニアのセンスは無いと言われて、開発でも別の領域に踏み出したが、自分としてもそれで良かったという同じ思いを感じている方がいて、勇気をもらえました。
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自分が優先したい事項は年代によって変わり、その時その時の大切にしていることを見失わないように、という言葉に心を打たれました。直近そのようなことで悩むことがあったので、この考えを大切にしていこうと思いました。
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育児も仕事も中途半端で今つらい状態なので、人生のその時のプライオリティによって、あれもこれも完璧じゃなくてもそれでいいんだよ、というメッセージが心にしみました。
cosmos 20 周年記念「友技の会」フェローによるパネルディスカッション
20周年記念企画として、会社を跨るフェローコミュニティー「友技の会」のメンバー4名によるパネルディスカッションを実施しました。
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NEC フェロー 今岡 仁 様
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資生堂みらい開発研究所 フェロー 江連 智暢 様
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TOTO フェロー 北角 俊実 様
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IBM フェロー 倉島菜つ美 さん
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「友技の会」はNECフェローの今岡様が発起人となり、今年発足しました。「日本の技術者たちを元気にしよう」を合言葉に、企業に所属するフェローたちが企業をまたがって集まるコミュニティーとして活動しています。
パネルディスカッションに登壇いただいた四名のフェローの方から、ご自身の技術分野やフェローになった経緯などをご紹介いただいたほか、ファシリテーターの田端さんや箱嶋さんからはフェローになれてよかったか? など突っ込んだ内容の質問にもフランクにお答えいただき、最後に参加者へのメッセージをそれぞれいただきました。
フェローになることのメリットについては、社内外に話が通りやすくなったり、今まで見えなかったものが見えてくるといった点を挙げていただきました。一方で、社会的な位置付けなどを踏まえて発信する責任も生じるとのことです。
フェローの皆様は溌剌として、お仕事の内容も楽しそうにお話しされるのが印象的でした。参加者のみなさんも大いに刺激を受けられたのではないかと思います。
今岡様、江連様、北角様、倉島さん、ありがとうございました。
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<アンケートコメント>
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4 名のフェローの経験談や考えなどとても面白く、そしてフェローとしての横の連携が強く、今後さらに広げていこうとしているその姿勢がとても印象的でした。
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錚々たる皆様のお話を伺う貴重な経験でした。
私自身「これがやりたい!」と思って理系を選択したのではなく、何となく周りに勧められたから・・という理由だったことが気になっていました。江連さんも同じような進路の決め方だったと伺い、その中で現在の立場にまで登り詰めてやりたいことを見つけられたというお話に勇気付けられました。
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皆さん総じてフェローになりたくてなったわけではなく、目の前にある課題ややりたいことを一生けん命やった結果として役職が着いてきた、という流れが共通しており面白かった
Technical Leaderメッセージ 日本IBM取締役副社長 CTO 森本 典繁さん
森本さんにはビデオメッセージを寄せていただきました。
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コンピューターの進化とAI時代の課題、そして未来への展望についてお話しいただきました。
昨今、処理データや計算需要が急増する中、電力消費の深刻化が指摘されており、2050年には日本の総発電量の40%超がITに使われる可能性も示されました。
これに対応するため、IBMは半導体、AIチップ、量子コンピューターの3軸で研究を進めており、効率的な計算基盤を構築する戦略についてご説明いただきました。
特に、AIの進化を支えるハードウェアの重要性と、消費電力を桁違いに削減する新しいアーキテクチャーの必要性が強調されました。
さらに、オムロン創業者の立石一真氏の「最適化社会」から「自然社会」へのSINIC(サイニック)理論を引用し、人間の脳のように省エネ化することの必要性や環境負荷低減を目指すべきだと提示されました。これは単なる技術革新ではなく、社会課題の解決に直結する挑戦であると語られました。
最後に、AIが進化した今だからこそ、AIに依存せず自ら考え、探求心を持ち続けることが未来を創る鍵であると力強いメッセージをいただきました。
森本さん、メッセージをありがとうございました。
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<アンケートコメント>
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技術者として先を見る視座を提供していただきました。もっと知りたい、を喚起するメッセージでした。
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SINIC 理論に沿って、これからの時代は自然社会になるとのお話が非常に興味深かった。自然社会になっていくために多様性がいかに重要かを繋げて考えていきたいと思いました。
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森本さんのメッセージは、いつも興味深く、考えさせられます。ありがとうございました!
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技術がどのように移り変わっていくのかという大きな視点からのお話は、今後の技術的な発展が楽しみになりましたし、自分も何かしらで関われたらいいなと思いました。
ワークショップ: 人生すごろく 技術者編
参加型ワークショップ「人生すごろく 〜技術者編〜」では、参加者がすごろくゲームを楽しみながら、会話に華を咲かせました。
技術者の人生を模したすごろく盤のマスには、技術者が直面しがちな嬉しいこと・悩ましいことが登場し、内容に応じたトークテーマが指定されています。
参加者はサイコロを振って、出た目の数だけ進み、停まったマスに書かれたテーマに沿って参加者同士でトークを楽しみます。当日は70名以上の参加者が4~6名のグループに分かれてすごろくを行い、その後、会場全体でふりかえり会を開きました。
一番盛り上がったマスやそこでどんな話をしたかを発表いただいたり、エグゼクティブからアドバイスをいただいたり、充実した情報共有の時間となりました。
ワークショップの要となる人生すごろく盤は、自分たちで手作りしました。一口に技術者といっても、領域は様々です。
性別も女性だけに限りません。子育てに奮闘している方もいれば、そうでない方もいます。管理職の道を選ぶ方もいれば、専門性を極める方もいます。会話の呼び水とするには、具体的で分かりやすいエピソードやトークテーマが望まれますが、具体化が過ぎると立場の異なる方は疎外感を覚えるかも知れません。
ある特定の人生を「正解」「普通」と決めつけることなく、多様な参加者が自分事として共通のトピックで盛り上がれるすごろく盤を目指しました。そのために、cosmosメンバーから体験談を募集し、多くの技術者に共通する体験からエッセンスを抽出して、納得のいくまで相談しながらマスを1つ1つ作っていきました。デザイナーが仕上げた素敵な盤面もワークショップに花を添えてくれました。
おかげさまで「人生すごろく 〜技術者編〜」は多くの参加者の共感と会話を呼ぶことができました。すごろくをきっかけに初対面同士で短い時間でも沢山の情報交換ができた、自組織でも開催したい、といった声を多数いただき、大変嬉しく存じます。
<「人生すごろく 〜技術者編〜」すごろく盤について>
すごろく盤を公開しました。ダウンロードして自由にご利用いただけます。
https://community.ibm.com/community/user/japan/viewdocument/cosmos
「人生すごろく 〜技術者編〜」は、日本アイ・ビー・エム株式会社のJWC(Japan Women’s Counsil)のワークショップ「人生すごろく」にヒントを得て、技術者向けに内容をアレンジしたものです。
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<ワークショップ満足度>

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<アンケートコメント>
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時間配分や、マスに止まって会話する内容のバランスが良く、完成度の高いワークショップだと感動しました。チームは初対面の方々ばかりでしたが、想像以上に盛り上がりながら意見交換することができました。
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様々な企業がおり、また年代もバランスよく構成されていた。共感できる意見、大変参考になる意見の両方を伺うことができた。
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すごろくで当たったテーマについて話し合うことで、ただのディスカッションよりも楽しくできた。参考になる話がたくさん聞けた。
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管理職?専門職?のところで話が盛り上がり、その中でも、管理職に対するネガティブキャンペーンはどの会社においても課題だと感じました。
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ワークショップ時には、オンサイト会場参加者限定でcosmosロゴマーク入りノベルティも配られました。
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cosmosいまどこ? - cosmos発の共創アプリ紹介
イベント準備中に「あの人、今どこ?」と人探しに困ったことはありませんか?その困りごとをテクノロジーでスマートに解決するのが、”cosmosいまどこ?”アプリです。
このアプリは、BLEタグを持つ個人やグループの居場所をマップ上で確認し、ボタン一つでSlack通知を送ることができる仕組みです。
cosmosコミュニティー発の企業間コラボレーションで実現した技術開発事例としてご紹介しました。
このアプリの誕生のきっかけは、cosmos partners企業である旭化成エレクトロニクス(AKM)様からBLEタグ技術をご紹介いただいたことでした。IBM Innovation Studioで実物を見ながら様々なアイデアを出し、その中の一つとして「イベント準備中にメンバーの所在が分からない」という実際の課題を解決するユースケースとして、実証実験がスタートしました。
開発はAKM様よりBLEタグの実物と関連技術のご協力をいただき、cosmos coreメンバーとサポートの有志メンバーによる合同チームで進行しました。各自の通常業務の合間を縫い、週1時間のWeb定例で機能アイデア出しや役割分担を行いながら、リモート中心で開発を進めました。限られた時間の中で、必要機能に絞り込み、Slack連携機能も実現しました。
短期間でより良いユーザー体験を検討するために、プロジェクト始動のタイミングでユーザーであるcosmos day運営メンバーにとって嬉しい機能や実運営の経験を踏まえたアイデアに加え、有志メンバーのアイデアも取り入れました。技術的な制約も考慮し、素早くあの人を見つける、呼び出すための直感的なUIデザインを完成させました。
UI実装では、Figmaデザインを基にCarbon Design Systemの原則を踏まえつつ、cosmosらしい柔らかい世界観を追求。生成AIを活用してUI設計の試行を高速化するなど、新しいアプローチにも挑戦しました。Slack連携では社内のITポリシーの対応に苦労しつつも、チーム内の有識者の支援で無事に連携を実現。通知方式も検討を重ね、最終的に@channelでのメンションを選択しました。
cosmos day 2025の準備期間中に、実際にこのアプリが運用されました。個人やグループを即座に呼び出せることで、広い会場や階の異なる控室でもスムーズに連携が取れ、「あの人、今どこ?」という課題をテクノロジーで解決することができました。実はアプリの裏側は、複数のAWSのマネージドサービスを統合・連携させた、マイクロサービスアーキテクチャーになっています。当日障害ゼロでの稼働も実現しました。
コミュニティー発の企業間のコラボレーションという新たな取り組みを手探りで始めましたが、有志としてプロジェクトに参加し、強力に開発を推進くださった松岡さんと遠藤さん、そしてSlack連携など技術支援の力山さんの力を合わせて実現に至ることができました。開発を通じて、テクノロジーで課題を解決することの楽しさを改めて実感しています。この機会を与えてくださった倉島さん、田端さん、素晴らしいBLEタグ技術をご紹介・連携くださったAKM 中元様、野村様、小林様、そして実証実験に協力くださったcosmos coreメンバーの皆様、本当にありがとうございました。(cosmos coreメンバー&cosmosいまどこ PM古屋 まとめ記)
外部会場での開催振り返り
今回、cosmos dayとして初めて外部会場での開催にチャレンジしました。TKP様の会議室を利用させていただいたことでニーズに合った規模・ロケーションで開催でき、cosmos運営メンバーによる会場設営や現状復旧といった力作業を大幅に削減することができました。予算を有効活用し、ノベルティ等の予算を確保することにも注力しました。
工夫したこと
TKP様から受領した会場レイアウト図面や什器・機材の情報を運営メンバーに事前共有・説明し、開催1ヶ月前の会場下見で確認するポイントを整理しました。また、会議室の利用時間を最小限に抑えるため、現地でのリハーサルは前日夕方のみに設定。その分、会場外でも実施できるシミュレーションや段階的なリハーサルを重ねて準備を進めました。
外部会場での開催では、自社開催時には意識することの少なかった施設・設備の安全性確認など、さまざまな項目をチェックする必要がありました。運営メンバーからは「より良いイベントにしたい」という思いから多くの質問・確認が寄せられました。それらを一覧に整理し、各担当メンバーと情報を共有。伝達漏れがないよう丁寧な確認を重ねました。
なお、リモート参加者への配信については、TKP様の配信サービスを利用せず、自らで行いました。
学びと成果
今回のcosmos dayは、これまで以上に予算を意識しながら進めたため、まさにプロジェクトマネジメントに近い貴重な経験となりました。また、開催後の請求書処理の社内手続きに関しても初めての対応で苦労しましたが、次回以降の担当者が同じ課題で困らないよう、手順や知見をアセットとして残すことができました。
度重なる質問にも快くご対応くださったTKPご担当者様、そしてリモート配信で多大なサポートをしてくださった野上さんに、心より感謝申し上げます。
cosmos day 2025 を終えて (リーダー・アドバイザーより)
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日本IBM IBMフェロー
前 cosmos リーダー
倉島 菜つ美さん
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cosmosが20周年を迎える記念すべき年のcosmos day 2025も、大きなトラブルなく盛況のうちに完了することができました。
今年は20周年記念企画として、会社横断フェローコミュニティー「友技の会」から3名のフェローの皆さまをお招きし、パネルディスカッションを開催いたしました。NEC、資生堂、TOTO、IBMと異なる業界・企業で活躍するフェローの皆さまから、技術者キャリアについて本音で語っていただく貴重な機会となりました。また、会場に足を運び、技術者の背中を押す力強いメッセージをくださったIBM、キンドリルジャパン、レッドハット各社の社長の皆さまに、心から感謝申し上げます。
今回はもう一つ、新しいチャレンジがありました。cosmos partnersの旭化成エレクトロニクス様とのコラボレーションで実現した「cosmosいまどこ?」アプリのお披露目です。同社からご提供いただいた居場所タグと技術情報をもとに、cosmos有志メンバーが短期間でMVPを開発しました。当日の運営でも大活躍し、企業を超えた共創の可能性を実感する機会となりました。
第二部の参加型ワークショップ「人生すごろく 技術者編」では、各テーブルで笑い声と盛り上がりが溢れる温かな時間となりました。技術者としての様々な経験を共有し合う参加者の皆さんの表情が、とても印象的でした。
20周年という節目の年に、これほど充実したイベントを開催できたのは、入念な準備と当日の臨機応変な対応で支えてくれたcosmos運営チームの皆さんのおかげです。coreメンバー、associateメンバーの皆さん、本当にお疲れ様でした!そして、ご参加いただいた全ての皆さまに、心から感謝申し上げます
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日本IBM 技術理事
cosmos リーダー
田端 真由美さん
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今回のcosmos dayも、多くのcosmosメンバー・cosmos partenersの皆様に参加いただき、無事終えることができました。人生すごろくを使ったワークショップでは、初対面や異業種のメンバー同士でも笑顔があふれ、大いに盛り上がりました。「Own Your Path, Shape the Future」というテーマのもと、各社社長や友技の会フェローの皆様からキャリアについての貴重なお話を伺い、自身のキャリアと向き合い、選択肢を広げるきっかけとなったのではと思います。パネルディスカッションをファシリテートさせていただきましたが、もっともっと聞きたいと私が思ってしまうほど、どのお話も示唆に富み、心にささるお話でした。また、cosmosパートナー協業企画「cosmos今どこ?」タグの開発など、community発の具体的な成果が生まれたことも嬉しい出来事でした。
外部会場での実施にあたり、準備に奔走してくれた(そして今も後処理に尽力してくれている)運営メンバーの皆さんに深く感謝します。 20周年を迎え新体制となったcosmosですが、これからもcosmosの輪を拡げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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日本IBM 技術理事
cosmos サブリーダー
箱嶋 未帆さん
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cosmos dayを終え、cosmosのサブリーダーの役割を引き継ぐことになりました。20年という長い年月をかけて連綿と続いてきた技術者コミュニティーの歴史の重みを感じるとともに、これまでcosmosを支え、導いてこられた多くの皆さまの力に心から敬意を表します。
さてcosmos dayでは、IBM、Kyndryl、Red Hatの3社のエグゼクティブ・スポンサーから、ご自身の経験を通じて語られたメッセージが心に響きました。社会における技術者の重要性、日々の研鑽がキャリアの土台となること、そしてキャリアチェンジを前向きに楽しむ姿勢。どれも技術者に勇気と前進する力を与えてくれたのではと思います。
「友技の会」パネルディスカッションでは、フェローの皆さんが飾らない言葉でキャリアの歩みや技術への情熱を語る姿に、参加者の皆さんも深い共感と学びを得られたのではないでしょうか。
人生すごろくのワークショップでは、テーブルごとに和気あいあいとした雰囲気で、時に真剣に耳を傾け合う参加者の姿が印象的でした。互いの経験を共有し認め合う時間を通じて、このコミュニティーが人をつなぎ、支え合う場であることを再認識しました。
20周年という節目のcosmos dayを盛況のうちに終え、改めてこのコミュニティーを継続・発展させていく責任の重さを感じています。これまで私自身がcosmosから多くの励ましとエネルギーをもらってきたように、今度もcosmosが技術者の皆さんにエールを送り、皆さんとともに、自分らしく輝ける社会を築いていけたらと思います。
これからもどうぞcosmosをよろしくお願いします。
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執筆:cosmos コアメンバー・アソシエイツ
野村有加・齊藤紫野・江川春奈
