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#112【z/OS 3.1新機能】 JES2による実行中STCジョブのキャンセル可否を制御する「JESCANCEL」オプション

  

★当文書では、下記情報に関連した機能拡張をお知らせします★

#086z/OS V2R3変更点】 JES2 $CS$CJQコマンドによる実行中STCジョブのCANCELオペレーション

https://community.ibm.com/community/user/ibmz-and-linuxone/blogs/shigeki-kimura1/2022/12/21/sharing-zos-upgrade-info-by-professor-kimura-086j

従来、JES2 $CS$CJQ $CJOBQ)コマンドでは、「P」オプション(PURGE)の指定有無によらず、実行中のSTCジョブをキャンセルすることができません。

※実行中のSTCジョブをキャンセルする場合は、MVSCANCELコマンドを利用

※重複ジョブ名が存在する場合は、MVSCANCELコマンド実行時に「A=asid」キーワード指定が必要

IEE842I jobname DUPLICATE NAME FOUND- REENTER COMMAND WITH 'A=' KEYWORD

z/OS V2R3の変更点】

z/OS V2R3 JES2では、「P」オプション(PURGE)の指定有無によらず、$CS$CJQ $CJOBQ)コマンドを使用して、従来のバッチ・ジョブやTSUと同様に、実行中のSTCジョブがキャンセル可能になりました。

SDSFパネルでの「P」(PURGE)、「C」(CANCEL)アクション文字でも同様

■機能変更前後の比較

【考慮事項】

■範囲指定の$CS$CJQ$CJOBQ)コマンドにて不要なジョブ・ログを削除する場合、STC番号が範囲内に存在する実行中のSTCジョブは、z/OS V2R2までと異なり、z/OS V2R3以降はキャンセル対象になります。

z/OS V2R2以前、STC番号が範囲内にある実行中のSTCジョブはキャンセル不可

z/OS V2R3以降、STC番号が範囲内にある実行中のSTCジョブはキャンセル対象

■機能変更前後の比較

■例えば不要なジョブログをまとめて削除する際、実行中のSTCジョブはキャンセル対象外になる前提で、範囲指定の$CS$CJQ$CJOBQ)コマンドを利用しているような場合、z/OS V2R3 JES2で行われた意図的な機能変更に影響を受ける可能性があります。

※機能改善要望(20212月)(IDEASZOS-I-2197

z/OS 3.1の新機能】

z/OS 3.1では、JES2PARM JOBCLASSステートメントの新規パラメータ「JESCANCEL」が追加され、STCクラスに対して「JESCANCEL=RESTRICTED」パラメータを明示指定することで、z/OS V2R2までと同様、実行中のSTCジョブをキャンセル対象外にすることが可能です。

JOBCLASS(STC) JESCANCEL=ALLOWED/RESTRICTED

※省略時値(ALLOWED)は、z/OS V2R3V2R5の挙動を踏襲

※「JESCANCEL」新規パラメータは、STCジョブのみならず、通常のバッチ・ジョブやTSUにも指定可能

SDSFパネルでの「P」(PURGE)、「C」(CANCEL)アクション文字でも同様にサポート

STCクラスに対して「JESCANCEL=RESTRICTED」パラメータ指定時の挙動 ・・・ 実行中のSTCジョブはキャンセル対象外(z/OS V2R2までと同様)

STCクラスに対して「JESCANCEL=RESTRICTED」パラメータ指定時の挙動 ・・・ 範囲指定のJES2 $CS$CJQ$CJOBQ)コマンド操作では、実行中のSTCジョブがキャンセル対象外(z/OS V2R2までと同様)

以上