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効率化を超越!仕事と生活の質を上げる自動化ソリューション①:Cloud Pak for Business Automation (CP4BA) 全体概要編

By Koichi Nakamura posted Tue December 19, 2023 12:29 AM

  

我々は今、激しいビジネス変化の真っ只中にいます。生産年齢人口が激減する中、様々な情報がデジタル化され、手作業や読取作業、意思決定やエキスパート作業、など日々増え続けており、現場はいわゆるカオス化しています。カオスな業務現場を救済する鍵となるのは自動化技術と考えます。

業務を効率化するだけでなく、関係者全員の仕事と生活の質の向上を目指した最新の自動化ソリューションについて、シリーズ化してご紹介します。

第一弾では、様々な自動化ソリューションをまとめてプラットフォームとして提供し、業務現場のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を促進する戦略の全体像として、IBM Cloud Pak for Business Automation (CP4BA) の概要を説明します。

抜本的な業務改革:Cloud Pak for Business Automation (CP4BA)

カオスな業務現場の一例として、簡素化した開発プロセスの状況をみてみましょう。

企画、設計、生産、テスト、保守という大きな流れの中で、それぞれのフェーズではたくさんの工程が関連しあって進んで行きます。その一部分にフォーカスすると、前後左右に関連する工程と連携しながら一つの工程が存在し、その工程の中では多種多様な作業が実行されます。前工程からの成果物など色々なインプットを受けて様々な作業を行い、他の工程から連携待ちをしながら処理を進め、次の工程に遷移します。不備による手戻りも発生し、やり直しも必要となります。それぞれの作業は属人化され、工程の中身はカオス状態になっています。

その要因をみてみます。

  • 情報のコピー&ペーストの繰り返しや、システムへの手入力など、煩雑な手作業
  • 人による属人的な情報の収集
  • 紙媒体から人が情報を読み取り、時間をかけてデジタル化
  • 物事を判断する場面では、経験と知識で属人的に意思決定を行い、結果が一定しない、という問題
  • 知識や経験不足で、専門家へ相談しなければならない煩わしさ
  • 他の工程との関係で処理待ち時間が長く無駄が発生
  • 属人的なやり方で工程内の処理を実行するため、担当者のスキルに応じてかかる時間や精度がまちまちとなり、不備による手戻りが発生し、処理のやり直しなど大きな無駄が発生

このような問題を改善し、カオスな業務現場を救済する鍵となるのは自動化技術と考えます。

様々な属人的な作業を自動化し、業務現場のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めることができる技術となります。そのために必要な技術要素を、人が行う作業に合わせてまとめてみます。

  • 手作業の自動化:RPA
  • 情報を読み取ってデジタル化する目に当たる機能:OCR
  • 五感から入る情報を知識/記憶として安全に整理して管理:コンテンツ管理
  • その知識/記憶を使って、物事をロジカルに判断する左脳:ルール・エンジン
  • 経験に基づくインテリジェントな判断を行う右脳:AI
  • 制御/管理して適材適所で機能させる中枢神経:ワークフロー(BPM

同様なコンセプトは、ガートナー社が2020年に重要な技術No.1としてハイパーオートメーションをレポートしましたが、IBMはその数年前からこのコンセプトを提唱し、製品開発に投資し牽引してきました。

さて、先ほどの開発プロセスにおける問題点を解決してみます。属人的な情報収集はデジタル・レイバーが代わりに実施し、コピペや入力などはRPAで自動化でき、文書の読み取りはOCRで自動化できます。属人的に行っていた意思決定は、ビジネス・ルールでその判断を共通化し、専門家への相談が必要だった判断をAIで効率的に進める事ができます。このように、個々のポイントを改善する属人業務の改革を、“点の自動化”と呼んでいます。

更に、ワークフロー(BPM)を組み合わせる事で、属人作業でカオス状態だった工程内を標準化して可視化し、工程内/工程間のプロセス全体の見直しを行う事が可能になります。その結果、処理待ち時間を削減したり、不要な手戻りを抑制し、ミスややり直しなど無駄を排除することができます。コンテンツ管理やモニタリング/予測機能も活用でき、プロセス・マイニング/プロセス・モデリングで継続的な改善につなげることが可能です。この状態を“線/面の自動化”と呼び、点から線、線から面へと業務改革を促進することが可能となります。

以上、業務現場を自動化の技術で抜本的に改革し、全体の生産性を向上するコンセプトが理解いただけたと思います。その実現に必要なコンポーネントをまとめてプラットフォームとして提供しているのが、IBM Cloud Pak for Business Automation (CP4BA) になります。先ほど人の絵で説明した、RPA(手)、OCR(目)、Workflow(中枢神経)、ルール・エンジン(左脳)、コンテンツ管理(知識/記憶)、AI(右脳)、さらに分析を行うプロセス・マイニングをまとめてプラットフォームとして提供し、完全な自動化を実現します。各コンポーネントを、従来のインストール版とOpenShiftの上のコンテナー版で提供しています。

優位点には、次のものがあります。

  • IBMは、ガートナー社のハイパーオートメーションと同等のコンセプトをその数年前に提唱し先導しており、早くから製品へ投資してきました。全ての機能を完備してご提供できるのはIBMのみです。
  • 各ソリューションをモジュールで提供し、ビジネスニーズに応じて組み合わせ、小規模に開始し拡張していく柔軟性/迅速性を持ったプラットフォームです。
  • 連携だけでなく、AI機能を各ソリューション内部に組み込み、よりインテリジェントな処理を提供しています。
  • 数多くのお客様のユースケースをもとに、真に使えるプラットフォームとして進化を続けます。

すなわち、唯一無二の統合自動化プラットフォームであり、柔軟/迅速な組み合わせが可能で知性を更に強化し、お客様と共に進化を続けるプラットフォームになります。

以上、最新の自動化ソリューション全体像として、IBM Cloud Pak for Business Automation (CP4BA) の概要をご紹介しました。

第二弾以降、各技術要素を深掘りしていく予定でいます。乞うご期待!(Stay Tuned!)


#CloudPakforBusinessAutomation
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