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ストレージミラーリング機能の帯域制御 【FlashSystem/Spectrum Virtualize/Storwize編】

By Keitaro Imai posted Tue August 25, 2020 05:05 AM

  
主に災対で利用されるストレージのミラーリング機能ですが、通常はWAN回線などを使用してデータ転送を行います。
外でも回線を使用しているような環境では、回線を使い過ぎないように帯域の制御を行います。
ストレージ装置や、スイッチ等、様々な箇所で制御が可能ですが、今回はSpectrum Virtualize(SVC)やStorwize Vxxx、FlashSystemで設定する方法をご紹介します。
まず、Storwizeのミラーにおいて、データ転送の種類は以下の2つあります。
1.フォアグラウンドコピー
これは、Metro Mirror や Global Mirror における同期完了後の転送を指します。
2.バックグラウンドコピー
これは、Global Mirror with Change Volume における初期転送/初期転送後の差分転送と、Metro MirrorとGlobal Mirrorの初期転送と同期が停止して再開したあとの差分転送を指します。
このうち、制御可能なのは2のバックグラウンドコピーになります。
これを制御する方法は、以下の2つあります。
1.システム間全体の帯域制御
これは、システムとして提供する帯域を制御するもので、「mkfcpartnership / mkippartnership / chpartnership」コマンドの「linkbandwidthmbits (Mbps) 」オプションにて制御可能です。
さらに「backgroundcopyrate」オプションにて、バックグラウンド・コピーに使用可能な集合帯域幅の割合(%)を指定可能です。
例えば、Linkbandwidthmbitsが1000でbackgroundcopyrateが50の場合は500Mbpsという事になります。


2.ボリュームのペア毎の帯域制御
これは、ミラーを形成するボリュームのペア毎に帯域を制御するもので、「chsystem」コマンドの「relationshipbandwidthlimit (MBps)」オプションにて制御可能です。
ボリュームのペアが複数ある場合は、ペアの数分だけ帯域が確保されます。
relationshipbandwidthlimitが50で、ペアが20の場合は1000MB/secの帯域ということになります。


2つの箇所で設定するわけですが、帯域の上限としては、どちらか低い方の値が適用されます。上の2つの例の値だと、帯域の上限は500Mbpsという事になります。
ここで注意が必要なのは、linkbandwidthmbitsは単位がMbit(メガビット)であるのに対し、relationshipbandwidthlimitは単位がMByte(メガバイト)だということです。
混乱しやすのでご注意ください。

なお、これらの値は、ローカル/リモートサイトのシステム両方で適切に設定する必要がありますが、ローカル側で設定した値はリモートへの転送速度に反映され、リモート側で設定した値はリモートからローカルへの転送速度に反映されます。
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