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IBM Turbonomic|TurbonomicのクラウドVMサスペンド機能まとめ

By Hinano Kawahori posted Wed August 06, 2025 09:53 PM

  

※本ブログは、こちら記事を転載したものです。

この記事でわかること

  • TurbonomicのクラウドVMサスペンド機能の概要
  • サスペンドアクションの条件と観察期間の設定方法
  • サスペンドのコスト削減効果と注意点
  • 停止かサイズ変更か、優先アクションタイプの選び方

1. クラウドVMサスペンド機能とは

クラウドVMサスペンド機能は、2025年7月v8.16.6でリリースされた新機能になります。
Turbonomicは、あまり使われていないクラウドVM(仮想マシン)を自動で検出し、 「一時停止(サスペンド)」を提案・実行することで、無駄なコンピューティング費用を削減します。

👉参考:クラウドVMのサスペンドアクション

2. 判定に使うリソース

以下3つのリソース使用率を一定期間分析します。

  • 仮想CPU
  • ネットワークスループット(通信量)
  • GPU使用率 (GPU インスタンスタイプを実行している AWS および Azure VM の場合)

3. アクション生成の条件と観察期間の設定

アクション生成の条件

3つのリソース(vCPU、ネットワークスループット、GPT使用率)で、極端に使用率が低い場合(設定された最大観測期間にわたってパーセンタイル使用率2%未満の場合)、 サスペンドアクションが生成されます。

観察期間の調整

設定項目 内容 デフォルト・推奨値
最大観察期間 過去のデータをどこまで見るか 30日(デフォルト)
他に7日・90日
最小観察期間 アクション出す前に最低限必要な期間 なし(デフォルト)
他に7日

⚠️ 最小観察期間を7日に設定すると、起動間もないVMはアクション対象外になります。(最低7日間のデータを集めて、はじめてアクションが生成されます。)


4. サスペンドのコスト削減効果

使われていないVMを一時停止すると、仮想マシンとしての課金は止まりますが、ストレージの課金は継続されます。

項目 状態 コストへの影響
コンピューティング料金(CPU、メモリ等) 停止中 課金なし(0円)
ストレージ料金(ディスク等) 継続利用 課金は継続

例:
1時間¥100のVMを停止すると、
100 × 730時間 = 約¥73,000/月の削減になります。

  • ストレージは停止されないため、不要なボリュームは手動で削除を検討してください。
  • Turbonomicは時間単位の料金を元に月単位の削減額を自動計算・表示します。

5. 停止かサイズ変更か?優先アクションタイプの選び方

Turbonomicは「停止(サスペンド)」か「サイズ変更(スケール)」のどちらを優先するか設定可能です。

VMの状態 優先アクションタイプ 実行されるアクション
コスト最安でないVM・使用率低 スケール(サイズ変更優先) スケールダウン(小さいVMに変更)
サスペンド(停止優先) サスペンド(一時停止)
既に最安VM・使用率低 スケール サスペンド(サイズ変更不可のため停止)
サスペンド サスペンド

選び方の目安

  • サイズ変更がOKなら「スケール」優先
  • 停止して再起動OKなら「サスペンド」優先

⚠️ 最安VMはサイズ変更できないため、どちらにしても停止(サスペンド)が提案されます。

まとめ

  • Turbonomicのサスペンド機能は使われていないVMを停止し、コンピューティングコストを削減 します。
  • 観察期間は最大・最小で調整可能、30日がデフォルトです。
  • ストレージ料金は停止しても継続課金されるため、不要なボリューム削除をご検討ください。
  • コスト削減方法は「停止」か「サイズ変更」を優先設定できます。
  • 最安VMはサイズ変更できないため、停止の提案になります。
  • 適切に設定することで、クラウド運用コストを効率的に抑えられます。
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