z/OS V2R3 SDSFでは、新機能APAR PH10281のPTF適用を通じて、VMAPパネルのRUCSAサポートが提供されました。(Restricted Use Common Service Area)
・EXTENDED-RUCSA(16MB上)
・RUCSA(16MB下)
※z/OS V2R1~V2R3では、BCP APAR OA56180にて、RUCSA定義を可能とする新機能を提供 ・・・ RUCSA特有のライセンスは不要
z/OS V2R4以降、RUCSAはz/OSの有償オプション・フィーチャーとしてのみ提供されるため、事前のライセンス取得、およびPARMLIB(IFAPRDxx)メンバー登録の上、PARMLIB(IEASYSxx)メンバーにて「RUCSA=(xM,yM)」パラメータ指定を行う必要があります。
※「RUCSA=(xM,yM)」パラメータ指定時に、PARMLIB(IFAPRDxx)メンバーで「FEATURENAME('RUCSA')」に対する「STATE(ENABLED)」パラメータ明示指定がない場合、NIP中に下記のメッセージ出力を伴い「WAIT07C RSN09」が発生
IGV900W RUCSA MEMORY DEFINED, BUT USAGE OF THE RUCSA FEATURE HAS NOT BEEN REGISTERED VIA IFAPRDXX
【z/OS V2R5の変更点】(SDSF VMAP)
■z/OS V2R5、3.1でRUCSA領域をシステム定義した場合、「CSA」、「EXTENDED-CSA」領域に関してSDSF VMAPパネルで表示される情報の意味合いが変更されました。
※①Start/End-Address、②Size、③Alloc ・・・ 従来同様、定義済のRUCSA全体を含む(変更なし)
※④Alloc% ・・・ 分母のみRUCSA定義の影響を除外(分子は③Allocのため、RUCSA全体を含む)
※⑤HWM、⑥HWM% ・・・ RUCSA定義の影響を除外(純粋なCSA/ECSA領域の状況を示すように変更)
■ERUCSA(4MB)確保時のVMAP表示例
■RUCSA(1KB)確保時のVMAP表示例
【SDSF APAR PH61591によるVMAPの変更点】(対象: z/OS V2R5 & 3.1)
■APAR PH61591以降では、RUCSA領域をシステム定義した場合、「CSA」、「EXTENDED-CSA」領域に関してSDSF VMAPパネルで表示される情報の意味合いが、更に変更されました。
※PH61591: STARTING ADDRESS OF RUCSA AREA ON VMAP PANEL HAS SAME ORIGIN AS CSA AREA
https://www.ibm.com/support/pages/apar/PH61591
※①Start/End-Address、②Size、③Alloc、④Alloc% ・・・ RUCSA定義の影響を除外(純粋なCSA/ECSA領域の状況を示すように変更)
■APAR PH61591適用後のVMAP表示例
【考慮事項】
■RUCSAをシステム定義した環境で、SDSF VMAP上の「CSA」、「EXTENDED-CSA」領域に関する情報を利用している場合、z/OS V2R5以降、さらにAPAR PH61591以降では、パネル表示される値の意味合いが大きく変更されているため、影響有無の確認が必要です。
■z/OS 3.1、または、RMF APAR OA63143(対象: z/OS V2R4、V2R5)適用後は、RMF Monitor III STORCレポート(Common Storage)にて、CSA/ECSA領域からRUCSA全体を除外するための機能変更が行われており、SDSF VMAPパネルでも、z/OS V2R5以降、それと同様なアプローチが徐々に採用されました。
※OA63143: MON III STORC REPORT COMBINES CSA WITH RUCSA AND ECSA WITH WITH RUECSA
https://www.ibm.com/support/pages/apar/OA63143
【関連情報】(z/OS V2R4の変更点)
■RUCSAが未定義のシステムでは、z/OS V2R3(APAR PH10281適用済)とV2R4以降で、SDSF VMAPパネルの挙動が大きく変更されました。
(z/OS V2R3) ユーザー・キーCSA/ECSA(SP 227/228/231/241)の使用状況を、それぞれ「RUCSA」、「EXTENDED-RUCSA」として表示 ・・・ VSM ALLOWUSERKEYCSA(YES)パラメータ指定の場合
※VMAPパネルにて「ユーザー・キーCSA/ECSA」の使用状況が把握可能(スナップショット、最大値)
※BCP APAR OA56180が前提(RUCSA定義を可能とする新機能)
(z/OS V2R4以降) RUCSAが未定義の環境では、VMAPパネルにて「RUCSA」、「EXTENDED-RUCSA」の領域を非表示
※RUCSAを定義した環境でのみ、VMAPパネルにて「RUCSA」、「EXTENDED-RUCSA」の領域を表示
■RUCSA未定義のシステム(z/OS V2R3の事例)※PARMLIB(DIAGxx) VSM ALLOWUSERKEYCSA(YES)パラメータ指定
■RUCSA未定義のシステム(z/OS V2R4の事例)※z/OS 3.1も同様
以上