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SVC/Storwize/FlashSystemのボリュームの優先ノードについて

By Keitaro Imai posted Tue August 25, 2020 05:24 AM

  
タイトルの製品群において、すごく基本的なことなんですが、意外と見落としがちな点として、優先ノードという設定があります。
これらの製品は偶数個のノードでクラスターを構成しています。(最大8ノード)
ボリュームを作成すると、このクラスター内のいずれか1つのノードからのみI/Oが行われます。そのノードが優先ノードと呼ばれます。
たまに、デカイボリュームを1つ作ってサーバーに見せていたりするシステムがあったりするんですが、この場合優先ノード以外はI/Oを行わないので、遊んでいる状況になってしまいます。
つまりノード全体の性能として本来出せる能力の、ノード数分の1しか出せないという事になります。


従って、ボリュームを作る際には必ず最低でもノードの数ぶん作って、それぞれを均等にノードに割り当てたほうが良いでしょう。
クラスターを構成するノードのペアはI/O Groupと呼びますが、複数のI/O Groupがある場合は、各I/O Groupを均等に使用できるようにボリュームの配置も意識してください。
また、偶数個作っていたとしてもボリュームによって負荷の偏りがあったりしますので、ノードに負荷が偏っている場合は、優先ノードを変更するなども検討したほうが良いでしょう。
1つのI/O Group内の優先ノード変更はIO無停止で可能ですが、IO Groupを跨った優先ノードの変更はNon Disruptive Volume Move(NDVMといいます)という機能に対応しているデバイスドライバーを使用しているサーバーのみ可能です。
NDVMが使用可能なプラットフォームは以下のサポートサイトから確認可能です。
SVC
Storwize
FlashSystem
1つのI/O Group内での優先ノードの変更はmovevdiskコマンドのみで実施可能です。


I/O Groupを跨った優先ノードの変更の場合は、caching I/O Groupとaccess I/O Groupの変更が必要です。それぞれは以下のようなGroupになります。
caching I/O Group:    サーバーからの I/O 処理を実施する I/O グループ    
access I/O Group:    サーバーからパスを認識、構成できる I/O グループ
1.access I/O Groupの追加(addvdiskaccess)
2.新caching I/O Groupへの変更(movevdisk)
3.サーバー側でのパス認識(cfgmgr、再スキャンなど)
4.access I/O Groupの削除(rmvdiskaccess)
5.OS上で旧access I/O Groupへのパス削除(rmpathなど)

思ったよりもパフォーマンスが出ていないということがある場合は、この点にも着目しておいてください。
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