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【私の履歴書#13】大澄 佳織さん

By Misa Murakami posted 04/12/26 11:23 PM

  

大澄 佳織

日本アイ・ビー・エム株式会社

テクノロジー事業本部 クライアント・エンジニアリング事業部 マネージャー

IBM入社以来、流通SE部でのキャリアスタートから、Db2を軸とした数多くの流通業界向けプロジェクトに参画し、インフラリーダー、アーキテクトとして経験を重ねてきました。GBS(現IBMC)でのデリバリーやATLでの活動を経て、現在はクライアント・エンジニアリング事業部でマネージャーとして活躍されています。


Interview #13

プリセールス部門のマネージャとして営業組織のマネジメントをされている大澄さん。
「本質を捉える」「明るく楽しく前向きに」「自分がいなくても回る組織をつくる」——そんな言葉に、仕事への誠実さと前向きなエネルギーがにじむ方です。

教育がしっかりしていて、世の中やお客様のために価値を提供し続けてきた歴史がある点に惹かれました。

- IBMを意識するようになった理由をお聞かせください

 就職活動の時期はいわゆる氷河期で、今のようにインターンに参加する機会もほとんどありませんでした。理系の女性が応募できる企業も限られていて、そもそも説明会の応募自体が難しい——そんな時代でした。
 
 その中で、説明会に参加した企業の印象は今でも覚えているそうです。
社会人になったら長く働くのが当たり前だった時代に、「ありのままの自分で働き続けられる会社」と感じられたことが、IBMを選ぶ大きな理由になりました。
 
 さらに、会社案内のパンフレットに載っていた先輩社員の言葉が強く印象に残っています。「内科のお医者さんのような仕事」という表現でした。お客様の課題に寄り添い、状況を聞き、選択肢を示し、合わなければ別の手を考える——その姿勢に、大澄さんは「これが自分のやりたい仕事かもしれない」と直感したと言います。
 
「技術で何かを“押しつける”のではなく、お客様と一緒に考え、解決していく。それが面白そうだなと思ったんです。」

皆勤賞の毎日が、今の自分をつくっているのかもしれません

- 育った環境についてのエピソードを教えてください

 幼稚園から高校まで、ほぼ皆勤賞。大きな病気もせず、元気に通えたのは両親のおかげだと語ります。
共働きのご両親のもと、子供扱いされず、なんでもチャレンジさせてくれた家庭の空気が、自然と芯の強さを育てたのかもしれません。


 実家は庭に蛍が飛び、クワガタもいるような自然豊かな環境。泥団子をつくって遊んだり、田植えをしたりと、のびのび過ごした幼少期の記憶が残っています。


 年の離れた弟と妹の面倒を見るのも好きで、その話はいまでも同級生に会うと話題になることがあるそうです。


誰かを支えること、周囲に目を配ること——そうした感覚は、幼い頃の経験から自然と身についたのかもしれません。

自分の描いたアーキテクチャが、世の中に出た瞬間

- 印象に残っている仕事についてぜひ伺わせてください


 印象に残っている仕事として、大澄さんが挙げたのは「初めて、自分が中心になってお客様と議論しながらアーキテクチャを描き、それが世の中に出た」プロジェクトです。


 当時はオンラインで買い物をすること自体が今ほど当たり前ではなく、ECの立ち上げが“新しい挑戦”だった時代。参照できるリファレンスアーキテクチャを見ながら見よう見まねで構成図を描き、お客様と対話しながら「このコンポーネントは必要か」「なぜ必要か」を詰めていきました。


「絵を描いて、話して、直して、また描き直して……それを形にしていくプロセスが、すごく面白かったんです」


 インフラ側としてDB(Db2)や決済データベースの設計にも関わり、開発チーム・インフラチームと“ワンチーム”で要件定義から設計、開発、テスト、サービスインまでを走り切った経験は、達成感も学びも大きかったと言います。
 
 動かないスクリプトに悩むなど、泥臭い苦労も多かった。けれど「何もないところから作ったものが、実際に世の中で動いた」瞬間の喜びは、今でも鮮明に残っていると語ります。

お客様との“本音のぶつかり合い”が、心を動かす

- 印象に残っている出会いについてお聞かせください。

 印象に残っている出会いは、お客様との出会いです。社内にも刺激的な人は多い。でも、「心を動かされる記憶には、お客様が登場することが多い」と大澄さんは言います。
 
 会社が違えばカルチャーも、優先順位も、当たり前も違う。提案やサービス提供の局面では、同じ方向(良いものを作りたい)を向いていても、衝突やすれ違いが起きることがあります。
ときにはトラブル対応で徹夜が続き、1時間おきの報告を求められながら、言い争いのようになる場面もある。それでも最後に残るのは、「魂と魂が通い合うような、本音でぶつかった時間」だと言います。
 
「衝突があるのは、真剣に向き合っているから。そういう時ほど、戦友みたいな関係になっていくんですよね」


 今も“戦友”のように繋がり続けるお客様がいる——その言葉に、大澄さんの仕事が単なるプロジェクト遂行ではなく、人と人の信頼を積み重ねる営みであることが表れています。

 

意識的に“現実逃避”する時間をつくる

- ワークライフバランスで工夫していることはありますか?

 つい時間を忘れて仕事に没頭してしまうタイプだからこそ、あえて仕事から離れる時間をつくる。大澄さんはそれを「現実逃避」と表現します。


 離れる時間があるからこそ、気持ちをリセットできる。結果的に、仕事にも前向きに向き合える——その感覚を大切にしているそうです。

本質を捉え、明るく楽しく前向きに

- 仕事で大切にしている価値観を教えてください

 ものごとの本質を捉えることを常に意識しています。目の前の事象が本当に解くべき課題なのか、それを解決すると何が変わるのか、なぜ必要なのか。多面的に見て判断することを心がけています。


 また、大澄さんが強調したのが「判断のスピード」です。国内外を含む大人数の組織では、意思決定が遅れると前に進めない。だからこそ、シンプルな言葉で方向性を繰り返し伝え、必要なら走りながら修正していく。
 
「間違っていたら、少しずつ修正すればいい。失敗を失敗だと思いすぎないんです」
そしてもう一つ大切にしているのが、「明るく楽しく前向きに」。健康と、パフォーマンスを発揮できる環境があってこそ、良い仕事ができる。大澄さんはメンバー一人ひとりの様子に目を配り、声をかけることを自然に続けています。
 
「監視しているわけじゃなくて、みんな元気かなって。組織が大きいほど、一人ひとりをちゃんと見たいんです」


 最後に、大澄さんが目指すのは「自分がいなくても回る組織」。個人ではできないことも、チームならできる。それができたら会社も強くなる。だからこそ、一人ひとりに少し上の期待を伝えて、力を引き出していく。


「みんなが120%出したら、できることって本当に増える。喜びも大きいんですよね」


インタビュアー:cosmos コアメンバー 村上 未紗

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