こんにちは、日本IBM西戸です。
今回は、私を含むIBM社員有志で2020年から毎年開催しているイベント、 Women in Data Science Tokyo @ IBM 2025(WiDS Tokyo @ IBM 2025)の開催レポートをお届けします!
このイベントは、スタンフォード大学発のグローバルイニシアチブ「Women in Data Science(WiDS)」の一環として開催されており、性別を問わず誰でも参加できる、データサイエンスに関心のあるすべての人のためのイベントです。
2025年6月13日、IBM虎ノ門本社を会場に、オンラインとのハイブリッド形式で開催された今年のWiDS Tokyo @ IBMは、日本IBMテクノロジー事業本部の戸倉、加藤、宮崎、そして私・西戸の4名の女性がWiDSアンバサダーとして企画・運営を担当しました。また、当日は社内から募った有志の社員が会場オペレーションをサポートし、チーム一丸となって無事イベントを成功することができました。
セッション ダイジェスト
🔷OPENING KEYNOTE:
働く人が前向きに働ける職場作りを目指して ~ピープルアナリティクスの可能性
中村 友紀 氏
株式会社浜銀総合研究所 情報戦略コンサルティング部, 主任研究員 公認心理師
ピープルアナリティクスの可能性をテーマに、働き方改革とメンタルヘルスの関係性、エンゲージメントデータの活用について語りました。
「心理学部に在学している大学生ですが、データサイエンスの分野での働き方を具体的に知ることができ、勉強になりました」といった声や、「メンタル休職の未然防止だけでなく、部下が幸せに働ける上司の予測もできることが興味深い」とのコメントが寄せられ、データによる人事支援の可能性に多くの関心が集まりました。
🔷CAREER EXPERIENCE TALK:
働く人が前向きに働ける職場作りを目指して ~ピープルアナリティクスの可能性
濱名 早智 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業本部 AI Analytics, データサイエンティスト
このセッションでは自身のキャリアの紆余曲折や育児との両立、、スキルの習得、チームとの関係構築など、リアルな経験談が共有されました。
「育児もされている中で、他の方に頼れる関係性を築く努力をされているのだと感じました」「復帰された時のケアについて、実際に話を聞くとまだまだ上辺の知識だと痛感しました」など、共感と学びの声が多く寄せられました。
🔷AI LOGISTICS TALK:
AI×データ分析で物流業界の現場をカイゼン
平澤 園子 氏
パナソニックコネクト株式会社 技術研究開発本部 エンビジョニング, マネージャー
このセッションでは物流現場におけるAI活用の事例を紹介。人手不足や業務効率化といった課題に対し、現場視点でのアプローチが印象的でした。
「物流の裏にあるお話が聞けてとても面白かった」「ここまでのセッションで最も現場的な視点で興味深かった」との声があり、実務に直結する内容に多くの参加者が引き込まれていました。
🔷AI TECHNOLOGY TALK:
どんな文書でもわかりやすく、複雑な文書を解析する技術
鈴木 祥子 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 ナレッジインフラストラクチャー, スタッフ・リサーチ・サイエンティスト
このセッションでは特許文書や技術文書などの難解な文書をAIで解析する技術について解説。表形式データの認識の難しさや、実務での応用例などが紹介されました。
「文書解析の技術の説明がとてもわかりやすかった」「表の認識については私も課題と思って検証していました」など、実務での課題感と照らし合わせたコメントが多く、参加者の関心の高さがうかがえました。
🔷BEGINNER EXPERIENCE TALK:
文系出身だけどAIアプリ作ってみた! ~社内規程の質問、生成AIでお答えします~
桑森 なみ香 氏
オタフクホールディングス株式会社 IT推進部 システムデザイン課, 社内SE(システムエンジニア)
このセッションでは文系出身ながら生成AIを活用して社内アプリを開発した経験を紹介。もくもく会での学びや挑戦の姿勢に、多くの参加者が勇気づけられました。
「違う会社の若手でチームを組み、難題にも負けずに取り組んでいった経緯が臨場感あって楽しかった」「チャレンジしてみることの大切さを感じることができました」など、前向きなコメントが多数寄せられました。
🔷NEW DATA SCIENCE TALK:
ビジネス課題解決におけるデータサイエンスの探求 ~ 反実仮想機械学習 ~
坪山 春希 氏
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社 Data Science Lab. DX Center, データサイエンティスト
このセッションではでは、反実仮想機械学習(Counterfactual Machine Learning)という先進的なテーマを、ビジネス課題解決の視点から解説し、その応用可能性が紹介されました。
「価値創出、価値を実現することがゴールということに共感」「反実仮想は、打ち手に新しい選択肢をもたらす力がある」といった声があり、難解ながらも新しい視点を得られたという感想が多く見られました。
🔷CLOSING KEYNOTE:
正しいだけじゃ伝わらない! データ分析結果に信頼を得るための工夫
小牧 真子 氏
本田技研工業株式会社 データマネジメント部 ビジネスアナリティクス課, スタッフエンジニア
このセッションではでは、反実仮想機械学習(Counterfactual Machine Learning)という先進的なテーマを、ビジネス課題解決の視点から解説し、その応用可能性が紹介されました。
「価値創出、価値を実現することがゴールということに共感」「反実仮想は、打ち手に新しい選択肢をもたらす力がある」といった声があり、難解ながらも新しい視点を得られたという感想が多く見られました。
NETWORKING LUNCH:お昼も楽しく話しましょう!
ランチタイムは「NETWORKING LUNCH」として、参加可能なスピーカーの皆様がステージに上がり、WiDSアンバサダーの加藤典子の司会で、参加者同士の交流とちょっとしたアンケートで盛り上がりました。
今日のランチは何を食べましたか?」という問いには、「スタバのサンドウィッチ」「コンビニ弁当」「昨日阪神百貨店で買ったサラダ」など、バラエティ豊かな回答が集まりました。中でも「おにぎり🍙」は人気で、複数の方が挙げていました。やっぱり日本人の定番ですね!
また、「大阪万博に行きましたか?」という質問には、「行きました!」「行く予定です」「行ってみたい…」と、ちょうど4つの選択肢が均等に分かれる結果に。おすすめのパビリオンとしては「住友館」「イタリア館」「噂になっている虫を見てみたい」など、個性的なコメントが並びました。
さらに、「好きなお好み焼きは?」という質問では、「海鮮ミックス」「広島焼き」「豚×もちチーズ」「すじ焼き」など、食欲をそそる回答がずらり。中には「新橋にある『みっちゃん』がおすすめです」と、具体的なお店情報まで飛び出しました。
その他には「生成AIをどんなシーンで使っていますか?」という問いに、「メールの下書き」「動画制作」「美術館で絵画の解釈を聞く」「1on1の壁打ち」など、実生活に根ざした使い方が多数紹介されました。
食べながら、話しながら、学びながら。WiDS Tokyo @ IBMのランチタイムは、まさに“おいしい”時間でした。
アンケート結果と参加者の声
参加者の皆様に回答いただいたイベントアンケートの結果をご紹介します!
- イベント満足度:★3.9 / 4.0
- 運営満足度:★3.9 / 4.0
- 来年も参加したい:97%
参加者の皆さまから多くの温かいフィードバックありがとうざいました。
以下はいただいたコメントです:
このようなイベントを開催していただきありがとうございました!同じような課題や悩みを抱えている人がいることを知れて心強かったです。学んだ手法や考え方を仕事に活かしていきたいです。
女性特有の話題は少なかったかもしれませんが、会の雰囲気がとても良く、対立ではなく共感が生まれる空間だったと思います。
生成AIの進化により、データサイエンティストに求められるスキルも変化していくと感じました。近未来を見据えた議論も今後期待したいです。
数学の記号が難しかったけれど、反実仮想の話は興味深かったです。自分には難しいかもしれないけれど、興味を持ちそうな人に紹介したいと思いました。
どのセッションも学びがあり、印象に残ったセッションを1つ選ぶのが難しいほどでした。ネットワーキングも含めて貴重な機会になりました。
このイベントは毎回学びがあり、実際に取り組んでいる方々の言葉に説得力があります。また来年も楽しみにしています!
おわりに
WiDS Tokyo @ IBM 2025は、データサイエンスの専門性と人間らしさが交差する、学びと共感に満ちた1日でした。このイベントがデータ・サイエンスへの興味を深めたり、業務へのヒントになれば幸いです。 残念ながら参加できなかった方も、ぜひ資料や動画でイベントの雰囲気や内容をご確認いただければと思います。
公開資料・動画の一覧はこちら: https://ibm-developer.connpass.com/event/353343/presentation/
関連リンク
WiDSについて
"WiDS "として知られるWomen in Data Scienceイニシアチブは、2015年にスタンフォード大学で、この分野で卓越した仕事をしている優れた女性たちを集めた1日の技術会議で発足しました。その後すぐに、ボランティアのアンバサダーたちが、WiDSの傘下のコミュニティで同様のカンファレンスを開催し、WiDSを世界中に広めました。WiDSのコミュニティが成長するにつれ、WiDSは教育、革新、リーダーシップの通年プログラムを追加し、コミュニティのつながりを強化し、あらゆる場所で女性を支援、教育、インスパイアしています。