IBM TechXchange AIOps Group Japan

 View Only

ILMTの代わりにFlexera Oneでライセンス管理①〜PVU編〜

By Daisuke Hiraoka posted Tue December 13, 2022 03:15 AM

  

IBMがFlexeraOneをILMTの代替ツールに認定

2022年3月にIBMは、IT資産管理を簡素化するため、組織が自動化を活用できるよう支援する、IT管理ソフトウェア会社FlexeraおよびIBM Turbonomic Application Resource Management(ARM)との新しいソリューションを発表しました。同時にIBMソフトウェアのライセンス管理ツールであるILMT(IBM License Metric Tool)の代替ツールとしてFlexera One with IBM Observability(以下、Flexera One)が正式に認定されました。

Flexera One with IBM Observability は、マルチベンダー・オンプレミス・ソフトウェア、SaaS、ハイブリッド・クラウド環境向けに、可視性、自動化、AI を使用して、IT 資産への投資の最適化をサポートします

これによりIBM製品ユーザーはFlexera Oneでライセンス管理を行うことができるようになりました。

Flexera Oneとは?

FlexeraOneはイリノイ州アイタスカに本社を置くFlexera社の提供するソフトウェア資産管理(SAM)ツールです。従来のオンプレミスおよび SaaS アプリケーションの検出、インベントリ、正規化、最適化、とライセンス管理以外にもさまざまな機能提供しています。ライセンス管理の場合はAdobe 、Broadcom ( Symantec )、IBM 、Microsoft 、Oracle 、SAP 、VMwareなどの複雑なライセンスのライセンス管理を提供します。

Flexera Oneについてもっと知りたい方はこちら
https://www.ibm.com/jp-ja/products/flexera-one

今回はILMTの代替としてFlexera Oneを使用することを想定して、IBM PVUライセンス管理の機能を紹介します。

IBM PVU ライセンスの管理

IBM PVU ライセンス(※)は、Processor Value Unitに基づいているためPVU消費量の算出には以下のデータポイントが必要です。

  • 物理コア/仮想コアの数
  • PVU ポイントテーブル(プロセッサーの種類とコア数で見る)
  • 仮想マシンの場合、その仮想マシンが所属する物理ホストと共有リソースプールの関係
  • フルキャパシティ、サブキャパシティのどちらのライセンスが使用されているか

Flexera OneではPVUポイントテーブルが標準機能として提供されており、PVUポイントのライセンス消費量を自動的かつ正確に計算することができます。

※ PVUとは?
プロセッサー・バリュー・ユニット (PVU) は、IBM ミドルウェア製品のライセンス・コストを決定するために使用される計測単位です。 これは、ソフトウェアのインストール先サーバーに適用されているプロセッサーのタイプに基づいて決められます。

このPVUに基づくライセンス(PVU ライセンス)は、フルキャパシティーまたはサブキャパシティーにすることができます。 フルキャパシティー・ライセンスは、製品がインストールされている物理サーバー上のすべてのプロセッサー・コア数に基づきます。 サブキャパシティー・ライセンスは、仮想化環境でのみ使用可能です。 これは、物理サーバー上の合計 PVU 数ではなく、製品がインストールされている VM で使用可能な最大 PVU 数としてカウントされます。 サブキャパシティーとフルキャパシティーのうち、いずれか低い方の値を使用して、ライセンスを取得します。
PVUについてもっと詳しく知りたい方は下記を参照ください。
https://www.ibm.com/docs/ja/license-metric-tool?topic=metrics-processor-value-unit-pvu

PVU ポイントテーブルの確認

実際のダッシュボードでは以下のように確認できます。

  1. Flexera Oneのダッシュボードにアクセスします。
    スクリーンショット 2022-11-07 12.38.45.png

  2. 左のメニューからLicenses > Points Rule setsを選択します。
    スクリーンショット 2022-11-07 12.40.21.png

  3. 検索ウィンドウからPVUと検索し、ルールセットを開きます。
    スクリーンショット 2022-11-07 12.40.35.png

  4. 右側のポイント規則タブを選択するとPVUポイントテーブルが全て表示されます。
    スクリーンショット 2022-11-07 12.41.09.png

  5. さらにここからキーワードで絞ることもできます。試しにxeonとキーワードを入れるとコンピュータにIntel Xeonプロセッサーが搭載されている場合のさまざまなルールをすべて表示します。Xeon プロセッサーの世代/モデル、およびコンピューター内のプロセッサー数によって異なるルールがあることがわかります。スクリーンショット 2022-11-07 16.56.10.png

このようにキーワードで簡単に目的のPVUポイントテーブルを探すことができます。

PVUライセンスの確認

ライセンスについても同様に、現在使用しているPVUライセンス情報を確認できます。

ダッシュボードでの確認方法は以下の通りです。

1.左のメニューからLicenses > All Licensesを選択します。保有している全てのライセンス情報が表示されます。スクリーンショット 2022-11-07 12.53.55.png

  1. キーワードで確認したいライセンスを絞り込みます。今回はDb2のライセンスを確認してみます。
    スクリーンショット 2022-11-07 12.54.47.png

クリックして詳細に移動するとさまざまな情報が確認できます。
IDタブではライセンスタイプやバージョンなど基本的な情報を確認できます。
スクリーンショット 2022-11-07 17.10.57.png

コンプライアンスタブではライセンス消費量が確認できます。
スクリーンショット 2022-11-07 17.09.28.png

消費量タブでは選択したライセンスを消費しているソフトウェアの一覧が表示されます。それぞれが何ポイント消費しているのか確認できます。
スクリーンショット 2022-11-07 13.11.29.png

ライセンスについてはライセンスの基本情報や、ライセンスの消費量などを紹介しましたが、他にもさまざまな情報を確認することができます。

レポート機能

最後にILMTの代わりにFlexera Oneを使用してIBMへ提出するレポートの作成方法を紹介します。

IBM は顧客がILMT/BigFix Inventory ツールを使用して、IBM 製品のインベントリを取得し、必要なハードウェア・インベントリ属性を取得して、PVU ライセンス消費量を正しく計算してIBM に四半期報告書を生成することを要求しています。

ILMTが環境にある場合、Flexera OneのインベントリーリソースとしてILMTを使用することも可能です。

レポートの作成方法

今回はILMTのILMT Peak PVU Sub-Capacity レポートと同等のレポートを作成してみます。
レポートは以下の手順で作成することができます。

  1. 左のメニューからReporting>ライセンスレポート>IBM PVU ライセンスの消費を選択します。スクリーンショット 2022-11-07 15.19.51.png

  2. IBM PVUライセンスの消費についてのデータが表示されます。レポート期間や対象ライセンスを選択し、「レポートの実行」ボタンを押せばレポートが出力されます。スクリーンショット 2022-11-07 15.20.27.png

レポートはCSVやPDFでエクスポートすることも可能です。
スクリーンショット 2022-11-07 15.23.44.png

複雑なサブキャパシティについてのレポートを簡単に作成することができます。

さらに、IBMは、PVUのピーク消費量をIBMの公式な「Regions」別に区分することを要求していますがこのRegionsもFlexera Oneで確認できます。ライセンスを選択し、コンプライアンスタブで下記のようなリージョンごとの消費量を見ることができます。
スクリーンショット 2022-11-07 15.19.04.png

最後に

今回はIBM PVUライセンスを管理する機能をご紹介しました。Flexera Oneの他の機能も紹介していく予定です。お楽しみに。

0 comments
15 views

Permalink