従来、特定のz/OSシステムを管理するSMP/E CSI(Consolidated Software Inventory)は、システム担当者(システム・プログラマー)が把握しているのみで、何らかのプログラム・インターフェース経由で知ることはできません。
これに対し、z/OS 3.1では、「UUID」(Universal Unique Identifier)をz/OS SWI(ソフトウェア・インスタンス)と関連付けることで、REST APIによるプロパティー取得ができるようになりました。
※例えば、POSTメソッドで取得した「UUID」をGETメソッドにて指定することで、対象のz/OSソフトウェア・インスタンスに含まれるCSI情報、導入済の製品情報などが入手可能
※この新機能は、LPARまたはVM下で稼働するz/OSソフトウェア・インスタンスのみが対象 ・・・ プログラム製品やミドルウェアは対象外
★「UUID」は、オブジェクトを一意的に識別するために使用される 128 ビットの値
※32個の16進文字(0~9、A~F)で表現され、「XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX」形式で表示(4つのハイフンで区切られた、8-4-4-4-12形式)
(例) bbc9e8d6-bd61-4f11-af48-ff500fffc178
【z/OS 3.1導入時の新機能】
■PSWI形式のz/OS 3.1 ServerPacを導入する際、「POSTDEPLOY」ワークフローの「STEP 38」(Install USERMOD to create UUID module IZUSIUI.)にて提供されるSMP/E USERMODを適用することで、「UUID」が記録された「IZUSIUI」モジュールをSYS1.LPALIBデータセット内に作成することが可能です。
※ドライバー・システム(z/OS V2R4、V2R5)は、z/OSMF APAR PH49464のPTF適用が前提(FIXCATに登録済)
※z/OSMFのソフトウェア管理タスクにて、z/OSソフトウェア・インスタンス向けの「UUID」を生成
※SYS1.LPALIB(IZUSIUI)の様子
【考慮事項】
■z/OSソフトウェア・インスタンス向けに「UUID」をアサインすることで、冒頭にあるようなメリットを生みますが、z/OS導入(デプロイ)時には「任意」扱いの作業となります。
※「POSTDEPLOY」ワークフローの「STEP 38」では、今後、タイトルに(オプション)表示(Optional)が行われる予定
■USERMODを実行して、SYS1.LPALIBデータセット内に「IZUSIUI」モジュールを作成した場合、「D IPLINFO」コマンドの実行結果(IEE254Iメッセージ)、SDSFの「SYS」パネルにて「UUID」が表示されます。
※「D IPLINFO」コマンド実行結果(IEE254Iメッセージ)の変更に伴う影響有無を確認
■「UUID」のアサイン有無に応じた表示内容の違い
【関連情報】
■「POSTDEPLOY」ワークフローの「STEP 38」では、「UUIDUMD」という名前のFUNCTIONをRECEIVE/APPLYすることで、「IZUSIUI」モジュールをASM/BINDしてLPALIBへ格納します。
※「UUIDUMD」は、z/OS 3.1 FMIDの一部として存在(Create module IZUSIUI containing the SWI UUID)
■「STEP 38」のSMP/E USERMOD適用ジョブ(例) ・・・ 便宜上、JCLを3つのパートに分けて記載
以上