※この情報は、#089(2023年1月発行)の追加情報です。
#089【z/OS V2R4/V2R5変更点】 DFSMS IGD17002Iメッセージの出力先(コンソール、ハードコピー・ログ追加)
https://community.ibm.com/community/user/ibmz-and-linuxone/blogs/shigeki-kimura1/2023/01/17/sharing-zos-upgrade-info-by-professor-kimura-089j
従来、SMS管理有無によらず、DASDデータセットを作成する際、対象ボリューム上の「VTOC」(DSCB)、または、「VTOC INDEX」(VIR)が不足している場合に出力されるIGD17002Iメッセージは、その宛先が、JOBLOG(JESYSMSG)、TSOスクリーン(TSO PROFILE WTPMSG指定時のみ)に限定されています。
※コンソール、ハードコピー・ログ(SYSLOG/OPERLOG)などには出力されないため、例えばメッセージ自動化の観点で課題
■非SMS管理DASDボリュームで、「VTOC」(DSCB)不足の発生例(z/OS V2R4)
【z/OS 3.1の変更点】
■z/OS 3.1では、前述のバッチジョブ、ISPF OPT3.2によらず、省略時解釈として、コンソール、JOBLOG(JESMSGLG)、ハードコピー・ログ(SYSLOG/OPERLOG)向けに、IGD17002Iメッセージ(マルチラインWTO: 宛先コード2)が追加出力されます。
※従来のIGD17002Iメッセージ出力は継続
※ハードコピー・ログに表示されるジョブ番号 ・・・ バッチジョブの場合(JOBnnnnn/Jnnnnnnn)、ISPF OPT3.2の場合(TSUnnnnn/Tnnnnnnn)
■PARMLIB(IGDSMSxx)メンバーによる、「SUPPRESS_SMSMSG(YES,IGD17002I)」パラメータ明示指定、あるいは、SETSMS SUPPRESS_SMSMSG(YES,IGD17002I)コマンドにて、IGD17002Iメッセージの追加出力を抑止することが可能です。
※「SUPPRESS_SMSMSG(YES,IGD17002I)」指定の場合、機能変更前に出力されていたIGD17002Iメッセージは抑止対象外 ・・・ 従来挙動を踏襲
■同様な機能変更は、DFSMS APAR OA63721(対象: z/OS V2R4、V2R5)でも行われました。
【z/OS 3.1の挙動例】
■SETSMS SUPPRESS_SMSMSG(YES,IGD17002I)コマンドによる制御
■機能活動化有無によるJOBLOG/SYSLOGへのIGD17002Iメッセージ出力
【SMS環境における考慮事項】
■SMS管理のDASDデータセット作成が失敗した際に出力されるIGD17279Iメッセージでは、「VTOC」(DSCB)、または、「VTOC INDEX」(VIR)不足の理由で非選択となったボリュームがストレージ・グループ内にある場合、そのボリューム総数が示されます。
※「VIR不足」(VTOC INDEX)のボリューム数
IGD17279I n VOLUMES WERE REJECTED BECAUSE OF NO ROOM IN VTOC OR INDEX (041C041B)
※「DSCB不足」(VTOC)のボリューム数
IGD17279I n VOLUMES WERE REJECTED BECAUSE OF NO ROOM IN VTOC OR INDEX (041B041D)
■z/OS 3.1、あるいは、APAR OA63721のPTF適用後(z/OS V2R4、V2R5)は、従来のIGD17279Iメッセージに加え、非選択となったボリュームを示すIGD17002Iメッセージ群がコンソール、ハードコピー・ログなどに同時出力されます。(省略時解釈)
※IGD17279Iメッセージで示される対象ボリューム数(n)によっては、IGD17002Iメッセージの多量出力を伴う可能性あり
【関連情報】 ※z/OS 3.1事例
■対象ボリューム上の「VTOC」(DSCB)、または、「VTOC INDEX」(VIR)不足を示すIGD17002Iメッセージが単独で出力された場合、実際にどちらが該当しているのかは、次のような方法で調査可能です。
※VTOCの状況は、ISPF OPT3.4 V(VTOC Summary Information)でも確認可能
(方法①)PGM=IEHLISTユーティリティーのLISTVTOCコマンド
※SYSPRINT出力量を抑えるには、DSNAMEパラメータ指定を行わず、かつ、DUMP/FORMATパラメータを共に省略します
(例)LISTVTOC VOL=3390=SYSWKA
(方法②)PGM=IDCAMSユーティリティーのDCOLLECTコマンド
※出力量を抑えるには、NODATAINFOパラメータを明示指定することで、「レコード・タイプ V(ボリューム・インフォメーション)」のみを取得します
(例)DCOLLECT OFILE(OUTDS) NODATAINFO VOLUME(SYSWKA)
(方法③)ISMFの「VOLUME LIST」(DGTLGP32パネル)
※ISMF 2(Volume)➡ 1(DASD)➡ 「VOLUME SELECTION ENTRY PANEL」(DGTDVVA1パネル)で必要情報を入力
(例)「2 Generate a New List from Criteria Below」の「Volume Serial Number」選択肢で「SYSWKA」を指定 ・・・ 非SMS管理を想定
■VTOC/VTOCIXのサイズ拡張に関しては、下記リンク先の情報が参考になります。
How do I increase the size of my VTOC and/or VTOCIX?
https://www.ibm.com/support/pages/node/6850899
以上