はじめに
皆さん、ITインフラの監視や運用負荷ってどうされていますか? クラウドネイティブやコンテナ環境が当たり前になる一方で、複数の監視ツールを使い分けて管理コストが膨れ上がったり、ライセンス体系が複雑だったりと、日々悩みは尽きませんよね。
私も日々 Instanaの進化を追いかけているのですが、先日公開されたトルコテレコム(Türk Telekom)のケーススタディがとても興味深かったので、ここで共有してみようと思います。大規模インフラを抱える企業が、どんなメリットを得たのか、一緒に見てみましょう。
ケーススタディの概要
1. ライセンスコストを約10%削減
トルコテレコム(Türk Telekom)では、これまでリソース消費(メモリ)ベースの課金形態を採用していたため、新しいアプリを投入するたびにコストが増えたり、予想しづらい課金モデルに頭を悩ませていました。
そこでInstanaを導入し、ホスト数ベースのライセンスモデルへ切り替え。結果的にライセンス費用を約10%削減することができ、コスト予測の精度も大幅に向上したとのこと。
2. サービスレベルの可用性が70%向上
もうひとつ大きいインパクトが、サービス可用性の70%向上。もともとは複数のAPMツールを使い分けていたため、インシデント発生時に切り替え作業や連携確認の手間が発生し、迅速に対処できないこともしばしば…。
しかしInstanaを中核に据えて監視を一元化し、AIによる自動化機能や根本原因分析(RCA)の仕組みを活用することで、障害対応のスピードと正確性が上がり、サービス全体の安定稼働に寄与しました。
3. AI活用で運用負荷を低減
Instanaの自動ディスカバリやAI分析機能を使うと、複雑化するクラウドネイティブアーキテクチャやコンテナ環境でも、関連するリソースを素早く検出して依存関係を可視化してくれます。
たとえば、Kubernetesなどを使ったマイクロサービス環境では、サービス同士の依存関係が動的に変化しがち。そこでInstanaのダッシュボード上でリアルタイムに状況を把握でき、根本原因が特定しやすくなるのは非常に助かりますね。IT部門としては、定型的・反復的な障害対応をAIに任せられるので、より戦略的な業務に集中できるというわけです。
さらに気になったポイント
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PoC(実証実験)の徹底
約6か月という長期にわたるPoCを行い、リスク洗い出しや運用フローの検証をじっくり実施。こうした段階的アプローチが本格導入後のスムーズな運用につながったようです。
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Kubernetes環境への拡張性
途中でライセンスを追加購入し、最終的にはSaaSサブスクリプションモデルへ移行したとのこと。Kubernetes上ではアプリケーションをコンテナ単位でスケールさせるため、コンテナの数やメモリ使用量が動的に増減しやすいですよね。そうなると、メモリベースやコンテナ数ベースのライセンスだとコストが大きく変動して予測が難しくなりがちですが、ホスト数ベースの場合は台数を基準にできるので、将来的な費用計画や増設への対応がシンプルで相性が抜群と言えます。
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パートナー企業との連携
PoCのプランニングから本番導入後のサポートまで、専門家と二人三脚で進めたことで、導入期間の短縮やリスク低減を実現。現場で得た知見をフィードバックループに取り入れる姿勢が素晴らしいと感じました。
まとめ
トルコテレコム(Türk Telekom)のケーススタディは、Instanaがもたらす「コスト削減」「可用性向上」「運用負荷軽減」を端的に示してくれています。
特に大規模なITインフラやクラウドネイティブ化の進む組織にとって、リソース消費ベースの課金モデルがもたらすコスト不透明性の問題は深刻です。そこをホスト数ベースにしてコストを“見える化”し、さらにAIを活用して障害対応をスピードアップさせる手法は、これからのDevOpsやシステム運用のスタンダードになりつつあるのではないでしょうか。
※公式の日本語ページはこちらからご覧いただけます。私のブログでは、Instanaを追いかけている立場から「なぜホスト数ベースが有効なのか」「PoCの重要性」などにフォーカスしてまとめていますので、詳細な背景や他の数値データに興味がある方は公式ページも併せてチェックしてみてください。