リーダー×女性技術者インタビュー
〜笹野 渚さん×秋吉 香織さん〜
今回はキンドリルジャパンのDigital Workplace Services(DWS)領域のお二人に対談いただきました。生成AI登場はキャリアにどのような影響を与えるのでしょうか?
* 今回の対談記事は、DWS領域のお二人の対談ということで、記事作成にも質問の推敲、文字おこしや要約とCopilot(Microsoft社の生成AI)を活用にトライしてみました!
キンドリルジャパン
笹野 渚(Nagisa Sasano)さん
シニアマネージャー
2002年入社、アウトソーシング事業の第七デリバリーサービス部門に配属、エンドユーザーサービスの領域でお客様を担当。その後、ITヘルプデスクの構築やエンドユーザーサービス運用の領域を長年担当し、製造業、流通、金融など様々な業種のお客様をサポート。最近は、従業員のエンゲージメント向上や、Copilotを活用した従業員生産性向上に寄与するITヘルプデスクのテーマでお客様に提案を実施している。
キンドリルジャパン
秋吉 香織(Kaori Akiyoshi)さん
執行役員 デジタルワークプレイス担当
入社時にエンドユーザーサービス支援部門に配属、メールシステムやIBM業務アプリケーションの問い合わせ窓口担当を経験。その後アウトソーシング事業に参画し、外資系金融業様の業務支援を行い、4年半の産前産後及び育児休職を経て、ビジネスオペレーションズのファイナンス部署に所属。現在はエンドユーザーサービスの現場で、デジタルワークプレイスの領域で様々なお客様に対してコンサルティングや提案を行い、DWS領域をリードしている。
これまでのキャリアの中でもっとも印象に残ったプロジェクトについて、教えてください
秋吉 香織さん(以下、秋吉さん): もっとも印象に残ったプロジェクトや経験というのは、回答がすごく難しくて。 似ている案件やプロジェクト、人材開発やコラボレーションという近しいトピックなど、 どのプロジェクトやお客様も毎回緊張、不安やうれしさがあるので、 選べないところがあります。
ただ、中でもターニングポイントとなったのは、ファイナンス部門でコスト構造を作ることに携わって、 そこでファイナンスのスペシャリストや現場のメンバーと学びながら、 お客様支援を行うことに深く関わることができたというのは、 とても勉強になった経験でした。 またヘルプデスクというバーバルなサービスを中国にもっていくという仕事したのも、先人がいないので叱られることもなければ参考にできるものもないというところが難しくもあり、面白いところでした。
似通ったテーマのプロジェクトであっても、お客様が違うと求められているものや課題が異なるので、取り組んでいる間は面白い、苦しいけど面白いというのがあります。お客様との会話は毎回得るものがあるし、新しい発見がないプロジェクト、難しさのないプロジェクトはないですね。
笹野 渚さん(以下、笹野さん): もっとも印象に残ったプロジェクトや経験は、私も難しくて、構築や運用というプロセスは同じであっても、どのお客様でも、業種によってシステムやパソコンの環境という中身は全然異なります。
そのため、直近の3年前から手掛けてきた経験をお話しすると、製造業様のITヘルプデスクの構築と運用開始を成功させたことが印象深いです。お客様も改善意識が非常に高くて、継続的にプロアクティブな提案を行ってきました。ペルソナに応じたサービス提案や受付チャネルの拡大など、継続的に新しい試みをし続けています。
これもすべて、一人ではできなくて、チームメンバーの理解と協力や上司、私の場合は秋吉さんになりますが、の支援もあってこそなので、日々感謝の気持ちを忘れずにやっています。
これまでの経験の中で、特に困難だった経験とその克服方法について教えてください
笹野さん: 先程お話しした製造業様の案件なのですが、計画時はコロナがまだ発生しておらず、 サービスイン
1か月前のトランジション期間中に お客様先に出社できなくなりまして。
ヘルプデスクのトランジションは現場でお客様の横で見たり聞いたりして学んだり というのが大きな要素なのに、間に合う?という状況になりました。 そこでとにかくお客様としっかりコミュニケーションをとって合意を得て、 というのを丁寧にすすめて、予定通りにサービスインすることができました。
困難な時こそ、お客様や上司やメンバーとのコミュニケーションをしっかり取って、同じゴールに向かって進めていくことが克服方法だと学べました。あとは一人で抱えないというところを意識して、すぐ相談するということを意識していました。
秋吉さん:大きいプロジェクトになればなるほど、大きさに限らず、(お客様を直接担当する)アカウントチームがいて、アカウントチームの中にはPM(Project Manager)さんやDP(Delivery Partner)さんというプロジェクト全体を管理する立場の人や、ユーザー支援の立場、端末管理など領域の異なるそれぞれのロールや職種、役割の人がいて、それぞれに熱い思いをもっていらっしゃいます。
そこに私たちがDWSという専門領域のメンバーとして入っていくので、常に登場人物が多くて、役割分担が難しいなぁと思います。一言で役割分担といっても中間をとっても間がとれないこともあるし、Focus:どこを選ぶのか、Fast:瞬時に選ぶ、というThe Kyndryl Wayに則った対応を、常に現場のメンバーは迫られる場面が多いと感じています。特にDWSという領域が支援している「従業員」という方は、どんなお客様にもいらっしゃるので、入口のドアオープナーとしての役割も意識しつつ、キンドリルの中でDWSが最もFocusすべきエリアを定めるのが難しいです。
克服方法はひとつしかなくて、コミュニケーションをとること、に尽きます。お客様だけでなくて、アカウントチームとも、最初から本音のコミュニケーションをとれることはあまりないので、コミュニケーションをひたすらとっていく、ことだと考えています。たとえば先ほどの笹野さんの案件も、IBM社のアプリケーション開発部門との協業案件だったので、お互いのコミュニケーション方式や会話のプロトコルが異なるので、よりコミュニケーションが大事になってくると感じた案件です。
以前はお客様に対して一枚岩、ひとつのプロトコルであるべきかもと思っていたこともありましたが、今はいろんなプロトコルがあってよいし、いろいろなやり方があってもゴールが同じであればいいかなと思っています。全員が赤色(Kyndryl ColorのWarm Red)でなくても七色があってもよいし、緑色があってもいいし、それがInclusiveであるということなのだと考えています。これからも、プロトコルを揃えることよりも、ひとつのゴールに向かって、Inclusiveなカルチャーでお客様へのサービスを提供していくことをキンドリルとしてすすめていければと思っています。
女性技術者が成功するために必要なスキルやマインドセットは何だと思いますか?
秋吉さん: 性別の違いがアイディアの違いや個人差ともいえるものもあると思うけれど、 もっと自信をもってほしいな、と思います。
なにに共感するか、なにを素敵だと思うか、というのはやはり違う気がします。直接対面するお客様は圧倒的に男性が多いですが、お客様の従業員には男性も女性もいらっしゃるので、肩肘張るというのではなく、自分自身が感じることをもっともっと自信をもってアイディアとして出していっていただけるといいなと思います。
無理やり出す必要はないけれども、お客様に共感できるスピードやカバーできる領域の広さが、お客様の課題解決のスピードだったりオポチュニティ探しにつながるので、もっともっと発想の違いを出していっていいと思います。また生産性を追求する「はやく・スピーディに・スムーズに」すすめるという特性もあるという、その強みを自分でも理解して、外に出していって欲しいなと思います。
あとは周りの理解者や共感してくれるメンバーの輪を広げていって、よりコミュニティを拡げていく、いろいろなコミュニティ活動を優先させて積極的に参加すること、仲間を作っていくこと、をおすすめしたいです。女性は個人での資料作成や考えるという生産活動に励んでしまう傾向があるので、コミュニティ活動を通して、繋がりを増やしたり、意見を交換したり、お互いに支援したりすることが、お客様の成功に貢献できるサービスをご提供することにつながると信じています。
笹野さん: コミュニティ活動も、つながっていく、というものになりますね。
今後の女性技術者のキャリア形成について、生成AIの活用がどのような影響を与えると思いますか?
笹野さん: 女性技術者に限らずだと思っているのですが、自分の業務で例を挙げると、
PMの仕事である 「ITヘルプデスクの
WBSの要素を教えてください」 って言うと、
Copilotがさささっとやってくれます。
これまでであれば、一緒についていた先輩やPMが作成していた WBSの要素や、自分が経験してきた内容を踏まえて WBSの要素を書きだせるようになるという流れだったと思うのですが、 これからは生成されたものが妥当かを判断できるスキルを身に付けていく・育成できるようにする、 というのが上司や経験を積んできた先輩の仕事になっていくと思っています。 上司や先輩側も、考えを変えて「生成AIありき」の中で どうスキル育成をしていくべきか?を考える必要があると考えています。
秋吉さん :これからは、より「中身」が求められるようになると思っています。小学生の宿題から生成AIを使ってくる世代が入社してくるんですよね。そうすると、見栄えやストーリーテリングは例えばCopilotが担ってくれるので、よりどう中身の価値を提供できるか、にかかってくると思っています。
笹野さん :今迄よりもより難しいなと思います。WBSも提案書もすべて生成AIがささっと作ってくれるようになっていきますしね。
秋吉さん :資料の色合い、この赤はキツいから別の色にして、というような単純なレビューや指摘はどんどん減っていくと思います。私が入社したときは電話が鳴ったらとればいいという単純な指示だったけれども、これからはマスタースケジュールもWBSも(ツールの支援で)書けちゃう時代になると、より中身が大事になってくると。
そうはいっても、生成AIやCopilotを活用していない人はまだいるので、まだまだ活用の余地はあるし、生成AIのつくったものを生成AIがチェックしてくれればいいのに、というコントみたいな話しもありますが、最後は人間力なんだろうなと思っています。
生成AIが当たり前の時代になる中で、必要なサポートの在り方はどうかわっていくと思われますか?
笹野さん: これまでやっぱり上司からのサポートが一番多くて、 コミュニケーションをたくさんとってきた、というのが挙げられます。 仕事上の、業務に関するものもそうだし、 結婚して育児で環境が変わったりする中での働きやすい環境を 助けてもらったり、というところ、 「人と人」というところは変わらないと思っています。
秋吉さん: コロナがあったので世の中ががらりと変わり、みんなが孤立した感じがありますが、 Copilotをはじめとするいろいろなテクノロジーが 代替してくれているところが増えたので、 これからは一人で「作業」をしていくことが減っていくだろうなと思っています。 いわゆる「ペアワーク」や「コラボレーション(集団での協業)」が 増えていくといいなと。
一人の作業も、作業というよりも考えるという仕事は大事なので、それは残るとして、 これからはペアワークが増えていってほしいし、 レビューしてあげます、というのではないペアワークですね。 笹野さんから「ご相談」といわれて時間をとってお話しすることが多いのですが、 実は相談をうけている私の方が勉強になることが多いんですね。
笹野さん : そんなことはないでしょう(笑)
秋吉さん : そうなんです(笑)。例えば資料の色ひとつとっても、「なぜ紫色にしたのか?」というのにも理由がちゃんとあるので、じゃぁそれをお客様にぶつけてみよう、お客様を向いてのペアワークと部門をまたがったコラボレーションでいろんな発見を大事に進めていきたいなと思います。
働き方は、自宅で一人で、またはお客様先で一人で、それぞれ孤立して闘う、という時間を減らしたいし、コミュニティが大きくなっていって、いろいろないいとこ取りができるようになるといいなって思います。ペアワークはもっと楽しいはずのものなので、技術を活用して、年齢や経験に関係ないコラボレーションができるように、推進していきたいと思います。エクセルと睨めっこや美しいパワーポイント報告資料にかける時間や、一字一句違わず取得される議事録も価値はあると思うけど、ひとつも誤字脱字がない資料もそれはそれであったらよいとは思うけれど。
より"インクルーシブ"な、お互いのアイディアや価値観を「認め合うような文化」を推進していければと思っています。