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#060【z/OS V2R5変更点】 SMFレコード 「1153.1」新登場に伴う「SMFロガー」環境での考慮事項

  

z/OS V2R5では、「拡張SMFレコード・ヘッダー(V1)」(z/OS V2R3新機能)を持つ最初のSMFレコードとして、JES2の「タイプ1153 サブタイプ1」(1153.1)が新登場しました。
※いよいよ、SMFレコード・タイプが「4桁」の時代に突入しました ・・・ IBM用の「3桁」レコード・タイプは「125」が最終
※PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーにて、SMFレコードの収集をNOTYPEパラメータ指定で行う場合、明示的に除外しない限り、「1153.1」レコードが無意識のうちに記録されます

上記変更に伴う考慮事項をこちらにまとめていますが、特に「SMFロガー」を利用する場合、次のような点も併せて注意が必要です。

【「SMFロガー」環境での考慮事項】 ※PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーの「RECORDING(LOGSTREAM)」パラメータ指定
■従来、PGM=IFASMFDLを実行する際、「SYSIN DD」ステートメントの「LSNAME」パラメータにて、処理対象のログストリームと共に「OPTIONS(ARCHIVE)」指定を行う場合、要求された期間(時間)に存在しているSMFレコードは残らず全て、「OUTDD」パラメータ(TYPE/NOTYPE指定)で定義されたデータセットどれかに出力される必要があります。
※「OPTIONS(DELETE)」指定を行う場合も、同様な考慮が必要
■「OUTDD」パラメータのTYPE/NOTYPE指定に合致せず、出力先のないSMFレコードが見つかった場合、その時点でエラー・メッセージ IFA832I出力を伴い「CC08」で処理中止となります。
IFA832I INVALID PARAMETER COMBINATION FOR ARCHIVE
■従って、「ARCHIVE」あるいは「DELETE」対象のログストリームに対して、要求された期間(時間)にSMFレコード 「1153.1」(z/OS V2R5 JES2の新機能)が記録されている場合は、少なくとも1つの「OUTDD」パラメータにて、それを含むようなTYPE/NOTYPE指定を行うことが求められます。

【対応策】
■PGM=IFASMFDL実行時の「SYSIN DD」パラメータで、例えばTYPE指定の「OUTDD」パラメータを、次のように変更する必要があります。
(変更前)  OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:255))
(変更後)  OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:2047))

【稼働確認例(z/OS V2R5環境)】
■例えば、次のような設定が有効な環境では、SMFレコード 「1153.1」が、「DEFAULTLSNAME」パラメータ指定のログストリームに対して毎時書き込まれています。

■PGM=IFASMFDLで「ARCHIVE」処理を行う場合、「OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:255))」パラメータ指定は、エラー・メッセージ IFA832I、IFA845Iの出力を伴い「CC08」で処理中止となります。

■対応策としては、「OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:2047))」パラメータに指定変更することで、「ARCHIVE」処理が正常終了します。

【関連情報】
■PGM=IFASMFDL実行時の「SYSIN DD」ステートメントで「OPTIONS(DUMP)」パラメータを指定する場合は、従来と同じく「OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:255))」パラメータ指定のままでも、エラー・メッセージ IFA832Iを出力することなく、処理が正常終了します。(この場合、SMFレコード 「1153.1」は出力対象外)
※「OUTDD(OUTDD1,TYPE(0:2047))」パラメータ指定に変更することで、新規のSMFレコード 「1153.1」も含めて出力可能

■本件に関しては、z/OS V2R5 「Upgrade Workflow」にも記載があります。(ただし、メッセージ 「IFA832I」による検索ではヒットしません)
zOS V2R5 Upgrade Workflow from zOS V2R3 - OA61406
Description :zOS V2R5 Upgrade Workflow from zOS V2R3
Step 3.1.1.5 : Update processing to include usage of new SMF record types

以上