IBM TechXchange Data Science Japan

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【開催レポート】SPSS Modeler秋のユーザーイベント2024〜AIの最先端テクノロジーとSPSSの融合〜

By ASUKA SAITO posted Wed December 11, 2024 10:21 PM

  

20241127

みなさまこんにちは。IBMの斉藤明日香です。 

20241127日に雅叙園ホテル東京にてSPSS秋のユーザーイベントが開催されました。当日の様子をこのブログでレポートさせていただきます。

IBMはグローバルイベント THINKTechXchangeを開催しています。技術にフォーカスした後者の日本版というべきIBM TechXchange Japanイベント内に、今年もSPSSコミュニティのためのセッション枠を確保しての運びとなりました。

ブレイクアウトセッションが多数並び1000名が参加する大盛況にあってSPSSセッションは、お客様の参加人数、満足度で存在感を示し他のコミュニティからも注目されていました。

講演① ものづくり領域で活かされるSPSSの今とこれから-1

大規模データと故障予測

本田 智則
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 
環境社会評価研究チーム
主任研究員

ライトニングトーク形式で最初にご登壇されたのは産総研の本田先生でした。

ゼロエミッションを目的とした本田先生の研究では、天候・家庭での発電量・電力消費量など大規模データを取り扱います。電力スマートメータのデータは10億超レコードのサイズになるそうです。これら大規模データを分析するのにSPSS Modelerを日々活用されているとのことでした。大規模データ処理のパフォーマンスが良いだけでなく、試行錯誤しやすいこと、以前作った処理内容を把握でき再利用しやすいこと、がSPSS Modelerの価値とのことです。

IBM山下のデモで、SPSS Modelerが実際にSQL自動生成して大規模データを高速で処理するくだりと、先生の解説はとても迫力がありました。その処理スピードを聴講者の皆様にも実感いただけたと思います。

大規模時系列データの分析に必要なTipsは実践的な利用方法から生まれる生きた知恵であり、エンジニアとしてとても刺激を受けました。

先生は今後デジタルツインのデータ分析にもSPSSを活用される予定です。ぜひ、持続可能な社会のためにSPSSを役立ててください。

本田先生の資料はこちらから

https://speakerdeck.com/jpspss/20241127spssqiu-01-chan-zong-yan-ben-tian-xian-sheng-zi-liao

講演② ものづくり領域で活かされるSPSSの今とこれから-2

異常検知と自動化

堀 恵治
東日本旅客鉄道株式会社
鉄道事業本部 モビリティ・サービス部門
車両ユニット

ものづくり領域お二人目のご講演者は、JR東日本の堀様でした。

堀様は、先に登壇した本田先生を含めたSPSSユーザー数名で「実践! 異常検知と故障予測 IBM SPSS ModelerによるIoT時系列データ活用」を出版されており、今回も自身の執筆箇所から時系列IoTデータの特徴量抽出についてお話をされました。

IoTセンサーデータの取得によりコンディション・ベースのメンテナンスが可能になりましたが、時系列のIoTセンサーデータからは捉えたい事象に有効な「時間」に注目した特徴量をつくることが肝であること、実務担当者のみによる運用状態にまで落とし込むことで持続的なデータ活用がおこなわれることが大切であると教えてくださいました。

今後のお取り組みの展望に関しては、より効率的なストリーム開発に向けて、本田技研工業の小川様が昨年のご講演で示された生成AIModelerスクリプトを生成するアイデアを一歩進めて、RAGを利用したスクリプト生成のデモンストレーションをIBMの河田から行わせていただきました。

講演③ マーケティング領域で活かされるSPSS の今とこれから-1

顧客LTV 向上のためのマーケティング自動化

落合 翔太
株式会社イズミ
営業企画部
マーケティング課

ゆめタウンなどの大規模商業施設を西日本に展開するイズミの落合様がマーケティング領域のお一人目として登壇されました。

マーケティング自動化は、リピート促進などの商品軸や、誕生日案内などの属性起点が徐々に世の中に浸透していますが、お客様個別の来店頻度を考慮した離反防止施策をSPSSCADSで実現していると説明をされた時には会場のあちこちから感心の声が上がりました。

ID付きPOSデータで顧客行動を観察しイベントドリブンにご案内まで実現するには、統合データ基盤、アプリの連動、検証の枠組みなどが必要です。そしてそもそも顧客を理解するための幾つもの分析による裏付けが要求されるために顧客軸でマーケティングを自動化されている例を目の当たりにして私自身が興奮しました。

今後落合様は社内でCADSを利用したデータのタイムリーな現場への提供(Webブラウザによるデータの非定型抽出)を現在展開するご予定だとのこと。ちょうどIBM坂本が書いたこちらの記事を、デモを通じて聴講者の皆様に紹介させていただきました。

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/spssmodeler-push-node-20/

落合様の資料はこちらから

https://speakerdeck.com/jpspss/20241127spssqiu-03-izumi-luo-he-yang-zi-liao

講演④ マーケティング領域で活かされるSPSSの今とこれから-2 

AI予測を活用した営業支援の取組み

岸田 豊
朝日生命保険相互会社
ダイレクト事業部
データドリブンマーケティング推進課

野澤 周
朝日生命保険相互会社
ダイレクト事業部
データドリブンマーケティング推進課

マーケティング領域の2組目、ユーザーイベントとして最後の講演者は朝日生命の岸田様と野澤様でした。

朝日生命様ではDX推進を進められる中で、営業活動をAIで高度化される取り組みをされており、ターゲティングをAIモデルに従った結果一定の成果を得られたと共有いただきました。

実際に営業職員さんの訪問活動に介入するにあたって、ブラックボックスのアルゴリズムではなく説明可能なものを優先したことや、生成AIによって一足飛びではなくまずは、お客様の声を丁寧にテキストマイニングで分解しながら現場と合意形成できるようなデータ活用の歩みを進められたいとコメントされました。

私自身が朝日生命様のセッションのデモを担当させていただいたのですが、あらかじめ伺っていただターゲットに対して推奨商品をアソシエーションで求める手続きや、AIT林様が記事にされたテキストマイニングの手順を紹介させていただきました。

AIT林様のテキストマイニングの記事

https://qiita.com/harrowharrow16/items/871a1db08c43cab4f6d9

朝日生命様の資料はこちらから

https://speakerdeck.com/jpspss/20241127spssqiu-04-zhao-ri-sheng-ming-ye-ze-yang-an-tian-yang-zi-liao

SPSSユーザーコミュニティに自分ができること

昨年2023年に4年ぶりにユーザーイベントを実施した際に非常に好評だった懇親会を本年も実施いたしました。今回はSPSSテーブルがレセプション会場に数席準備され、ユーザーの皆さんで懇親を深めていただきました。

ご講演者からはセッションでは語られなかったやや込み入った話が飛び出したり、普段はライバルと認識している同業他社様も同じデータ活用を高めたい同志として闊達に意見を交わされたりしているのを眺めながら、SPSSのコミュニティの素晴らしさに触れこっそり胸アツな気分に浸っておりました。

来年2025年は12月に有楽町の国際フォーラムで開催が決定しています。その時までに私自身も沢山情報発信し、皆様と新しい発見やアップデートを共にさせていただければ幸いです。

斉藤 明日香
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 watsonx事業部
Data & AI 第一テクニカルセールス  


#SPSSModeler
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