はじめに
Business Automation Workflow (BAW)は、もともと明確な順序や手順のあるプロセスを管理する Business Process Manager と、ドキュメント中心の非定型業務を管理する Case Manager が統合された製品であり、それぞれの機能を継承しています。

この統合により、ほとんどの作業パターンがBAW上で実現できるようになっています。

ここでは、BAW v25.0のケース・ソリューションにおいて、プロセスをアクティビティーとして利用する場合の設定方法についてご紹介します。

プロセスの編集は、Case Managerではステップ・デザイナーを使用していましたが、BAWでは新規のプロセスはについてはワークフロー・デザイナーを使用します。

現行のBAWにおいても、クラシックCase Builderから作成したケース・ソリューションであればステップ・デザイナーを使用できます。

文書エクスロプローラーの設定(Daeja Viewerの使用)
Case Managerのステップ・デザイナーで作成した場合と同様に、プロセスのユーザー・タスクでドキュメントを添付し、それをDaeja Viewerで参照できるようにする設定をします。
クライアント・サイド・ヒューマン・サービスのCoach編集画面において、コンテンツ・カテゴリーにある 文書エクスプローラー のコンポーネントをドラッグ&ドロップします。

文書エクスプローラーの 構成 タブの次の設定項目を有効にします。
- 拡張コンテンツ > 親ケース・フォルダーの表示
- 動作 > クリックされた文書を表示
- 動作 > カスタム・ビュー・イベントで有効にする

次に イベント タブを選択し、カスタム・ビューの場合 の展開ボタンをクリックします。

表示された編集画面に次のスクリプトを入力します。
var docObject = {};
var frameURL= null;
var zTaskId = null;
if(doc.id.includes("idd_")){
docObject.id = doc.id.split("_")[1];
}
frameURL=window.location.href;
if(frameURL.includes('zTaskId')){
windowURL= frameURL.split('&zTaskId=');
zTaskId= windowURL[1].split('&');
docObject.taskId = zTaskId[0];
}
docObject.taskAction = "documentClicked";
this.context.broadcastMessage (docObject);
このように設定して編集画面を閉じます。

以上で文書エクスプローラーの設定は完了です。
参考:
https://www.ibm.com/docs/en/baw/25.0.0?topic=toolkit-document-explorer
https://www.ibm.com/docs/en/baw/25.0.0?topic=api-document-explorer
Case Comments の設定
Case Managerと同様に、プロセス内でのユーザー・タスクとケース間で相互にコメントを共有する設定をします。
クライアント・サイド・ヒューマン・サービスのCoach編集画面において、ケース・カテゴリーにあるCase Comments のコンポーネントをドラッグ&ドロップします。

Case Comments に関しては追加の設定は不要です。
参考:
https://www.ibm.com/docs/en/baw/25.0.0?topic=toolkit-case-comments
実行時の文書エクスプローラーおよびCase Comments
文書エクスプローラーおよびCase Commentsが実行時にどのように表示されるかを説明します。
実行時、プロセスのユーザー・タスクにおいて文書エクスプローラーは次のように表示され、+マークから文書の追加でファイルをアップロードできます。

ファイルがアップロードされると、ファイルがリストされます。

ファイル名をクリックすると Case Client ビューアーでファイルが表示され、アノテーションが利用できます。
下の図では楕円形のアノテーションを利用しています。

実行時、プロセスのユーザー・タスクではCase Commentsは次のように表示され、コメントの追加 からコメントを入力できます。

ケース側では、ファイルやコメントは履歴や詳細で確認できます。


まとめ
BAWでは、ケース管理のプロセスとしてBPMの機能が利用できるようになっています。
これにより、Case Managerと同様の機能を維持したまま、Case Managerと比較してより柔軟なプロセスやユーザー・インターフェースの開発が可能になっています。