はじめに
2000 年の入社以来、一貫して金融システムの現場を歩み続けてきた IBM の箱嶋 未帆さんへインタビューを行いました。
現在は、国内主要銀行グループを担当するマネージング・クライアントパートナー兼 技術理事として、日々多くのメンバーと向き合いながら事業を牽引されています。
技術、チーム、働き方、プライベート、そしてサブリーダーに就任した cosmos への想い。穏やかで飾らない言葉で、これまでの経験と思いを語ってくださいました。
EXPERIENCE
文系学部卒業後、2000 年に SE として IBM に新卒入社、テクニカルサポート. システム&ウェブ・ソリューションセンターに配属。
IBM が”e-Business”という標語を掲げ、インターネットを活用した社内システムや対外システムが普及しはじめるときで、
WebSphere Application Server(WAS)上の Web アプリケーションを Java でコーディングするのが最初の仕事。
その後、WAS と WebSphere Portal のプリセールスや、プロジェクトに入って技術支援ロールでデリバリーを実施。
2003 年から大手メガバンクの情報系システム統合&Web アプリケーション開発プロジェクトに WebSphere Portal の技術支援ロールで参画。
大手メガバンクアカウントチームにフルライフサイクルプロジェクトのいろはを教えてもらいつつ、Web 基盤構築、ポータルアプリケーション開発を経験。
2005 年に金融セクターの同アカウントチームに異動し、その後 20 年間同グループを担当。担当した 20 年間は以下のプロジェクトに従事。
- 情報系システム統合&Web アプリケーション開発プロジェクト、当該システムの保守、基盤保守期限到来による更改
(7 年担当、テクニカルスペシャリスト)
- 勘定系システム再構築プロジェクト(8 年担当、アーキテクト/PM)
- 海外勘定系システム再構築 NY 拠点対応 (3 年担当、アーキテクト/コンサルタント) 、うち 2 年間米国赴任し同銀行 NY 支店でプロジェクトを支援
- グループ人事システム統合プロジェクト(3 年担当、プロジェクト責任者)
2022 年にクライアントパートナー(理事)、2024 年に Distinguished Engineer(技術理事)を拝命。
2025 年 4 月から現在担当する国内主要銀行グループのマネージング・クライアントパートナーを拝命し、同社様向けコンサルティング事業全体を統括。
Daily Schedule
インタビュー
-仕事に関して
Q:これまでのキャリアを振り返り、金融システムで働く中で特に感じてきたことは何でしょうか。
A:金融は社会インフラであり、障害を起こさないための機能や非機能の作りこみが本当に重要だと感じてきました。多くの障害にも対応してきましたが、長い期間でみるとそれぞれは一瞬のことのようにも感じます。辛い記憶は意外と少なく、むしろ前進させようと多くの関係者と知恵を出し合いながら進めた経験の方が記憶に残っています。
Q:特に印象に残っているプロジェクトはありますか。
A:大手メガバンクグループを担当していた際に、子会社を含めそれぞれの会社が利用していた別個の人事システムをひとつに統合したプロジェクトです。
それぞれカスタム開発で仕組みが一定に見えるシステムを SaaS に移行する中で、SaaS サービスの仕様の違いによるギャップに大きく苦労しました。ブラックボックス化されている内容の理解もしなければなりませんでしたし、カスタマイズが予期しない動作を生んだり、SaaS 側のアップグレードの影響が大きかったりと、深く学びの多いプロジェクトでした。
Q:現在のマネージング・クライアントパートナーとしての役割を教えてください。
A:国内主要銀行グループ様を担当するコンサルティング事業本部の責任者です。コンサルティング事業本部においては同社を専任で担当する部門の事業部長のようなイメージです。
Q:現在のお仕事では大阪出張も多いと伺いました。どのようなことをされていますか。
A:月に 6 回ほど大阪のお客様拠点を訪問しています。
お客様経営層との大事なミーティングが月に 2 回、その他に週 1 回ほどの頻度で日帰り訪問しています。お客様と IBM のジョイントベンチャーが入居しているお客様センターに入り、プロジェクトの進捗確認やジョイントベンチャーの経営層とのディスカッション、困りごとの相談をしたり受けたりします。お客様とのアウトソーシング契約に基づいて、ジョイントベンチャーのみなさんは IBM と共に IT システムを開発・保守しているので、みなさんお元気かなと顔色を見たりもしていますね。
Q:メンバーとのコミュニケーションで意識していることはありますか。
A:偉ぶらないことです。
上位のポジションにいるだけで構えられてしまうこともあるので、壁を作らず友達のように話してもらえる雰囲気を大事にしています。
良いニュースも悪いニュースも早く伝えてほしいと思っており、安心して話せる関係づくりを意識しています。
Q:技術トレンドのキャッチアップ方法を教えてください。
A:気になった言葉はその場で調べています。提案活動やプロジェクトを通して技術トレンドを説明する必要も出てくるので、よく出てくる言葉、ミーティングや会話から出た知らない言葉は、ガートナージャパンのレポート、公式サイト、海外サイトを使って調べて自分の言葉にできるようにしています。情報量が多く覚えにくい時は自分でリンク集を作っています。また、過去に得た技術と似ている部分を新しい技術に置き換えて理解する工夫もしています。
Q:海外の方とのやり取りも多いと思います。英語でのコミュニケーションについて苦労や工夫はありますか。
A:英語は普通に中学から学び始めました。もともと語学の学習は嫌いではない方でした。海外赴任が決まってから急ぎ 3 ヶ月語学学校に通いましたが、一生懸命勉強しても現地では通用しないことも多く打ちのめされました。ただ、多国籍の人たちと話すうちに完璧でなくても伝わるんだと気づき、文法が正しくないかもしれないという恥ずかしさを捨てて話すようになりました。きれいな英語を話そうとするのは日本人だけかもしれませんね。
Q:文系出身で技術職を歩んできたことについてどう感じていますか。
A:IBM のビジネスにおいては IT の世界についてお客様とコミュニケーションを取ることが多いので、主に文系出身者が得意とする『何が問題か?』をわかりやすく伝えるための「整理術」と「言語化」は役に立っていると思います。技術的な深い分析力は理系の方に比べ難しい面もありますが、出来ないことは出来る人に任せ、わかりやすく伝える工夫をするようになりました。それぞれの得意を活かせば良いと思っています。
Q:プライベートでの時間の使い方は。
A:平日はほぼ仕事ですが、土日は極力働かず脳を休めるようにしています。休みの日はしっかり休むようにしていて、よく寝て、ヨガのレッスンを受けたりしています。
Q:ストレス解消法はありますか。
A:あれもこれもと仕事が立て込むとストレスを感じることがありますが、そんな時は一度 PC から離れてうろうろ歩いてみたりします。
緑茶が好きなので茶葉から丁寧にお茶を淹れて飲んだりもします。それとヨガやサウナも活用していますね。ストレス解消として激しい運動などは日常的にはしていなくて、時々自転車に乗ったりするくらいです。