はじめに
IBM Planning Analyticsは、ビジネスの計画、予算編成、予測、および分析プロセスを変革するための強力なツールであり、導入する際には提供形態を自由に選択することができます。現在IBM Planning Analyticsはオンプレミス、IBM Cloud、AWS、そしてCP4D版(Cloud Pak for Data)の4つの提供形態があります。それぞれの提供形態は、異なる特徴、メリット、そして適用シナリオを持っているため、企業の独自のニーズに応じて最適な選択をすることが可能です。この記事では、それぞれの提供形態がどのように異なり、どのような特徴を持っているのかを示すことを目的として執筆しました。
提供形態の概要
IBM Planning Analytics(IPA)はオンプレミス、IBM Cloud、AWS、そしてCP4D版(Cloud Pak for Data)の4つの提供形態がありますが、それぞれの形態のことをIBMでは下記のように分けて呼んでいます。
IBMが提供している資料では下記で示した表記で書かれているので、それぞれの記述方法がどの提供形態のことを指しているのかを整理して理解してください。
提供形態
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呼称/記述方法
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オンプレミス環境
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PAL(PA Localの略称)
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IBM Cloud環境
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PA on Cloud
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AWS環境
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PA aaS(PA as a Serviceの略称)
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Cloud Pak for Data環境
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CP4D版
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ここで各提供形態のシステム構成を確認します。
システム構成は以下の図ように構成されており、PALとPA on Cloudが同じシステム構成で、PA aaSとCP4D版は完全にコンテナ化されて同じシステム構成になっていることがわかります。
また、PA on CloudとPA aaSはシステム構成は異なりますが両方ともSaaSという点に注意してください。
続いては、各提供形態の特徴をまとめていきます。
PAL(PA Localの略でオンプレミス)
PALの提供形態は、オンプレミスとして顧客自身のデータセンター内にIBM Planning Analyticsを配置して運用や管理を行います。
これにより最大限のコントロールとカスタマイズが可能になるため、セキュリティやガバナンスのニーズが厳格な企業に適した選択肢となります。
PA on Cloud
IBM Cloud上で提供されるこのオプションは、インフラストラクチャの管理負担を軽減し必要に応じてリソースを迅速にスケールアップまたはダウンできるため、柔軟性とスケーラビリティを重視する企業に適しています。
先ほどのシステム構成の図で示したようにPA on CloudはPALと同じ構成であることから、従来のコンポーネントをサポートしており、システム構成で共通点が多くなっています。そのためPA aaSと比較するとPA on Cloudであれば、すでにPALで利用されている方がPA on Cloudに移行する際に簡単に移行できるという利点もあります。
PA aaS
AWS上での提供されるこのオプションはAWS の強力なクラウドエコシステム内でホストし、IBM によって管理されています。
こちらはAWSの広範なサービスとの統合やグローバルなインフラストラクチャを活用したい企業に適しています。
PA on Cloudと比較したときの利点としては、最新のコンポーネントでコンテナ化されていることで高可用性、拡張性、信頼性が実現されている点になります。
CP4D版
まずCP4Dとは何かというと、IBMが提供している生産性の向上と複雑さの削減のためのデータ分析、編成、および管理のための統合化ソフトウェアコンポーネントのモジュラーセットを指しています。このCP4D版はこのCP4D上で動作するIBM Pkanning Analyticsを意味しています。CP4D版を活用することでハイブリッド環境に分散したサイロ化されているデータを接続するデータファブリックを構築することができます。
IPAのCP4D版の提供オプションは、データの統合、管理、分析を一元化したい企業向けに用意されており、セキュリティやガバナンスを活用した洞察のニーズが高い企業に最適な選択肢となります。
まとめ
IBM Planning Analyticsの提供形態には、それぞれ独自のメリットと特徴があります。こちらの記事で紹介させていただいた選択肢としてPAL、PA on Cloud、PA aaSそしてCP4D版(Cloud Pak for Data)は、異なるビジネスニーズと要件に応えるために設計されています。ぜひこれらのオプションを評価し、自社の目標、インフラストラクチャの要件、セキュリティの要求、そしてコスト管理の観点から最適な選択をしてください