注意事項
注1. 記載の情報で、特にサポート期限については、2025年11月19日時点の情報を反映しており、今後アップデートされる可能性があります。最新情報については、公式の Web サイトで確認する必要がある点、ご留意ください。
注2. 本記事では、”WebSphere Liberty” と “Liberty” という用語について、下記の通り、使い分けます。
WebSphere Liberty: 製品版についてのみ当てはまる内容について記載する場合
Liberty: 製品版とオープンソース版に共通する内容について記載する場合
1. はじめに
WebSphere Liberty の利用にあたっては、Liberty のバージョンアップや Java のサポートライフサイクルに関する正しい理解が必要です。
本記事では、 「WebSphere Liberty のサポートライフサイクルポリシー」、「Liberty のバージョンと Java のバージョンの互換性」、「Java 8 のサポートライフサイクル」をカバーします。
本記事の執筆者は、日本IBM / テクノロジー事業本部 / オートメーション・プラットフォーム事業部 / オートメーション・テクニカル・セールスの緑川です。
2. WebSphere Liberty のサポートライフサイクルポリシー
WebSphere Liberty は、継続的シングル・ストリーム・デリバリー (SSCD:Single Stream Continuous Delivery) というライフサイクル・ポリシーに従います。
Libertyには、メジャーバージョンという考え方がありません (こちらは、Single Stream に該当します) 。
単一のストリームが、継続して提供されます。新しいバージョンは、毎月・年12回、公開されます (こちらは、Continuous Delivery に該当します) 。
表1. WebSphere Liberty のバージョンに応じたサポートと iFixの期間
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全てのバージョン
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冒頭「18.」と末尾「.3」「.6」「.9」「.12」のバージョン
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サポート
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5年間
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5年間
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iFix(修正プログラム)
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24週間
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2年間
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セキュリティ脆弱性に関するiFix
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最新バージョン
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最新から2バージョン
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表2. Java (LTS) のバージョンとそれに対応する必要な Liberty の fix pack バージョン
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Java SE (LTS) のバージョン
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必要な Liberty の fix pack バージョン
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Java SE 8
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fix pack 8.5.5.5 以降 (8.5.5.5 を含む)
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Java SE 11
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Liberty fix pack 19.0.0.1 以降 (19.0.0.1 を含む)
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Java SE 17
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Liberty fix pack 21.0.0.10 以降 (21.0.0.10 を含む)
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Java SE 21
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Liberty fix pack 23.0.0.10 以降 (23.0.0.10 を含む)
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Java SE 25
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Liberty fix pack 25.0.0.10 以降 (25.0.0.10 を含む)
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Liberty のバージョンと Java バージョンの互換性に関して、下記記載事項に注意する必要があります。
まず、Liberty を利用していく期間について、どのようなタイミングで Java SE のバージョンを上げるかの計画が必要です。
また、同じ Java SE のバージョンで Liberty を利用し続けている期間も、Liberty の fix pack 適用に合わせて、Java SE も最新の修正を適用する必要があることに注意してください。
Liberty での Java SE 8 のサポートについて、Java SE 8 のサポートは、Liberty バージョン 28.0.0.12 (2028年12月) で終了予定です。
ただ、WebSphere Liberty では、SSCD のライフサイクルポリシーに従うため、2年間は iFix が提供されるので、2030年12月まで、WebSphere Liberty で Java SE 8 が利用可能です。
4. Java 8 のサポートライフサイクル
IBM SDK, Java Technology Edition, Version 8 は2030年12月31日 (詳細はこちら) までのサポートです。
WebSphere Libertyが従うプログラムである IBM Runtimes for Business でカバーしている IBM Semeru Runtimes と Eclipse Temurin のサポートに関しては、下記の通りです。
IBM Semeru Runtimes が 2030年12月31日 (詳細はこちら) 、
Eclipse Temurin が少なくとも 2030年12月 (詳細はこちら) までそれぞれサポートする予定です。
5. おわりに
本記事では、「WebSphere Liberty のサポートライフサイクルポリシー」、「Liberty のバージョンと Java のバージョンの互換性」、「Java 8 のサポートライフサイクル」について執筆しました。
Liberty が利用する Java SE についても、定期的に最新の修正にアップデートするようにしてください。
今後、推奨するアクションとして、Java 8 を利用している場合は、喫緊で移行する必要はありません。
しかしながら、Java SE 8 の Liberty におけるサポートは2028年12月で終了予定なので、どこかのタイミングで移行を検討して頂く必要があります。
IBM では、移行ツールも提供しているので、Liberty バージョンや Java バージョンの移行に際する負担を軽減できます。
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