watsonx Orchestrate について
watsonx Orchestrate は、IBMが提供する業務自動化ソリューションで、AI エージェントを構築できるプラットフォームです。
現在は、AWS と IBM Cloud で提供されている SaaS 版とオンプレミス版があります。またSaaS版では、Essential と Standard という2つのプランがあり、Essential は低価格で使い始めやすい、Standard はより多機能で様々な業務シナリオに対応できるという違いがあります。
今回は、Essential と Standard で利用できる機能の違いについてご紹介します。
Essential と Standard の機能比較
Essential と Standard の機能の違いは以下の通りです。ほとんどの機能はどちらのプランでも利用できますが、プロジェクト(ワークフロー、ルールエンジン、生成AI、文書処理)の作成は Standard のみで利用できます。
機能 |
Essential |
Standard |
プリビルド・スキル |
〇 |
〇 |
カスタム・スキル |
〇 |
〇 |
スキル・フロー |
〇 |
〇 |
プロジェクト
(ワークフロー、ルールエンジン、生成AI、文書処理)
|
✕ |
〇 |
IBM RPA (付属ライセンス) |
〇 |
〇 |
AIアシスタント・ビルダー |
〇 |
〇 |
AIエージェントチャット |
〇 |
〇 |
プロジェクトは、簡潔に述べるとそれぞれ以下のような機能です。
ワークフロー:稟議や各種申請など、複数のユーザーが関わるプロセスを自動化できる機能。分岐や繰り返しも設定できるため、条件によって後続処理が変わるようなプロセスにも適している。
ルールエンジン:設定したルールや条件に基づいて、業務で行われる判断・意思決定を自動化できる機能。例えば、クレジットカードのローン審査の承認/却下を複合的な情報から判断する際に利用できる。
生成AI:生成AIにプロンプト(指示文)を与えて文書を生成する機能。プロンプトの作成、プロンプトに利用する変数やトークン数の設定、LLMの選択、トレーニングサンプルの追加などを行うことができる。
文書処理:業務のドキュメントを読み取り、文書の種別を分類したり、テキストや数値などを抽出したりできる機能。今まで手作業で行っていた書類の確認や、データのコピー&ペーストなどを自動化できる。
Essential と Standard の画面表示の違い
Essential と Standard は製品の画面表示に大きな違いはありませんが、プロジェクトの作成ができないため、スキルの作成に関する画面が異なります。
例えば、スキル・スタジオでスキルを作成する際、右上の「作成」ボタンを押すと、Standard では「プロジェクト、スキル・フロー、APIのインポート」のいずれかを選択できますが、Essential では「スキル・フロー と APIのインポート」のみが表示されます。
Standard のスキル作成画面
#watsonxorchestrate