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Turbonomic | IBM Turbonomicで実現! FinOpsによる見える化(Inform)のクラウド最適化・運用事例

By Shuichi Sasahara posted Thu April 11, 2024 10:31 PM

  
皆様、FinOpsをご存じでしょうか? FinOps Foundationという標準化コミュニティにより提唱された新しいクラウドの管理手法・実践方式です。

 

単純に、クラウドの実運用の方法、ベストプラクティスを定めているというより組織のあり方や、文化、人のコミュニケーションに重点を置いておりFinance(財務部隊) + DevOps(開発・運用部隊)のチーム融合により、事実情報、データに基づいたデータ駆動型のクラウド運用の意思決定とコスト・システム品質の向上を目指す手法でもあります。

 

実際のFinOpsの詳細は、以下サイトでわかりやすくまとめてありこちらをご参照頂きたいですが、FinOpsを実践する上でInform(見える化) --> Optimize(最適化) --> Operate(運用)の3つの実行サイクルを回して、運用フローを実行していく事が重要です。

 

https://www.ibm.com/jp-ja/topics/finops

 

こちらの実行サイクルを回して、ユーザ企業様がまさしくFinOps実践フローでクラウド運用の最適化を実施している事例をご紹介します。

 

まず、重要なのはInform(見える化)で、クラウドの事実データを取り込んでITリソースの使われ方や、支払いしているコストをユーザ利用者(部門)毎に見える化する事が重要です。

 

IBM Turbonomicは、標準ダッシュボードでもクラウドにおいてはわかりやすい可視化ダッシュボードが用意されており使っていないリソースを、節約して支払いコストを減らす、もしくは性能が不足しているシステムには投資して品質の向上をするといったITリソースとコストの最適化アクションビューがあります。

*こちらは、Turbonomicを触った事がある方ならご存知かと思います。

 

それ以外にも、豊富な運用レポートでオンプレミス・プライベートクラウド環境、Kubernetes環境でも同様なITリソースとコスト最適化レポート機能(Grafana, ThoughtSpot)がある事はご存知でしょうか?この運用レポートは、ユーザが柔軟にカスタマイズする事ができますので、レポートの見え方や欲しい情報を計算式で調整して、きれいにグラフ化する事も可能です。

 

例えば、オンプレミス環境なら以下のようなデータセンター全体のITリソースキャパシティの見える化と、運用に必要なコストを見える化できます。

 

 

オンプレミス環境でも、Turbonomicでリソース最適化アクションを実行した場合にどのくらいコストを節約できるか、あるいは投資する必要があるか、見える化できるレポートがある事はご存知でしょうか?

 

 

最近では、Kubernetes環境を利用している先進的なユーザ様が増えている事からその環境のIT/運用、ITリソースのコストの見える化レポートのニーズも出てきています。実際のPoCで、レポートをカスタマイズしてKubernetes環境のコスト最適化の見える化レポートを作成したユーザ様もいらっしゃいます。 *以下は、そのサンプルイメージです。

 

 

IBMからも、SaaS ThoughtSpotレポート用にKubernetes環境のリソースコスト見える化レポートテンプレートも提供され始めました。

 

 

最後に、このようなクラウドコストの可視化を含め、最適化、運用までTurbonomicでFinOps(ユーザ企業様はFinOpsをしていると意識していないと思いますが・・・)を実践されているユーザ運用事例をご紹介します。

 

2ユーザ企業様は、ユーザ部門が利用するクラウドの統制ができていない、月々に上がっていく支払いコストに課題をお持ちで、その課題をTurbonomicで解決する、結果的にFinOpsの1歩目の運用を始めた事例となリます。

 

・ユーザ企業様1 (パブリッククラウド) 、Turbonomic利用者:IT部門(クラウド管理)

 

ステップ1  Inform(見える化)

ユーザ部門仮想マシンのITコンピューティングリソースの性能レポートを毎月ユーザに送付

*以下のレポートは、IBMデモ環境の画面になりますが、同じレポートを利用しております。

 

 

ステップ2  Optimize(最適化)

Turbonomicで、ITリソースの分析と最適化

 

ステップ3  Operate(運用)

3ヶ月継続して、ユーザ部門のリソース利用がレポートが示している通り、使用が少ない場合はTurbonomicの提案通り、サービスインスタンスのサイズを下げる調整をする。(インスタンのスペックを下げて、コストを節約する)

*ユーザには、性能レポートの実際の使用率と、Turobnomicが提示するその根拠を提示して納得感を持ってサイズ変更を許容頂く。

 

Parking機能の利用

スケジュールでVMの自動起動・停止の運用を開始、深夜・早朝、週末・祝日のVM利用が無い検証・開発環境の稼働コスト節約を実現

 

・ユーザ企業様2 (パブリッククラウド)、Turbonomic利用者:G企業IT部門(クラウド管理)、CCoE(Cloud Center of Excellence)

 

ステップ1  Inform(見える化)

全ユーザ部門のAWSアカウント毎に、Turbonomicで最適化できるアクション数とコスト節約効果を一覧表示するレポートを作成して、最適化効果を管理

*ユーザ部門毎に、グループを切り替えてコスト節約金額とアクション数を表示できるレポートのサンプル

 

 

ステップ2  Optimize(最適化)

Turbonomicで、ITリソースの分析と最適化

 

ステップ3  Operate(運用)

各月毎に、Turbnomicが提示する最適化アクションをユーザ部門に提示して、クラウドインスタンスのサイズ変更を実施いただく運用を1年間、パイロットで開始

最適化実行状況を、1のレポートで監視してユーザ部門のクラウドコスト最適化を統制する

 

[まとめ]

如何でしょうか? まずは見える化をレポートで実践してからクラウド運用へ繋げる、我々も思いつかない素晴らしいユーザ企業様のアイデアは非常に参考になると考えております。ぜひ、同様なクラウド運用を実践してもらえればと思います。

 

重要なポイントは、必ずしもユーザ企業様は、FinOpsのコンセプト、運用手法を完全に理解してFinOpsをやろう!と意識していないです。

 

Turbonomicを使っていると、それとなくFinOpsのベストプラクティスを実践できて企業様のクラウド運用・最適化に、負荷なく貢献できます。

 

こちらでご紹介した各種運用レポートのテンプレートは、このコミュニティのドキュメントライブラリで「オンプレミス・SaaSレポートガイド」として各種、ご紹介しておりますのでぜひお役立てできれば幸いです。
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