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#139【z/OS V2R5変更点】 ISPF EDIT COMPAREコマンド実行時のSuperCリスティング保管データセット名

  

従来、ISPF OPT3.12SuperC Compare Utility)、OPT3.13SuperCE Utility)では、ISRSUPCユーティリティー・プログラムの実行結果(リスティング)を保管するデータセット名が指定可能です。

OPT3.12ISRSSOLDパネルの「Listing DS Name

OPT3.13ISRSEPRIパネルの「Listing DSN

一方、ISPF EDITセッション中のCOMPAREコマンド実行時にSAVEオプションが有効な場合、SuperCリスティングを保管するデータセットは、ネーミング(修飾子の構成)があらかじめ決まっています。

※この場合のリスティングは、「LINE COMPARE」、「LISTING-TYPE = CHNG」にて作成(Deltaなどは指定不可)

z/OS V2R5の変更点】

ISPF EDIT COMPAREコマンドにてSuperCリスティングを保管(SAVE)する場合、対象データセット名の修飾子(一部)が「ISPFEDIT」から「EDIT」に変更されました。

ISPF構成テーブルで、「USE_ADDITIONAL_QUAL_FOR_PDF_DATA_SETS」キーワードが「YES」指定の場合(省略時値: NO)、「ISPF_TEMPORARY_DATA_SET_QUALIFIER」キーワードで指定された修飾子が、「ISPFEDIT」(z/OS V2R4以前)あるいは「EDIT」(z/OS V2R5以降)修飾子の前に付加されます。

z/OS V2R4以前のISPF EDIT COMPAREコマンドでは、SuperCリスティングの保管データセット名が最大長(44文字)を超える可能性がありました。

※リスティング・データセット長が最大になるケース

z/OS V2R4まで: tsopref.userid.qual.ISPFEDIT.COMPARE.LIST48文字)

z/OS V2R5以降: tsopref.userid.qual.EDIT.COMPARE.LIST44文字)

【挙動比較】

ISPF EDITセッション中、SAVEオプション付きのCOMPAREコマンドを実行した際に変更が見つかると、「Changes are shown」メッセージを出力します。

PF1を押下するとISRE668メッセージが出力され、SuperCのリスティングを所定のデータセットに保管したことを通知

■同一データセットの他メンバー比較(z/OS V2R43.1 

ISPF EDITセッション中、SAVEオプション付きのCOMPAREコマンドを実行した際に変更が見つからない場合は、「Files are the same」メッセージを出力します。

PF1を押下するとISRE669メッセージが出力され、SuperCのリスティングを所定のデータセットに保管したことを通知

ISRE669 Files are the same - This file was compared to 'aaaaaaaa'. The compared files have no differences. The SuperC listing is saved in data set 'bbbbbbbb'.

SuperCリスティングの一部(z/OS V2R43.1

【関連情報】

ISPF EDIT COMPAREコマンド実行時に出力される「Edit Compare Settings and Command Parameters」(ISREUPPパネル)にて、Saveオプションを選択した場合も、SuperCリスティングを所定のデータセットに保管することができます。

z/OS V2R5以降は、「Edit Compare Settings and Command Parameters」(ISREUPPパネル)の最下部に、次のようなテキストが追加されました。

z/OS V2R4以前は同様なテキストが表示されないため、後続のパネル操作が不明確

【考慮事項】

z/OS V2R5を境に、SAVEオプション付きのISPF EDIT COMPAREコマンド実行時に作成、使用されるSuperCリスティングのデータセット名が変更されたため、影響有無の確認が必要です。

※データセット名の変化例(PROFILE PREFIXTSOユーザーIDと一致する場合)

z/OS V2R4以前)tsopref.ISPFEDIT.COMPARE.LIST

z/OS V2R5以降)tsopref.EDIT.COMPARE.LIST

■例えば、z/OS V2R4から3.1(あるいは、z/OS V2R5)へ移行後、以前のEDIT COMPARE処理で作成されたデータセットはもはや再使用されないため、SuperCのリスティングが行方不明になる可能性があります。

z/OS V2R5以降では、新しいネーミング(EDIT修飾子)のデータセットを作成(その後は上書き使用)

※紛らわしいので、旧ネーミング(ISPFEDIT修飾子)のデータセットが不要な場合は、削除しておくことが推奨

z/OS V2R4z/OS 3.1(あるいは、z/OS V2R5)が共存する場合、操作する環境に応じてSuperCリスティング(ISPF EDIT COMPARE時)のデータセット名が異なるため、注意が必要です。

以上