IBM TechXchange Integration Group Japan

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【2025年4月24日】IBM Integration / WebSphere コミュニティMeet-up 開催報告(MQ分科会編)

By Hirohito Onda posted Thu May 01, 2025 09:23 PM

  

MQ分科会開催報告

2025年4月26日の午後に日本IBM虎ノ門本社にてTechXchangeのミートアップが開催されました。

イベントの全体像についてはこちらのブログで解説されています。

ここでは分科会の一つとしてMQに関心のあるお客様やビジネス・パートナー様にお集まりいただいて開催した「MQ基盤高度化ワークショップ」についての開催報告を行います。

ワークショップで使用した資料はこちらからダウンロードいただけます。

MQ分科会の概要

MQは一昨年に30周年を迎えた歴史の長い製品です。

30年以上にわたり、社会の最も信頼性が求められるITシステム(例えば銀行の入出金、金融商品の決済、航空券の座席予約、半導体工場の製造制御)においてその根幹を支えるシステム連携基盤として利用されてきました。多くの企業のシステム間の標準的な統合基盤としても活用されています。

一方でMQの基盤はシステムの重要性から新機能の活用や新しいテクノロジーを取り込むことなく単純な拡張とバージョンアップが繰り返されているケースが多いように思えます。

クラウド・コンピューティングの中ではREST APIが動機通信の標準として広く利用されるようになり、また、Apache Kafkaのようなイベント・ストリーミングの基盤も注目を集めています。システム統合の技術動向も大きく変化していく中でMQの基盤をより価値のあるものへと変革していくための方向性を後述します4つの切り口から議論しました。

1. MQ x Cloud

近年MQをお使いのお客様の相談で一番多いのがクラウド上でMQを稼働する際の構成についてです。MQをクラウドで稼働させる際の選択肢にはいくつかあり、最適な構成を選択する必要があります。

最適な構成を選択する上で特に重要な論点は以下の2点です。

A. IaaS上にリフト vs OpenShiftなどのコンテナ基盤上でにシフトするか

B. Availability Zoneを跨ぐ高可用性の必要性

コンテナにシフトすることも、複数AZ構成もそれぞれメリットが大きいですが特有の考慮事項もあります。

それらの考慮事項に触れながらMQをクラウド化する具体的な方法とそれらの比較について議論しました。

2. MQ x ACE

ACE(App Connect Enterprise) はREST APIやデータベース、多様なクラウド・サービスからメインフレームまで多種多様なアプリケーションや通信インターフェース同士を接続することができるIBMの戦略的なアプリケーション統合製品です。MQと同じIBMのHursley 研究所で開発されており、MQの上位製品に位置付けられます。そのため、MQの基盤を機能面で拡張するには最適なソリューションです。

MQネットワークに接続するためには基本的には何らかのプログラミング言語でMQのAPIを利用したアプリケーション開発が必要になりますが、ACEを利用するとMQネットワークをREST APIで公開したり、データベースの更新結果をMQネットワークに伝搬させたり、また、MQネットワークのメッセージをKafkaのトピックとして伝搬させるなど、既存のMQ基盤の可能性を大きく広げてくれます。

このセッションではACEを活用したMQ基盤の拡張について事例を交えて紹介しました。

3. MQ x Kafka

今多くの企業から注目を集めているもう一つの非同期メッセージングの製品がApache Kafkaです。特に金融系のお客様ではCQRS/Event SourcingをKafkaを活用して実現し、オンプレミスのデータをクラウド上で鮮度高く活用する事例が増えています。また、リアルタイムイベントを活用しながら応答性、ユーザー体験に優れたイベント駆動のアーキテクチャーにおいてもKafkaは中心的な役割を担うことが多いです。

MQをご利用のお客様からはKafkaとMQの違いや使い分けについても多く質問いただきます。

このセッションではKafkaとMQの特製の違いや実際のシステムにおける使い分け、MQとKafkaの連携シナリオなどについて紹介しました。

4. MQ x MFT

企業内のファイル転送はFTPやHULFTなど様々な方式が混在し、監査性や運用負荷に課題があることが多く見られます。MQの拡張機能であるMFT(Managed File Transfer)を利用することで、これらのファイル転送をMQネットワークに統合し、高信頼・高監査性のファイル転送を実現できます。

このセッションでは、MFTの仕組みと導入パターン、既存の転送方式からの移行方法、実際の企業における導入事例を紹介しました。

MQ分科会参加者の皆様の声

ここでは参加いただいたお客様・パートナー様の声の一部をご紹介します。

ACEとKafkaのテクノロジーや、MQならではのファイル転送技術のMFTについて知ることができ、有意義な時間となった。実際に自社システムに取り入れられるかの検討となれば、今回の分科会での内容を活かせればと思う。
MQの価値を改めてご説明いただけたと思います。従来の確実な伝送とデータの整合性保持は変わらず、多くの機能強化で新しいことができるようになっていることに驚きました。クラウドネイティブ+Secureの進化は、弊社のMQにおけるモダナイゼーションを考える上でも重要視される部分ですので、今後も良いご案内を頂ければと思います。ありがとうございました。
MQのクラウドリフト、シフトの考慮に際し、有用な情報を収取できました。
新しい分野の情報を理解しました。ありがとうございます。
MQ,ACE,Kafkaについて役割を理解できた。事例があることによってどういった課題に対しての解決を提案できるのかが特によく理解できた。
現役のprogramer時代を思い出しました!当時苦労したことが、ツールで実現できているようです。
お客様がレガシーなシステムで医用システムを展開されているので、お聞きしたMQのDBモニタリング機能などで付加価値のご提案ができると感じました。

今後もTechXchange CommunityではIBMのIntegrationに関するミートアップを開催していきますので、是非このコミュニティに参加登録いただき、ミーティングの案内を受け取れるよう通知設定をお願いいたします!

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